2023.3.18和田岬線103系ラストラン ☆ 在りし日の和田岬線の旅・さよなら古豪の国電 | 湘南軽便鉄道のブログ

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(引退するJR山陽本線 和田岬支線103系電車)



2023年(令和5年)3月18日(土)、JR山陽本線和田岬線103系ラストラン
JR西日本山陽本線和田岬支線(通称︰和田岬線)線で運行されてきた国鉄型103系電車R1編成は、2023年(令和5年)3月18日(土)のJR西日本ダイヤ改正当日のラストランを最後に引退する。

最終運行日の3月18日(土)は、午前9時40分から、兵庫駅和田岬線ホームで出発式を開催予定。当日の最終列車の運転時刻には、混雑防止の観点から非公表。

この103系R1編成は、2001年(平成13年)の和田岬線電化に伴い、当時のJR西日本森ノ宮電車区から網干総合車両所明石支所に転属してきた車両で、塗装を青色22号(スカイブルー)に変え、以後22年にわたり和田岬線専用として使用されてきた。

103系R1編成は、和田岬方から、クハ103-254(1号車)+モハ102-553(2号車)+モハ103-397(3号車)+モハ102-545(4号車)+モハ103-389(5号車)+クハ103-247(6号車)。ワンマン運転に対応しておらず、終日全列車に車掌が乗務。いずれの車両も1973年(昭和48年)製造で、2023年で製造から半世紀になる。

和田岬線用の103系は1編成しかないため、検査などで運用を離れた場合は、同支所配置の207系電車3両編成✕2本繋げた6両編成が代走(土曜・休日は3両編成単独で運行されることもある)。

3月1日(水)~18日(土)の期間は、勇退する103系R1編成の両先頭車にそれぞれ異なるヘッドマークを装着。

103系引退後の後継車両は、207系6両編成と思われる。

(注)最後の週末になる2023年(令和5年)3月11日(土)午後から3月13日(月)午前の間は、運用変更により103系電車は運行されない。




★在りし日の和田岬線103系の旅
※2018年(平成30年)10月上旬



JR山陽本線の兵庫駅
JR山陽本線和田岬支線(通称:和田岬線)に乗車
山陽本線のホーム階段下にある和田岬線乗り場へ。

JR山陽本線から和田岬線に乗り換えるには、改札内でありながら、さらに和田岬線専用改札を通り抜ける必要がある。

列車が走る時間帯しかホームに入場できない。


JR和田岬線は三菱重工業神戸造船所など工場通勤に特化したダイヤ。したがって朝晩だけの運行で、日中は運転なし。
また、工場休業日の休日は、1日僅か2本しか運転されない都会の秘境路線。
乗車日はちょうど休日のため、一日2往復のみ。
都会にある究極の運行ダイヤ。




高架ホームの山陽本線ホームの下にある、和田岬線専用地上ホーム。
夕方の和田岬行き電車が、すでにホームに入線済み。和田岬線ホームには、ホーム番号は付されていない。

国鉄時代に製造された古参通勤電車、103系低運転台電車が現役。

JRの前身、日本国有鉄道(国鉄)時代の国電(こくでん)が、都会の片隅でひっそり生き残る。

通常はスカイブルー(青色22号)の103系電車(6両編成)を使用する和田岬線だが、1編成(R1編成)しかないため、103系電車が検査等で運転できない日は、207系電車が代走。

「近アカ」。JR西日本網干総合車両所明石支所所属車両。




103系電車に乗車
冷房化されているが、天井には扇風機付き。

乗務員室。ワンマン化されていないため車掌も乗務。

乗務員室の前面窓

最後尾(兵庫駅方)6号車クハ103-247は、1973年(昭和48年)川崎重工業で製造

ロングシートの車内

妻窓付きの妻面

妻窓から外を望む。


連結部分

乗務員室後ろ

乗務員室内の低運転台の前面窓(兵庫駅寄り)。和田岬線の線路はこの先で行き止まり。

乗降用ドア。戸袋部分の窓は改造工事により埋められている。

二段窓とロールカーテン。元々は上下ともに開閉可能だったが、下段窓は開閉用レバーが外され、開けることはできなくなった。

網棚と吊り革



発車を待つ103系電車。この日は休日のため通勤客は皆無で、殆どは103系乗車目当ての乗客。

行先表示幕


5号車モハ103-389も、1973年(昭和48年)川崎重工業で製造

天井には、パンタグラフとグローブ型ベンチレーター

ラッシュ時以外は閑散としている和田岬線ホーム。ホームの有効延長は長い。

4号車モハ102-545も1973年(昭和48年)川崎重工業で製造

夕方の斜光を浴びる103系電車

103系R1編成は、和田岬寄りから、クハ103-254(低運転台)+モハ102-553+モハ103-397+モハ102-545+モハ103-389+クハ103-247(低運転台)


