奥房総の終着駅で国鉄型キハ40とキハ28.キハ52対面【小湊鐵道キハ40デビュー④】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。


(上総中野駅で対面した、小湊鐵道キハ40といすみ鉄道キハ28)




★過去記事↓↓↓↓↓

特急さざなみで五井へ。小湊鐵道五井機関区と「こみなと待合室」【小湊鐵道キハ40デビュー①】 


元JR只見線キハ40、小湊鐵道で運行開始 ☆ キハ40車内探訪【小湊鐵道キハ40デビュー②】 


小湊鐵道 急行「さと山」号の旅【小湊鐵道キハ40デビュー③】 




   

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小湊鐵道キハ40デビュー

●JR東日本 只見線等で活躍し、2020年(令和2年)3月14(土)に引退したキハ40系気動車2両(キハ40-2021、キハ40-2026)が、2020年(令和2年)5月に千葉県の房総半島を走るローカル私鉄・小湊鐵道(五井〜上総中野)へ譲渡。

●営業運転に向けた諸準備を経て、この度、2021年(令和3年)4月23日(金)・24日(土)プレデビュー。定期運行に先駆け団体ツアー列車として運転。

●運行を開始するキハ40系2両のうち、
キハ40-1(元JR東日本キハ40-2021)は、小湊鐵道色に塗装変更。
キハ40-2(元JR東日本キハ40-2026)は、JR東日本東北地域本社色(小牛田色)のまま塗装変更はせず、車体側面に小湊鐵道のロゴ(K.T.K.)を取り付け。


●まずは、定期運行に先駆け事前応募制の乗車体験ツアーとして、キハ40-2(東北地域本社色、元JRキハ40-2026)を使用し、団体専用列車でデビューラン。
近日、定期列車として運行開始。

★団体専用列車・急行「さと山」号運転
【夜行コース(臨時設定ダイヤ)】
2021年(令和3年)4月23日(金)・24日(土) 、追加運転 4月29日(木)〜5月5日(水)
五井駅19時10分頃発→養老渓谷駅→五井駅22時10分頃着

【昼コース(定期列車に併結ダイヤ)】
2021年(令和3年)4月24日(土) 
五井駅12時24分頃発→上総中野駅13時51分着・14時00分発→五井駅15時15分頃着
※上記2枚の写真は、小湊鐵道HP,ツイッターより

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キハ200定期列車に併結された、キハ40団体専用列車は、上総中野駅を目指す。


月崎(つきざき)駅

駅本屋やプラットホーム等は国登録有形文化財

月崎駅は、観光列車「里山トロッコ」停車駅で、トロッコ運行時のみ駅員配置。

駅前のヤマザキショップ朝日屋では、簡易委託により硬券切符や小湊鐵道グッズを扱う。

近くを流れる養老川沿いの地層は約77万年前のもので、「千葉セクション」と呼ばれ、ここから約2.5km離れたところには、世界で3箇所にしかない地球磁場逆転地層の一つ、「チバニアン」がある。




上総大久保(かずさおおくぼ)駅


3両編成の列車のうち、ドア扱いのない団体運用キハ40は、短いホームからはみ出し停車

房総半島内陸部を流れる養老川沿いを走る。


養老川を渡る。



団体運用キハ40の後ろに、キハ200定期列車を2両併結

切り通しを抜ける。


里山を走る。



養老渓谷(ようろうけいこく)駅

駅本屋は国登録有形文化財


養老渓谷駅は、ここで折返しの列車が多い。

小湊鉄道では沿線随一の観光地であり、観光列車「里山トロッコ」の終着駅。

土休日の日中は賑わう駅も、夜や平日は山間の静かな駅に戻る。


養老渓谷駅を発車。ここから次駅・終点の上総中野駅までの区間は、列車本数がさらに減り、一日8本のみ。

五井駅からずっと千葉県市原市内を走ってきた列車は、養老渓谷〜上総中野間で分水嶺を超え、千葉県大多喜町へ入る。



千葉県市原市から、夷隅郡大多喜町






終点の上総中野駅が近づく。始発の五井駅からの距離は39.1km。

向こうには、接続するいすみ鉄道の列車が停車中。小湊鉄道といすみ鉄道は側線でかろうじて線路が繋がっている。小湊鉄道といすみ鉄道を合わせて「房総横断鉄道」と称している。

小湊鐵道の終着駅であり、いすみ鉄道の終着駅でもある上総中野駅。

「小湊鐵道」は元々この先、小湊駅(現JR外房線・安房小湊駅付近)まで結ぶ構想の鉄道だったが、計画は頓挫し、ここ上総中野駅が終着駅になった。
「いすみ鉄道」は、元々、国鉄木原線であったが、木原線は内房側の木更津から上総亀山・上総中野を経て外房側の大原まで結ぶ計画であり、まず外房側は木原線として大原〜上総中野まで建設。一方、内房側は久留里線として木更津〜上総亀山まで建設された。しかし、上総中野〜上総亀山の区間だけ未着工のままその後計画が頓挫した。
そして、その後、外房側は第三セクターのいすみ鉄道(大原〜上総中野)に変わり、内房側はJR久留里線(木更津〜上総亀山)として今に至る。

《参考︰房総半島内陸部の鉄道構想(※点線は建設が実現せず)》



ここ上総中野駅に13時50分に到着したばかりの、いすみ鉄道普通列車(大原→大多喜間は観光列車「急行1号」として運転)

