トランプとヒラリーは劉邦と項羽 | けんじいのイージー趣味三昧

けんじいのイージー趣味三昧

けんじいの3大趣味である山歩き、鉄道模型製作、オカリナ・ハーモニカ演奏を中心に好きなことを書くブログです。Yahooからの移行ですが、よろしくお願いします。

 先日日本語学校の新しい日本語教科書の第1章にいきなり「アメリカの労働者はなぜトランプ大統領を支持したのか」という小見出しがあってびっくりしたと書いた。本文は続いて、あるアメリカの大学教授(イエール大Amy L.Chua)の説を紹介している。曰く、「トランプ氏の荒々しい言動のスタイルが、労働者が考える意味での素朴なアメリカ人気質に合致していることが重要な勝因だった」

 

 具体的には、「民主党支持者が多くを占めるアメリカのエリートは、トランプ氏の言動を取り上げて「差別への配慮が足りない」と批判したり時には「本を読まず教養がない」、「ファストフードを貪り食っている」などと蔑んだりすることすらあった。(中略)これが労働者にとって自分達が馬鹿にされているように感じ、本能的に「トランプは味方、ヒラリーは敵」と判断した。」

 

 

 この教科者はそのあと、これは経済的な対立というよりは部族対立のようであるとして、「人間はなぜグループ化し、みびいきが生じるのか」という話につながっていく。それが本来のテーマなのだが、けんじいはトランプとヒラリーの話に自分が感じていたこととほとんど一致すると膝を打った。

 

 そしてそれはアベに代表される自民党(ある意味もっと特徴を示しているのが日本維新の会)と弁護士出身が多いと思われる立憲民主党にも通じる話だと思った。立憲民主党がロゴマークを変えた時けんじいはこんな英語を使ったロゴマークにダメ出しをしたことがある。

 

 

 けんじいの妄想というか連想は授業する相手の中国人に向かった。「このトランプとヒラリーの話はこれに似ていないですか?」と言って、ホワイトボードに「習近平と李克強」「毛沢東と周恩来」「劉邦と項羽」と書いた。「後者は知的であり人間的にも優れていたのに対し、前者はヤクザの親分みたいな感じ。でも人気があり結果的に天下を取ったのは前者だ」と。

 

 

 すると中国人学生は「劉邦と項羽は納得しますが、あとの2つは大きな政策を示す人とそれを実行する人という役割分担ですから先生の言っていることは違います」と反応した。けんじいは「そうかなあ、後者の方が知識分子(ここはあえて中国語で発音した)という感じはするけどなあ」と言ったが、それ以上は言わなかった。

 

 

 役割分担は結果としてそうなったが、当初は周恩来が毛沢東の上司だったし、レース争いは李克強の方が一歩先を行っていたのになぜ逆転したのか。その鍵がトランプとヒラリーの話の中にないのかを議論したかったが、いろいろな意味で無理そうだった。あえて「習近平は賄賂叩きで国民に人気があるでしょ」と煽ってみたら、僅かに一人「習近平の腐敗叩きは政敵叩きにすぎない」と発言した学生がいたが、他の学生は無視した。

 

 日本の新聞記事がみな後者に同情的な書き方をするのは新聞記者が知識分子だからではないかと思うのだが、それはともかくみなさんはけんじいのこれらの連想をどう思いますか。