(前回記事の続き)
JR西日本の特急「やくも」に残る国鉄特急型電車381系は、2024年6月15日(土)のラストランをもって定期運行を終了。
国鉄特急色編成は、一日早く6月14日(金)ラストラン。
定期運行の国鉄特急型電車は、昭和の高度成長期時代から続いたその長い歴史に幕を閉じた。
山陰・出雲市駅から、山陽・岡山駅へ
出雲市(いずもし)駅15時35分発の、特急「やくも24号」岡山行きに乗車
出雲市駅を発車した381系国鉄特急色編成は、JR山陰本線を東へ。
斐伊川を渡る。
二重窓の間にある隙間は、かつて手回し式回転ハンドルで上下するベネチアンブラインドがあった名残。現在はカーテンに交換されたためデッドスペースになっている。
最後尾の1号車グリーン車
デッキの乗降ドア
緑の中を行く国鉄形特急電車
デッキ
出雲平野を行く。
15時48分〜49分、宍道(しんじ)駅停車
山陰本線・米子発浜田行き普通列車(キハ126系気動車)と行き違い。
3番線には、宍道駅16時02分発・JR木次線 出雲横田行き(キハ120形気動車)が停車中
木次線はJR西日本屈指のローカル線で、廃止が危惧される。
15時57分〜58分、玉造温泉(たまつくりおんせん)駅停車
車窓左側に広がるのは汽水湖の宍道湖(しんじこ)
湖の対岸には、島根県唯一の私鉄・一畑電車が走る。
対岸に、松江しんじ湖温泉のホテル群などが見えてくると、間もなく島根県の県庁所在地・松江
16時04分〜06分、松江(まつえ)駅停車
松江駅を過ぎると、宍道湖と中海の2つの汽水湖を結ぶ大橋川に沿って走る。
16時22〜23分、安来(やすぎ)駅停車
車窓左側に汽水湖の中海(なかうみ)を望む。
16時31分〜34分、米子(よなご)駅停車
向こうのホームには、JR境港線(米子〜境港)・ゲゲゲの鬼太郎ラッピングのキハ40形気動車。境港は、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげる氏の出身地。
日野川を渡る。
向こうには王子製紙(株)米子工場
伯耆大山(ほうきだいせん)駅を通過
伯耆大山駅と岡山貨物ターミナル駅間には、EF64形電気機関車が牽引する貨物列車も走る。
伯耆大山駅を過ぎると山陰本線と分かれ、中国山地を縦断するJR伯備線に入る。
山陰地方を代表する名峰・大山(だいせん)
標高1,729mの火山で、中国地方の最高峰
大山は、角盤山、伯耆富士などとも呼ばれる。
見る角度により山容が変わる大山
17時01分〜05分、根雨(ねう)駅停車
下り列車と行き違いのため、4分停車
山間の小さな駅に停車する特急「やくも」
「日立製作所 昭和57年」と書かれた製造銘板。奥には、JRの前身、「日本国有鉄道」の銘板も残る。
特急「やくも」は、日野川に沿って中国山地に分け入る。
分水嶺を越え、鳥取県から岡山県へ。
備中神代(びっちゅうこうじろ)駅を通過
備中神代駅は、JR芸備線(備中神代〜三次〜広島)の起点駅。起点駅だが運転系統上は事実上の末端区間で運行本数は極めて少ない。芸備線の備中神代駅〜備後落合駅〜備中庄原駅間は廃止問題に揺れる。
西川の阿哲峡
秘境駅として名高い布原(ぬのはら)駅を通過。
伯備線の駅でありながら、ホームが短いため芸備線に乗り入れるキハ120形気動車が一日数本しか停車しない。仮に芸備線が廃止になればこの駅も廃止(信号場に格下げ)が危惧される。
17時45分〜46分、新見(にいみ)駅停車
新見駅は中国山地の山あいにある拠点駅
向こうにはJR姫新線(姫路〜津山〜新見)の末端区間を走るキハ120形気動車が停車
中国山地を走る姫新線も、末端区間は運行本数が少ない。
岡山県新見市の井倉地区は、大半が石灰岩質のカルスト台地上に位置し、井倉洞などの鍾乳洞がある。古くから石灰業が盛んで、井倉駅周辺には石灰石工場が立ち並ぶ。
高梁川を渡る。近くには井倉洞がある。
18時13分〜14分、備中高梁(びっちゅうたかはし)駅停車
特急「やくも」は、伯備線から山陽本線へ。
18時35分〜36分、倉敷(くらしき)駅停車
向こうには、JR西日本岡山地区の新型電車227
系(Urara)。
岡山駅に向け、JR山陽本線をラストスパート
18時47分、終点の岡山(おかやま)駅に到着
到着ホームは3番線
運転台後ろ側。小さなワイパーも付く。
こちら側の先頭車は、元・中間車を先頭車化改造したため、乗務員用扉の後ろに乗降用ドアがある。
岡山駅に到着した381系電車は、いったん引込線へ回送
ヘッドマークは「回送」表示
213系電車。かつて本四備讃線(瀬戸大橋瀬線)の快速列車で使われていたが、現在は山陽本線、赤穂線、伯備線などでローカル輸送に携わる。
JR四国の2700系特急形気動車。19時05分発特急「南風23号」高知行き。