中国人の考え方がよく理解できた中国料理店の計算 | けんじいのイージー趣味三昧

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 日本人と中国人の考え方には相当異なるところがある。それは以前から感じていたし、世の中でも指摘されている。例えば窃盗罪だが、日本では1円でも窃盗は窃盗だ。かなり以前の話だが、コンビニの電源から中学生が無断で携帯を充電したことで送検されたことがある。

 

 これに対し中国では、警察に訴えるとまず「いくら盗られたのか」と聞かれ、少額なら警察は相手にしない。刑法自体にも「比較的多額である場合は・・・」から定められていて、多分千円程度以下なら犯罪とはみなされないようだ(もっともアメリカでも考え方はこれに近いそうだ)。

 

 

 日経ビジネスだったかの記事で、その違いを「スジの日本、量の中国」とか「建前の日本、実態の中国」というような説明を読んで納得したことがある。筆者は例えば、通路に何人かが集まって話しているケースを例に挙げて言う。日本人なら「こんな通路で他人に迷惑なのになんて奴らだ」と舌打ちをし、場合によっては注意する。

 

 しかし中国人は「この程度の通行なら、さほど無理なく通過できるだけは空けているのだから、なんで文句を言うのか」と思うのだそうだ。つまり「量的に」「実質的に」なんの問題もないのに、ルール的なこと、つまり「スジ」にこだわる日本人が理解できないというわけだ。

 

 そこでけんじいの近所の中国料理店の話である。この店では消費税8%の時代には、いつも1円単位の部分を切り捨てていた。700円の定価に756円用意していくと「750円です」と言う。「釣り銭の1円玉を用意する必要がないから」とのことで、なるほど客には喜ばれるし中国人は合理的だなあと感心した。

 

 

 ところが消費税が10%に引き上げられてから、なんだかおかしい。750円の定価に825円きちんと用意していくと「830円」と言う。それでも黙って出ていくと、後ろでブーブー言っているようだった。

 

 次の時は、5円玉がなくて830円出すとお釣りをよこさない。「おかしいでしょう」と言うと、店の計算機を見せながら「750円」をインプットした後、もう一度押して「830円」と出た画面を見せながら「ほら」と胸を張る。計算機が切り上げに設定してあるのだ。

 

 気まずくなり、それからこの店に行くのは止めたが、「スジ」にこだわる日本人と「量」や「実態」で物を見る中国人の考え方の違いに納得した。

 

 ここの主人は習近平が福建省の党書記をしていた時のコックだったと書いてあり、わりあい安くてうまいので選択肢を1つなくしたのは正直残念ではある。日本で営業する以上は「入郷随俗」(郷に入っては郷に従え)だよと教えてあげるべきだったかもしれない。