出航、東京湾を航行する ”おがさわら丸”【東京から南へ1000km、小笠原弾丸旅②】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(おがさわら丸 @東京港航行)






おがさわら丸に乗船
東京港竹芝桟橋
小笠原海運の大型貨客船「おがさわら丸」、小笠原諸島父島行きに乗船

離島航路の中では日本最大の旅客船。
カーフェリーではないため船底まで客室を配置。

総トン数11,035トン、全長150 m、全幅20.4 m


タラップを上がり船内へ。


乗船

乗船口、4デッキ(4階)エントランス

エントランスにある船内案内所




24時間の長い船旅への入口


小笠原航路の主要通過予定時刻
東海汽船最長航路の離島・八丈島さえ、小笠原航路では行程の3分の1に過ぎない。

エントランスには、東京から小笠原までの横長の巨大地図があり、レストラン、ラウンジ、売店などの営業時間が図示されている。



本航海中の日の入りは18時20分、日の出は4時55分。

乗客用のデッキは2デッキ(2階)から7デッキ(7階)まである。









●船内案内《小笠原海運HPより》





エントランスのある4デッキ(4階)


東海汽船の大型貨客船「さるびあ丸」「橘丸」より格段に広い「おがさわら丸」の船内


エントランス階段には、ザトウクジラの尾ビレの大きなモニュメント



往路に利用する船室は、6デッキ(6階)の1等室(スタンダード)

窓の外にはデッキがある。

窓の外のデッキは、夜間を除いて乗客の往来がある。


1等室(スタンダード)は、定員2名(全39部屋)、
床面積8.8㎡、シングルサイズベッド2台(幅90cm、長さ200cm)、テレビ、アメニティ類(タオル小・スリッパ・歯ブラシ・ヘアーブラシ)、電気ポット、お茶が備わる。 
室内にバス、トイレ、洗面台は無く、共用スペースのものを使用する。





特等室、特1等室、1等室の乗客は、夕食のケータリングサービスを受けられる。



1等室内(出入口側)




午前11時、東京港竹芝桟橋出港
4デッキ(4階エントランス)

間もなく出航時間

出帆5分前に乗組員が銅鑼(ドラ)を鳴らす。

6デッキ(6階)外部デッキへ。


出港合図の係員の笛が鳴ると、タラップを取り外す。




717名の乗客をのせ、

午前11時00分、東京都竹芝桟橋を出港


東京から小笠原諸島 父島まで、約1,000km、24時間の長い船旅

ゆっくり岸壁を離れる。



東京港竹芝桟橋を午前中に出港する大型客船は「おがさわら丸」のみ。


竹芝客船ターミナル屋上のボードウォークには見送りの人々の姿

岸壁の作業員も手を振る。

小笠原諸島・父島まで片道約1,000km、24時間の長い船旅の始まり。


東京と小笠原(父島)を結ぶ交通手段は、この「おがさわら丸」一隻のみ。航空便はない。

通常、「おがさわら丸」の一航海は、東京を出港し2日目に父島に入港。父島で3泊停泊した後、5日目に父島を出港し、6日目に東京に入港するスケジュール。このため1週間に約1便の運行。
したがって、通常、小笠原旅行は最低でも5泊6日必要になり、海外旅行よりハードルが高いといわれている。

しかし、年末年始、ゴールデンウィーク、夏季の繁忙期の「おがさわら丸」は、父島に到着したその日にすぐに東京へ向け出発するスケジュール(通称︰着発)が組まれる便があり、父島滞在時間僅か4時間半の弾丸旅行なら、最低2泊3日で旅することが可能になる。

