「北の国から」の舞台を駆け抜ける単行気動車【惜別・根室本線 部分廃止②】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)


(テレビドラマ「北の国から」の舞台になった布部駅)



さよなら根室本線 
〜富良野・新得間部分廃止〜
2016年(平成28年)8月31日の台風10号被災により、東鹿越〜新得間の鉄路が長期間不通(バス代行)のJR根室本線。
不通区間を含む富良野〜新得間は元々利用客が少なく、JR北海道の単独維持困難路線に含まれることもあり、2024年(令和6年)3月31日(日)の最終運行をもって富良野〜新得間(実際上は石勝線と合流する上落合信号場まで)部分廃止。




●在りし日の根室本線③ 前編
富良野→東鹿越→幾寅(2022年(令和4年)8月上旬)

JR根室本線 滝川発・東鹿越行き普通列車
滝川駅から乗車中のキハ40形気動車は、午前7時15分、富良野(ふらの)駅に到着

倉本聰脚本のテレビドラマ「北の国から」の舞台、富良野

向こうにはJR富良野線キハ150形気動車が停車


根室本線 東鹿越発・滝川行き普通列車(キハ40形気動車)と交換。この列車は富良野駅で7時17分〜7時39分まで22分間停車。


乗車中の根室本線 東鹿越行きは、富良野駅をすぐに発車


ここ富良野駅から先は列車本数が減り、下り4本、上り5本のみ(乗車当時)。この閑散区間の主な乗客は、南富良野町の高校通学のため幾寅駅(東鹿越駅〜幾寅駅バス代行)まで利用する学生。

根室本線は、2016年(平成28年)8月下旬の台風災害で東鹿越〜新得間が不通になり、以来バス代行を実施。


布部の集落


布部(ぬのべ)駅
一日の利用客は2人程度。かつてはここから麓郷(ろくごう)森林鉄道が延びていた。

『北の国  此処に始る』
布部駅は、脚本家・倉本聰のテレビドラマ「北の国から」第一話の舞台になった駅
脚本家・倉本聰は、この布部駅のストーブのある誰もいない待合室で、ドラマ「北の国から」の構想を練ったそう。そして、「北の国から」の第一話で主人公が降り立った駅がこの布部駅。


ドラマ「北の国から」の主要舞台だった「麓郷の森」に一番近い駅だが、それでも「麓郷の森」まではここから15km程ある。



倉本聰脚本テレビドラマ「北の国から」





《ふらの観光協会公式サイトより》
北の国からの舞台・麓郷の森














山部(やまべ)駅
一日の利用客は20人程度



1911年(明治44年)に建造されたレンガ造りのランプ小屋が残存

富良野盆地の南端を行く。
芦別岳(1726m)や夕張岳(1668m)などの山が連なる。

空知川が寄り添う。

北海道の河川は、堤防などの人口護岸がなく自然のままの原始河川が数多い。


下金山(しもかなやま)駅

一日の利用客は3人程度

かつてここから西達布森林鉄道が延びていた。




金山(かなやま)駅
かつてここから金山森林鉄道が延びていた。



古いレンガ小屋の遺構



空知トンネル(2255m)

トンネルを抜けると、かなやま湖の橋梁を渡る。

かなやま湖は、空知川上流部に造られた人造湖





午前8時01分、終点の東鹿越(ひがししかごえ)駅到着
始発の滝川駅からの距離は94.8km

かつては、日鉄鉱業東鹿越鉱業所や王子木材緑化鹿越鉱業所への専用線があった。


新得駅方面を望む。ここ東鹿越駅から先、JR石勝線と合流する上落合信号場までは台風災害で不通

東鹿越駅と新得駅間は代行バスが結ぶ。代行バスは、かつての根室本線旧線に沿って走り、日本三大車窓の一つだった狩勝峠を通る。狩勝峠は石狩地方と十勝地方の境にあるため、「狩勝」という名称。













列車代行バス、東鹿越駅発・新得駅行きに乗換え


駅前にはヒグマ出没情報の看板

列車代行バスは、午前8時06分、東鹿越駅を発車



草に覆われた根室本線不通区間の線路

二度と列車が走ることはない。

このまま自然に還っていく線路

  
午前8時14分、幾寅(いくとら)駅到着、ここで下車





★動画(動画撮影は2023年(令和5年)9月上旬)↓↓





(次回へ続く)