3号車モハ103-397も1973年(昭和48年)川崎重工業で製造


左側の高架線は山陽本線の兵庫駅ホーム

2号車モハ102-553も、1973年(昭和48年)川崎重工業で製造

6両編成でワンマン運転は実施しておらず、車掌が乗務する。

和田岬駅方1号車クハ103-254も、1973年(昭和48年)川崎重工業で製造

和田岬寄り先頭車

前面の3枚の窓すべてにワイパーを設置

今も残存する青色22号スカイブルー103系電車は、JR全線でこの一編成のみ。現存する103系の中で、最も原型をとどめる車両。

約半世紀前に製造された古参電車

かつて日本国有鉄道(国鉄)の電車で、大都市周辺で運転された近距離専用電車又は近距離専用電車線である「国電(こくでん)」の姿をとどめる。





兵庫駅→和田岬駅
17時15分、兵庫(ひょうご)駅を発車

右側の高架線は、山陽本線

兵庫駅を発車した電車は左にカーブ。
山陽本線上にある車庫(JR西日本網干総合車両所明石支所)に向かうための連絡線路が右へ上がっていく。


山陽本線和田岬支線は全長2.7kmの小さな路線

JR西日本 保線・総合区の脇を行く。




道路の高架下をくぐる。

和田岬線から分岐する川崎重工業兵庫工場(川崎重工業車両カンパニー)へ延びる線路が枝分かれ。

川崎重工業兵庫工場

車窓右側は、
川崎重工業の鉄道車両工場

塀の向こうの川崎重工業の工場内には、製造や修繕した鉄道車両たち。



兵庫運河に架かる全長15.5mの和田旋回橋(わだせんかいきょう)を渡る。

元々は、運河を船舶が通るときに橋が回転して船舶に道を譲る旋回式可動橋だが、現在、橋は回転せず固定化。


都会の中のローカル線

スカイブルーの103系電車が最後の活躍




17時18分、終点の和田岬(わだみさき)駅に到着

乗車時間僅か3、4分の小さな盲腸線



和田岬線の終着駅・和田岬駅

この日は休日のため、一日僅か2往復のみ運行(朝夕各1往復)

行き止まりの盲腸線

JR和田岬線和田岬駅の時刻表
JR和田岬線は三菱重工業神戸造船所など工場通勤に特化したダイヤ。したがって朝晩だけの運行で、日中の運転はなし。
また、工場休業日の休日は1日僅か2本しか運転されない。

現在の和田岬駅は、JR和田岬線のほか、2001年(平成13年)に神戸市営地下鉄海岸線の駅ができ、容易に訪れることが可能になった。


JR和田岬駅の車止め

約半世紀前の昭和時代に製造された国鉄型通勤電車が最後の活躍

元「国電(こくでん)」、103系通勤電車

現在の和田岬駅。ホームは単式一面一線。駅舎はなく、改札や券売機もない。

休日の和田岬線の乗客は、殆どが、鉄道ファンなど和田岬線乗車自体が目的。




和田岬駅→兵庫駅
和田岬(わだみさき)駅、17時26分発車

車内の車両形式番号プレート

兵庫運河に架かる全長15.5mの和田旋回橋(わだせんかいきょう)を渡る。

元々は、運河を船舶が通るときに橋が回転して船舶に道を譲る旋回式可動橋だった。


延長2.7kmのミニ路線。かつては貨物輸送も行われており、兵庫臨港線が分岐していた。

右へ大きくカーブすると、終点の兵庫駅

車両は、ワンマン化されていない6両編成で、車掌も乗務。







17時30分、終点の兵庫(ひょうご)駅到着


JR和田岬線は、JR線では一番最後まで旧型客車が定期列車として活躍していた路線。DE10形ディーゼル機関車2両が、座席を殆ど撤去し、外吊り式の乗降扉を増設した和田岬線仕様の旧型客車(オハ64形、オハフ64形)をプッシュプル運転していた。
1990年(平成2年)10月1日に気動車化され、キハ35形・キクハ35形を使用。
2001年(平成13年)に電化され、103系電車に置き換え現在まで活躍。ただし103系電車は一編成しか現存しないため、車両検査などの際は207系電車が代走。


左側の高架線は、JR山陽本線

菱形のパンタグラフ

ドアが閉まり、今日の営業はこれで終わり。

閑散とした長い地上ホーム。平日は通勤客で混雑する。


延命化工事により戸袋窓を廃止した103系電車

約半世紀の長きにわたり活躍してきた103系電車は急激に姿を消し、103系スカイブルーの103系電車が残るのはJR和田岬線のこの一編成だけ。

兵庫駅ホームの半分は屋根付き。


行き止まりの線路

夕方5時台に、早くも一日の営業を終えた休日の和田岬線












2023年(令和5年)3月18日(土)、JR山陽本線和田岬線103系電車終焉





(終わり)