小笠原諸島専門の旅行会社「ナショナルランド」でも、この2泊3日の弾丸・着発ツアーの旅行企画商品を販売している。
《ナショナルランドHP↓》


「おがさわら丸」は出航の汽笛を鳴らす。


往復48時間の船旅、父島滞在僅か4時間半の弾丸・小笠原諸島父島旅行へ。


岸壁では小笠原海運などの関係者が、「いってらっしゃい」と書かれた小笠原海運創立50周年記念に製作したマフラータオルを手に見送り。



大型の「おがさわら丸」は、港が狭い竹芝桟橋で向きを変えるのが難しいため、しばらく後進しながら桟橋を離れる。


船の両舷の外部デッキ通路。親会社の東海汽船の歴代貨客船と比較するとかなり広い。


竹芝桟橋の隣にある日の出桟橋が見えてくる。後ろには新交通システム「ゆりかもめ」東京臨海新交通臨海線の高架軌条も見える。

ビルの合間から東京タワーが見え隠れ。

日の出桟橋には、東京湾周遊レストラン船や、臨海部方面や隅田川浅草方面とを結ぶ水上バスが発着。

シーライン東京のレストラン船「シンフォニー クラシカ」

シーライン東京のレストラン船「シンフォニー モデルナ」

後進しながら竹芝桟橋を離れた「おがさわら丸」は、港内が広くなる日の出桟橋辺りで180度回転し向きを変え、前進を始める。


1等船室前に位置する右舷、左舷の外部デッキは、閑散期や夜間は閉鎖される。


6デッキ(6階)外部デッキの後部


船尾には貨物を積み降ろしするクレーンを装備



最上階8デッキ(8階)へ。


最上階の外部デッキには小笠原へ向かう大勢の乗船客が、去りゆく都会の風景を眺めている。

芝浦桟橋辺りで、東京港連絡橋「レインボーブリッジ」が近づいてくる。



レインボーブリッジを通過


レインボーブリッジは、高速道路、一般道路、歩道、新交通システムゆりかもめの併用橋




「おがさわら丸」は、東京から父島までノンストップ
年に数回、南房総・館山、伊豆大島、八丈島などに臨時寄港することがある。


8デッキ(8階)前方に操舵室



8デッキ(8階)左舷には、救助艇




 


穏やかな東京湾を航行


高くそびえ立つ煙突


東京港を後に、亜熱帯の世界自然遺産の地・小笠原諸島父島に向かう。


航跡

船尾にたくさんのコンテナが積まれている。

東京から南に約1,000km、太平洋上の絶海の孤島・小笠原諸島へ人や物資を運ぶ生活航路




大井コンテナ埠頭を通過(後方展望)


7デッキ(7階)後部

大井コンテナ埠頭は、世界とを結ぶ大型コンテナ船が発着する日本の貿易の一大拠点

東京都心が後ろに遠ざかる。



船尾にマストが立つ。コンテナを吊り上げるクレーンの支柱を兼ねる。




長い航海の序章。
7デッキ(7階)外部デッキには、それぞれのスタイルで寛ぐ乗客たち。小型テントを張っているグループも。

どんより曇った東京湾


東京国際空港(羽田空港)沖を通過



右舷側に広大な羽田空港


旅客機2機が同時に離陸



着陸態勢の旅客機



東京湾横断道路「アクアライン」の海底トンネルの換気塔「風の塔」。
かつて東京湾横断道路が出来る前は、川崎浮島港(神奈川県)と木更津港(千葉県)を結ぶ日本カーフェリー(その後、シーコムフェリー ⇒ マリンエキスプレスに社名変更)の航路があった。


7デッキ(7階)



6デッキ(6階)、7デッキ(7階)の両舷には細長い外部デッキを備える。

特1等室エリアの外部デッキは出港1時間後に閉鎖される。

7デッキ(7階)右舷外部デッキの最前部



波をかき分けて進む。


東京湾をゆっくり航行



速度制限がある東京湾を抜けるまで約2時間かかる。


羽田空港に発着する旅客機

東京湾横断道路アクアラインの海底トンネル換気塔「風の塔」。この真下に海底トンネルがある。

右舷には京浜工業地帯を望む。

横浜みなとみらい地区のランドマークタワーなどを遠望


6デッキ(6階)





6デッキ(6階)中央部にあり船内売店「ショップ  ドルフィン」




日常生活用品のほか、小笠原諸島の書籍や特産品も販売


小笠原のラム酒や島レモン酎ハイ


小笠原海運オリジナルグッズも販売





7デッキ(7階)天井のアート




東京湾を出ると携帯電話の電波が届かなくなる。
伊豆大島、三宅島、八丈島近くを通るときだけ微弱な電波が入るが、基本、小笠原父島到着まで携帯電話は一切使えない。Wi-Fiも繋がらない。(Wi-Fiは将来的に繋がるよう技術的に検討中とのこと)



貨物船が行き交う。

東京湾の入口に位置する狭い浦賀水道に差し掛かる。

狭い浦賀水道は東京湾を出入口する船舶の往来が多く、減速航行が義務付けられており、全長50m以上の大型船は12ノット(時速約22km)以下に減速する。

浦賀水道は、多数の船舶が往来するほか、海釣り用の遊漁船も多いため、慎重な操船が求められる。


右舷側に、三浦半島の観音崎(神奈川県横須賀市)を望む。

観音埼灯台と、第三管区海上保安本部東京湾海上交通センター


貨物船の向こうに、久里浜(神奈川県)の火力発電所が見える。



貨物船と並走


三浦半島先端には、三崎の街と城ヶ島を遠望




※2024年(令和6年)4月27日(土)



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(次回へ続く)