中国がこんなに発展したのに日本留学希望が増え続けるわけ | けんじいのイージー趣味三昧

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 コロナを乗り越えて我が日本語学校は史上最大の学生数(1千人超)を抱えるまでになった。その大半は中国人である。けんじいが教える上級クラスは全員が中国人。

 

 けんじいは最近の中国人学生は中国国家と同じでやけに生意気になっているのではないかと感じていたし、「日本に来て久しぶりにお札を使った」などという発言を聞くと彼らにはもやは「中国は遅れている」感はないのだろうと思っていた。それにしてはなんでこんなにも日本に来る留学生が増えるのか。

 

 考えられるのは、(1)子供の頃のアニメ文化の好影響が今も続いていること、(2)中国社会が息苦しくなっていること、(3)日本の大学や大学院が中国のそれよりも入りやすくなっているのではないかと思われること、などである。それらに加え、最近授業の中に導入された「面接練習」をしていてなるほどと気づいたことがある。それはベースにある日本への親近感である。

 

 

 「なぜ日本を留学先に選んだのか」という質問に対し、「〇〇の分野で日本は先進的だから」と学生たちはまず答える。そこで「日本が一番進んでいるわけではなく欧米も進んでいるがなぜ日本なのか」と重ねて質問すると、面白いことに「日本とは文化が近いから」、「価値観が同じだから」という答えがとても多い。「価値観が同じ」などと言われると、「価値観?おいおい、そっちは社会主義か共産主義でしょ」と言いたくなるし、多くの日本人はアベがよく言っていたように「我々は欧米とは価値観が一緒でも中国とは全く違う」と思うだろう。

 

 しかし、よく考えると、日本も中国も政治はほぼ一党独裁だから政治は諦めて、あるいは所与の条件と考えて、自由に活躍できる経済や社会、あるいは芸術の分野で頑張るには文化が近い日本がいいと思うのかもしれない。何しろ漢字が読めるしホッとすることは事実だろう。

 

 

 以前教科書にフィンランドの教育の話が出てきた時、受験勉強が激しい国は?と聞いたら「中国、日本、韓国。東アジアはみな親戚みたいなものです」とやけに親しそうな反応が返ったことがある。これに加え「距離的に近いから親が安心する」とか「かかるお金も欧米より少ないし親も日本を勧める」などの面接回答例もあった。

 

 今や短期長期を問わず欧米に留学したことのある中国人学生も少なくないが、彼ら彼女らは「欧米の人とは違いが大きすぎて馴染めない。その点で日本がいいと思った」と言う。そうか、中国の人たちは我々が思う以上に日本には親近感があるんだ。確かに、「一番違いがないのはなんと言っても顔つきだ。黙っていれば誰も外国人と思わないもんね」とけんじいが言うとみんな笑って大きく頷いた。