(前回記事の続き)
(Maxとき・Maxたにがわ分割 @越後湯沢駅)
★過去記事↓↓↓
最後の2階建て新幹線「Max」引退
2021年(令和3年)10月、JR東日本・上越新幹線で最後の活躍をしてきたE4系オール二階建て新幹線電車「Max」(マックス、Multi Amenity Express)が引退。
定期運行ラストランは、同年10月1日(金)。
同年10月9日(土)・10日(日)には、団体専用列車として新潟⇔盛岡間、16日(土)・17(日)は団体専用列車として新潟⇔東京間で最後の運行。
これをもって、オール2階建て新幹線「Max」は、24年間の運行を終える。
また、E4系「Max」引退により、各地を走る新幹線から2階建て車両は全て姿を消し、2階建て新幹線の歴史が終わる。
東京駅12時40分発、16両編成の上越新幹線・特急「Maxとき321号」新潟行き(前8両)、「Maxたにがわ321号」(後ろ8両)越後湯沢行きの併結列車、
少し遅れて12時45分頃、東京(とうきょう)駅を発車
上野(うえの)駅に停車した後、しばらく市街地を走り抜ける。
雑草に埋もれかかった留置線
東京〜大宮間は騒音対策のため、東海道新幹線の東京〜新横浜間と同様に低速運転。そのため距離の割に意外と所要時間がかかる。
大宮(おおみや)駅停車
JR東日本大宮総合車両センター
埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)の軌道としばらく並走
大宮駅を過ぎると、新幹線は速度を上げ、高速走行に入る。並走するニューシャトルの駅をいくつも通り過ぎる。
埼玉県伊奈町に入り、JR東北新幹線(仙台、盛岡、新青森方面)と分岐
関東平野をひた走る。
2階席(階上席)からの車窓。揺れが少なく走行音も静か。
秩父の山々を遠望
JR高崎線を跨ぐ。
熊谷(くまがや)駅を通過
本庄早稲田(ほんじょうわせだ)駅も通過
上越新幹線の各駅停車タイプの「たにがわ号」が、速達タイプの「とき号」と併結し、熊谷駅、本庄早稲田駅を通過する珍しい列車
上州(群馬県)の山々が近づいてくる。
「Max」の最高速度は時速240km/hで、他の上越新幹線車両(E2系、E7系等)より遅い。
遠くに浅間山を望む。
非電化のJR八高線を跨ぐ。
真っ直ぐに伸びる八高線の線路
鳥川を渡る上信電鉄・上信線の鉄橋
上信電鉄は、群馬県の高崎と下仁田を結ぶローカル私鉄
手前に、上信電鉄の佐野のわたし駅
たくさんの車両が見えてくると、間もなく高崎駅
12系客車を転用したJR東日本の事業用車両「オヤ12-1」
奥には、上信電鉄の電車や古典貨車が留置
現在の上信電鉄の主流・700形電車(JR107系リバイバル色)の姿も。700形は、JR東日本高崎地区から引退した107系電車を譲渡されたもの。上信電鉄に移り、引き続き高崎地区で活躍。
手前には、JRのDE10形ディーゼル機関車と、高崎線通勤型電車。奥には上信電鉄の古い電車が留置。
手前には、JR東日本高崎車両センターで動態保存されている旧型客車の姿も。
車庫の奥には上信電鉄本社ビル
高崎(たかさき)駅に到着
普通車1階席(階下席)
1階席(階下席)は、目線の高さにホーム
3＋3列の普通車自由席の2階席(階上席)
高崎駅を発車
JR信越本線(安中、横川方面)が左に分岐
JR北陸新幹線(長野、富山、金沢方面)も左へ分岐
高崎駅を過ぎると、間もなく山間部の長いトンネルが連続する区間。長岡付近まで大部分がトンネルになる。
長い榛名トンネル(15350m)を抜けると、吾妻川に沿った谷を通り過ぎる。
JR吾妻線(長野原草津口、万座・鹿沢口、大前方面)を跨ぐ。
吾妻川を渡り終えると、またすぐに長い中山トンネル(14857m)に入る。
長いトンネルを抜けると、新幹線は高原を走る。
進行方向右側後方には、雄大な赤城山
新幹線は減速し、間もなく上毛高原駅
上毛高原(じょうもうこうげん)駅に停車
上毛高原駅からJR上越線・水上駅までは関越交通の路線バスで約25分
上毛高原駅を発車すると、すぐに、長い大清水トンネル(22221m)に入る。
大清水トンネルは、太平洋側の関東地方(群馬県)と、日本海側の越後地方(新潟県)を隔てる三国山脈の谷川岳直下を貫く長大トンネル
国境の長いトンネルがしばらく続く。
2階席(階上席)の普通車自由席(3＋3列シート)
折り畳み式テーブル
デッキの車内公衆電話は、サービス終了
1階席(階下席)の普通車自由席
デッキの業務用昇降機
デッキから1階席(階下席)方面
デッキから2階席(階上席)方面。2階席入口手前には小さなバルコニーのようなスペースがある。
元・売店スペース
2階(階上)のグリーン車
グリーン車の階下(1階)は普通車
国境の長いトンネルを抜け、
13時59分、越後湯沢(えちごゆざわ)駅に到着
ここで下車
編成の前側「Maxとき321号」は、この先、新潟駅まで向かうが、後ろ側「Maxたにがわ321号」は、ここ越後湯沢駅が終点。
したがって、越後湯沢駅で、前8両と後ろ8両を切り離す。
越後湯沢駅で2分間停車し、
14時01分、「Maxとき321号」新潟行き発車
「Maxとき321号」は、ゆっくり走り出す。
新潟駅に向け走り去って行く「Maxとき321号」
連結部のカバーが自動的に閉じる。
「Maxとき321号」と切り離し、越後湯沢駅で回送になる「Maxたにがわ321号」
たにがわ号は、冬期スキーシーズンは、この先、「ガーラ湯沢駅」まで運行するが、スキーシーズン以外は越後湯沢駅までの運行。
2021年(令和3年)10月に引退するE4系「Max」
当初、2階建て新幹線E4系「Max」は、2020年度(令和2年度)をもって、E7系車両に置き換えられ引退する予定だった。しかし、2019年(令和元年)10月の台風19号で長野県の千曲川が氾濫し、北陸新幹線長野新幹線車両センターに留置中のE7系・W7系車両が水没し廃車になり車両不足になったため、E4系「Max」は引退が先延ばしになり、2021年(令和3年)10月をもって引退することになった。
E4系「Max」の引退をもって、新幹線における2階建て車両は皆無になる。
※2021年(令和3年)夏
(続く)