日本語学校の卒業制作を観る(1) | けんじいのイージー趣味三昧

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けんじいの3大趣味である山歩き、鉄道模型製作、オカリナ・ハーモニカ演奏を中心に好きなことを書くブログです。Yahooからの移行ですが、よろしくお願いします。

 我が日本語学校の上級は1から4まであるが、そのうち上の2つのレベルのクラスには、今学期「卒業制作」(二次制作)という授業が週1日割り当てられた。けんじいは担当しなかったが、その発表会が昨日と今日と2日間にわたって行われたので、昨日は授業の日ではなかったが、我がクラスのできを見に学校に出かけた。

 

 1つ目は「メリーさんの電話」が元ネタの「悩み怪談」という創作。「メリーさんの電話」は一種の都市伝説で、捨てられた人形から電話がかかってくる物語。最初は捨てられた人形がゴミ捨て場から電話をかけてくる。次々とかかってくる電話からだんだん近くに来ていることが分かる。迫り来る恐怖!怖ーい話である。

 

 

 創作は、迷惑電話なのか友達からなのか不明だが、2人のアポイントを巡って相手からいちいち近付いてくる電話がかかってくる様子をフリートーキングの形でパフォーマンスした。「今ゴミ捨て場」から始まって「今渋谷駅」「今郵便局」「今階段を登っているところ」などに相方が「いちいちうるさいわよ」と言うと思ったら、今度は「なぜかけてこないの?」と怒る。

 

 怒る中には「私がメンヘラだからでしょ」という言葉が出る。けんじいには全く予想がつかない。調べると「メンタルヘルス」から来ていて「心に闇を抱えた精神的に不安定な人」ということらしい。そのほか「つらたん」(「辛い」という意味)、「あげぽよ」(テンションが上がっている状態)など、今や死語と言われる単語の話も出た。なお、同じグループが「口裂け女」を元にした短い創作も発表した。

 

 

 ぜーんぶぜーんぶ、けんじいには知らない世界。結局よくわからないまま終わった。ただ例の生意気女子の日本人並みのしゃべくりの滑らかさには、他のクラスの学生たちも感心していた。担当の若い先生は「ほとんど一人で原稿を創作した。よく頑張ったね」と褒めていた。けんじいには面白くともなんともなくても、観衆の学生はたくさん来て質問もしていたから、それなりに面白かったのだろう。

 

 2つ目は「ヘタリア」が元ネタで、イタリア、ドイツ、アメリカ、日本、中国を擬人化した人たちが「culture appropriation(文化盗用と訳されるらしい)」について語り合う創作物語。二次創作にしては真面目すぎて、本気で文化の盗用について議論していた。けんじいは「文化盗用なら日本はみんな中国から盗用させていただいている」と口を挟むと、中国人学生は「日本人はそれを認めるけど韓国人は自分が一番だと言う」と本気で怒っていた。

 

 また、終わった後で創作メンバーに「食事や儀礼など分かりやすい事柄の方が面白かったのではないか」と言おうと思ったら、「最初は各国の食事や作法などを考えたんですが、簡単すぎるかなと・・・」と言っていた。

 

 

 アニメを全く見ないけんじいにとってはまさに異世界を覗く体験。きっと元ネタを熟知している人間には笑える場面がいっぱいあったのだろう。とはいえ、2つ目の元ネタ「ヘタリア」などはよくある各国の国民性を揶揄したジョークなどを物語に仕立てたもののようで、これならけんじいもいっぱい作れそうな気がする。制作に参加したかったなあ。