22.近郊観光(爛柯山、孔子廟) | けんじいのイージー趣味三昧

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 近郊の旅2回目は、学生の付き添いなしの、囲碁の聖地爛柯山と南宗孔子廟見学。

 まずは列車に乗る。連休期間中だから予約席はすでになく、「無席」という名称の立ち席券。値段は予約席と変わらずなぜか車両番号が指定されている。定刻直前「晩点(遅れる)、未定」の表示が出た。何てことだと思うが、中国人は誰も騒がない。30分遅れて改札が始まり、列車は目的地に殆ど定刻に着いてしまった。
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 もう一つ驚いたのは、満席で1車両に20人くらい立っているのに、学生らしき一人がけんじいに席を譲ってくれたことだ。自分は仲間の2人席に3人で腰掛けてまで。さらに強面で携帯をしていたお父さんまでが、「俺ちょっと手足伸ばしてくるから」といった感じで妻に席を譲ってどこかへ行ってしまった。列車は寝台を連結しているくらいだから眠そうな人が多い。そんな中、指定席を譲るなんて日本では考えられない。
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 駅前からタクシーで爛柯山風景名勝地区へ向かう。囲碁好きの人には常識だろうが、爛柯は囲碁の別称、異称である。

 大昔この辺りの木こりが山に入ると童子たちが囲碁をしていた。それを見ているうちにあっという間に時間が経ち、木こりの持っていた斧の柄(柯)が腐って(爛)いた。里に戻ると知っている人は誰もいなかった。つまり神仙の世界とこの世の時間の速度の違い(いわば浦島太郎)と、時間を忘れるほどの囲碁のおもしろさ、神秘さを言ったものだろう。巨大な囲碁の石を覆う石梁の上に登ると、南に形のよい山々が聳えていた。
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 園内にある宝岩寺という古刹は西暦541年の建立。線香を持たされたので、金が要るのかと聞くと「願意」との答え。この辺は日本と同じだ。立派な千手観音もおられた。
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 タクシーをつかまえて町の中心部にある南家正宗孔子廟へ。孔子は山東省曲阜県の出身だが、北宋が南に逃れる時、孔子廟を守ってきた当時の長男がこちらに疎開して以来、こっちが正統ということになっているらしい。
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 駅で帰りの列車を待っていたら、珍しく中国人同士がけんか・・・。と、素早く止めた人がいた。その彼を尊敬する目で見ていたら、けんじいの視線に気づいて、こっちを向いて、照れ隠しのように「こんなつまんないことだったんだ」とでも言っているようだった。適当にうなずいていると、「ん?あなたは中国人じゃないな?」と気づいた様子だ。

 日本人だと答えると、「日本民族と中国民族は隣人同士だ」「日本民族は非常に聡明だ」などと話してくる。さらには「中国は国家としては豊かになっているが、民衆の生活はそれほどよくなってはいない」などと、いろいろと話し始めた。もっと話したい人だったが、けんじいの語学力では限りがあった。

 帰りは座席指定が取れた。車窓の景色は青々として、ところどころ稲刈り直前の黄金色が広がり、遠くには山が重なる。日本と変わらない美しい農村風景だ。帰りのバスでも席を譲られ、「見て見ぬ振り」をしない人間大好きの中国人のすばらしい点を再発見した思いだった。