さよならロイヤルウイング(元・関西汽船くれない丸)
長年にわたり横浜港で活躍を続けてきたレストラン船「ロイヤルウイング」は、2023年(令和5年)5月14日(日)のファイナルクルーズをもって運航休止に。
休止理由はコロナ禍における諸般の事情、休止期間は当面の間。通常便の運航は2023年5月7日(日)が最後となった。
また、今後、代替船の新造を計画しているとのことであるため、現行「ロイヤルウイング」は、2023年(令和5年)5月14日(日)終航となった。
「ロイヤルウイング」は、もともと、大阪・神戸〜四国・松山〜九州・別府等を結ぶ関西汽船の瀬戸内海航路客船「くれない丸」(三代目)として、1960年(昭和35年)2月27日に竣工された船で、当時は姉妹船「むらさき丸」とともに「瀬戸内海の女王」と呼ばれ、多くの観光旅行客や新婚旅行客を運んだ。
その後、国鉄山陽新幹線岡山~博多間開通や、関西汽船でも1980年(昭和55年)に阪神・別府航路がフェリー化されることとなり、「フェリーに志き丸」「フェリーこがね丸」に航路を譲り、引退。
瀬戸内海航路を引退後は1981年(昭和56年)まで予備船として使用され、その後佐世保重工業に売却。しばらく係船されたのち、1988年(昭和63年)スエヒログループが率いる日本シーラインによってレストランシップに改装、1989年(平成元年)から、横浜港最大級のレストラン船「ロイヤルウイング」として運行開始。
経営母体が6度変わる紆余曲折がありながらも、生き永らえ、今まで長きにわたり活躍してきた。
竣工から63年にもなり、現役で稼働する日本最古の客船として、最も長い歴史を有する名船であった。
かつては瀬戸内海の女王、現在は横浜港のシンボルである「ロイヤルウイング」(元 関西汽船 くれない丸)の長い歴史が、ついに終焉を迎える。
横浜港大桟橋(神奈川県横浜市)へ※2023年(令和5年)1月上旬
国の重要文化財・神奈川県庁の本庁舎(愛称︰キングの塔)
アール・デコ風の矢印模様が特徴の正面玄関
神奈川県庁本庁舎は一般公開を行っているが、コロナ禍のため玄関ホールだけ開放。
玄関ホール
アール・デコ装飾と和風が調和した空間
中央階段
中央階段に掲げられた絵画
中央階段の球状昭明には「宝相華(ほうそうげ)」のモチーフ
玄関の車寄せ
日本大通りや、大桟橋近辺には旧き良き建物が点在
海洋会館ビル(1929年(昭和4年)竣工)
すぐ隣は、横浜貿易協会ビル(1929年(昭和4年)竣工)
ハワイアンレストランの「サンアロハ」みなとみらい山下公園本店
北欧デンマーク料理の老舗レストラン「スカンディヤ」
スカンディヤの創業は1963年(昭和38年)
大桟橋の入口付近
横浜海岸教会
横浜港大さん橋国際客船ターミナルへ続く道
横浜港発祥の地・象の鼻
横浜税関(愛称︰クイーン)
高架の遊歩道は、かつての貨物鉄道線跡。
横浜港大さん橋国際客船ターミナル
屋上デッキ
大桟橋には、世界各国のクルーズ船のほか、東海汽船の貨客船「さるびあ丸」(夏期を除く週末のみ)、レストラン船「ロイヤルウイング」等が発着する。
向こうには山下公園、氷川丸、マリンタワーが見える。
横浜マリンタワー。1961年(昭和36年)竣工。
レストラン船「ロイヤルウイング」
※2023年(令和5年)1月上旬
大桟橋の先端部分に白い船が見えてくる。
ティークルーズ(14:45〜16:15)を終え、横浜大桟橋に戻ってきたレストラン船「ロイヤルウイング」
横浜港で35年以上も活躍してきたレストラン船
横浜港に来る前は、関西と四国松山・九州別府等を結んでいた定期客船で、「瀬戸内海の女王」と呼ばれていた。
元・関西汽船の純客船「くれない丸」(三代目)だった、ロイヤルウイング。
関西汽船時代を含めると、63年間も活躍してきた日本最古参の現役客船
横浜港で余生を過ごす。
余生と言っても、横浜港に来てから35年以上経ち、関西汽船「くれない丸」当時より、余生の方が長い。
今では横浜港になくてはならないシンボル的な存在
横浜港に数ある観光船の中で、唯一、国際旅客船ターミナルである横浜大桟橋に発着する定期観光船
そんな「ロイヤルウイング」(元・関西汽船くれない丸)も、ついに終焉のときを迎えようとしている。
コロナ禍による諸事情で運航休止。そして、現在のロイヤルウイングに代わる新造船建造の発表。
歴史ある名船に残された日々もあと僅か。
★動画↓↓
※2023年(令和5年)1月上旬
(次回へ続く)