原則土休日だけ運転される、いすみ鉄道の国鉄型キハ52+キハ28。上総中野駅に顔を出すのは13時50分〜14時00分の10分間のみ。

「キハ52-125」は、いすみ鉄道に譲渡される直前まで、JR西日本大糸線の非電化区間(南小谷〜糸魚川)で活躍していた、JR最後のキハ20系列気動車。今は、ここいすみ鉄道で、日本最後の現役車として国鉄一般色で最後の活躍。



「キハ28-2346」は、いすみ鉄道に譲渡される直前までは、JR西日本高山本線(越中八尾〜富山)で活躍し、JRで一番最後まで活躍していたキハ58系国鉄急行型気動車だった(改造車を除く)。
今は、ここいすみ鉄道で、日本最後の現役車として国鉄急行色で最後の活躍。






キハ40、上総中野駅到着
小湊鐵道キハ40+キハ20(団体列車+定期列車の併結列車)は、終点の上総中野(かずさなかの)駅に、定刻の13時51分より6分程遅れて、13時57分頃到着。

折返し14時00分発の五井行きになるため、終着駅での停車時間は僅か3分程。隣のいすみ鉄道ホームには、14時00分発のいすみ鉄道大多喜行き普通列車も発車待ち。

房総半島の山奥で、かつて日本中の国鉄非電化路線で活躍した気動車キハ40とキハ28+キハ52が揃う。
今では、日本中でこの上総中野駅だけでしか見られない光景。
小湊鐵道といすみ鉄道の国鉄型気動車同士が顔を合わせるチャンスは、土休日の13時51分〜14時00分の間の僅か9分間しかなく、さらに、小湊鐵道・いすみ鉄道ともに国鉄型気動車の運用時しか対面は実現しないため、両者が揃うチャンスはかなり少ない。

キハ28には、「急行 夷隅(いすみ)」の大型ヘッドマーク


奥房総の地で一休みするJR東日本東北地域本社色キハ40。キハ40は定員20名の団体列車のため、各ボックス席1〜2名の乗車率。ロングシートはフリースペース。

上総中野駅を発着する小湊鐵道の定期列車は一日僅か8本のみ。最終列車は19時台と早い。


上総中野駅で、小湊鐵道キハ200、いすみ鉄道キハ52+キハ28それぞれのDMH17系エンジン音が響き渡る。


向こうのホームは、発車を待つ、いすみ鉄道線上総中野発大多喜行き国鉄型気動車



キハ28の車体には「千カウ」表記。国鉄千葉鉄道管理局勝浦運輸区所属を再現したもの。サボ受けには「夷隅」(いすみ)のサボ。



国鉄時代からあまり変わらない山間の駅



14時00分発、いすみ鉄道、大多喜行き普通列車が発車

いすみ鉄道キハ28+キハ52は、今では稀少なDMH17系エンジン音を響かせながら走り去っていく。
小湊鐵道キハ200形気動車も同じDMH17系エンジン音。









全国でここでしか走っていないキハ28+52





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キハ40、上総中野駅発車
小湊鐵道のキハ40(団体専用)+キハ200(上総中野発五井行き定期列車)は、上総中野(かずさなかの)駅を定刻の14時00分に発車





大多喜町から市原市へ。

復路は、キハ200定期列車が前側、キハ40団体専用列車が最後尾。



養老渓谷駅手前の小屋に延びるレール


養老渓谷(ようろうけいこく)駅

キハ40は定期列車に併結されているため各駅に停車するが、ドア扱いは主要駅のみ。

養老渓谷駅は数少ない有人駅。土休日の昼間は観光客で賑わう。

小湊鉄道線には、開業時からの駅舎が今も数多く現役。



駅の脇には足湯がある。




養老川を渡る。





上総大久保(かずさおおくぼ)駅








月崎(つきざき)駅




飯給(いたぶ)駅


駅前には、「世界一大きなトイレ」と称するトイレ“Toilet in Nature”がある。




里見(さとみ)駅

上総中野行き下り普通列車と交換




後部の車両は、非ユニットサッシ、プレスドア車



里見駅構内には木造の古典貨車が保存されている。


最近まで五井駅構内に長期間留置されていた1924年(大正13年)製の木造二軸貨車3両は、2020年(令和2年)5月9日に本線を走行し、ここ里見駅まで移動され保存された。
今後、里見駅で活動する「喜動房倶楽部」が保存貨車の活用を考えているそう。

緩急車ワフ1 +無蓋貨車 トム10 + 無蓋貨車トム11

五井駅に長年留置されていた古典貨車が里見駅に移動されたのは、2021年(令和3年)6月、新たに関東鉄道常総線からバラスト貨車「国鉄ホキ800型ホッキ車」を導入するためだそう。

木造の古典貨車たち。無蓋貨車 トム10 + 無蓋貨車トム11

緩急車ワフ1 


上総牛久-里見間が票券閉塞、里見-上総中野間がスタフ閉塞のため、列車交換を行う当駅では、駅員による列車交換作業がある。






高滝(たかたき)駅




養老川を渡る。

すぐ向こうは、ダム湖の高滝湖



水を張った田んぼ

架線のない非電化路線のため空が広い。



上総久保(かずさくぼ)駅

秋の紅葉時は撮影スポットとして有名な、大銀杏(イチョウ)のある駅





上総鶴舞(かずさつるまい)駅 


テレビドラマやCM撮影等でよく使われる駅





上総川間(かずさかわま)駅










(続く)