報道の恐ろしさ、司法権力の恐ろしさ | けんじいのイージー趣味三昧

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 民主党の石川議員が保釈されて、離党することになった。今まで余り新聞やテレビの報道ぶりを比較、注目したことはなかったのだが、今回はおやっと思った。

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 2月10日朝の報道は殆どが「離党も辞職もせず」であった。ところが朝日新聞だけが「離党の方向」となっている。テレビを見ると石川議員自身が「離党も議員辞職もしない・・・」と喋っている。これは朝日の誤報かと思った。

 ところがよく読むと、「(離党も議員辞職もしない)でがんばってくれと後援会の総意として言われている。しかし最終判断は自分がする。」と言っているのである。テレビも括弧の部分だけを放映して残りはカットしているのだ。不正確も甚だしい。意図的なら、国民を欺く犯罪だ。
 
 これを見て、企業の危機管理の要諦を思い出す。記者会見では、どこでカットされても誤解されないよう、短いセンテンスで切ること。小泉純一郎氏はその点素晴らしい。ワンフレーズなら歪められる余地が少ないからだ。

 報道がこのくらいいい加減だということ実感したので、ついでにけんじいがこれまでの職業経験で学んだ留意点を、少し披露しよう。金融機関や官庁ではよく職員が横領して新聞沙汰になる。その時「30万円横領した」と書いてあって、たったそれだけでかと思ってはいけない。警察がとりあえず立件したのが最初の1件30万円ということで、たいていはその後次々と横領額が増えて行く。

 逆に「横領額は累計2億円に上った」と聞いて、悪い奴だ、2億円も一体何に使ったのだと思ってはいけない。犯人はバレないように穴の空いた口座の穴埋めに次々と横領して自転車操業よろしく繰り回すから、それらをグロスで合計しただけなのだ。実際自分で遊興費に使い込めたのは、ほんのわずかの場合が少なくない。

 以上は報道の表現上の話だが、それよりも問題だと思ったのは、同じ横領事件でも警察や検察の繁忙度合いで、検挙するのかどうか全く恣意的だということだ。本人にとっては、その後の人生が全く変わってしまう重大事だが、やるかやらないかは司法当局の胸先三寸。警察署の金網の向こうでうなだれる元社員と面会して、それよりも10倍も大きい額の横領をしても警察が動かなかった事件を知っている身には、本当に不憫と思わないではいられなかった。

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 もっともこんな小さな事例など持ち出さなくても、菅家さんの事例を見れば本当に権力の怖さを思い知らされるというものだが。