勇退「サンナナ」、箱根の吊り掛け電車 新天地へ【さよなら 箱根登山鉄道最後の吊り掛け電車③】 | 湘南軽便鉄道のブログ

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本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回の続き)

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箱根山に響く最後の吊り掛け駆動☆箱根湯本から強羅へ【さよなら箱根登山鉄道 最後の吊り掛け電車②】

(モハ1形103-107編成)


※撮影日:前半 2019年(令和元年)5月18日(土)、後半 2019年(令和元年)7月13日(土)
※スマートフォン撮影



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箱根登山鉄道に在籍する旧型電車はモハ1形(103号車、104号車、106号車、107号車)、 モハ2形(108号車、109号車) の6両。
このうち吊り掛け駆動方式のまま残存してきた唯一の編成モハ1形「103-107号車」(愛称 サンナナ)が、2019年(令和元年)7月19日(金)のラストランをもって引退。
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箱根登山鉄道で唯一残存していた吊り掛け駆動電車モハ1形「103ー107号車」の最後の乗車記録 (前回の続き)



箱根登山鉄道 強羅駅
ホームの目の前は、ケーブルカー(箱根登山鉄道鋼索線)乗り場

往路と同じく、復路も唯一残存する旧型吊り掛け駆動電車(モハ1形103-107号)に乗り、強羅から箱根湯本に戻る。




モハ1形103号(吊り掛け駆動車)の車内

乗務員室後ろ。吊り掛け車の車内はロングシート

レトロな車内は木張りでペンキ塗装

荷物棚の縁のデザインにも昭和時代を感じる。



モハ1形107号(吊り掛け駆動車)車内

2両固定編成のモハ1形103-107号車

旧型車は非冷房のため、夏は窓を開け涼をとる。

窓開閉用つまみも健在

日除けブラインド

網棚

妻面の開閉窓のつまみ。非冷房車は車内に涼しい風を取り入れる必要があるため、あちこち窓が開く造り。



増結車のモハ2形108号(カルダン駆動車)は今後もしばらく活躍。セミクロスシートで車内はリニューアル済み。

モハ2形108号は化粧板もリニューアル

網棚を見上げる。


片開きドア

ドア下のステップ





強羅(ごうら)駅を午前10時22分に発車し、山を下り、ふもとの箱根湯本(はこねゆもと)駅を目指す。

モハ2形108号のボックスシート窓側には小さなテーブルを設置

ボックスシートの窓は一人分の小窓のため、対面する乗客に気兼ねなく窓を開けることができる。

緑の中を行く旧型電車




小涌谷(こわきだに)駅


箱根の外輪山を望む。



宮ノ下(みやのした)駅

半径30mのきつい急カーブ

急カーブ通過時は、乗っている列車の後ろの車両が見渡せるほど。



仙人台(せんにんだい)信号場



上大平台(かみおおひらだい)信号場のスイッチバックで、下り列車とすれ違い




スイッチバック駅の大平台(おおひらだい)駅






スイッチバックの出山(でやま)信号場





急勾配を下る。

早川橋梁(出山の鉄橋)を渡る。

下に見えるのは温泉旅館専用の吊り橋



鉄橋を渡るとすぐにトンネル



塔ノ沢(とうのさわ)駅



箱根湯本の街並み



終点の箱根湯本(はこねゆもと)駅には、午前 11時06分到着



吊り掛け駆動車のモハ1形103号。
箱根登山鉄道では、現在、旧型電車の方向板を筆職人が手書きしたペイント方向板に変更し、車体前後に取り付け。


折り返し強羅行きとして、箱根湯本駅で発車を待つ。



2両固定編成のモハ1形103号(右)と107号(左)

急カーブを走行するため連結部分の渡り板は長め。非常用通路のため幌はなく、通常は使用できない。



モハ1形(107号、右)と、モハ2形(108号、左)

小田急の元ロマンスカー3000形(SE車)を模した金太郎塗装のモハ2形108号(カルダン駆動車)。そのロマンスカーSE車はかなり昔に既に引退。




箱根湯本 午前11時11分発 強羅行きへ。



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2019年(令和元年)7月13日(土)

箱根登山鉄道最後の吊り掛け駆動電車モハ1形103-107編成の引退数日前に再び箱根湯本駅へ。


ホームには、ツリカケ103-107ラストランの装飾






午前10時半過ぎ、
入生田検車区(車両基地)から回送でやって来た旧型電車(モハ2形108号+モハ1形107号+モハ1形103号)は、箱根湯本駅4番ホーム(臨時ホーム)で待機中。

モハ2形108号(平行カルダン式駆動)を先頭に、今回引退するモハ1形107号+103号(吊り掛け式駆動)の3両編成。


先頭のモハ2形108号は、かつて小田急電鉄で活躍していた特急ロマンスカー3000形(SE車)を模した「金太郎塗装」

2、3両目が、今回引退する最後の吊り掛け駆動車モハ1形103-107編成

1919年(大正8年)、チキ1形として登場したモハ1形。昭和25年頃、木造から鋼製車体に改造し、1952年(昭和27年)に形式をモハ1形に変更。1957年(昭和32年)に小田急電鉄ロマンスカー3000形(SE車)登場により、モハ1形もロマンスカーをイメージした塗装に変更。その後2両固定編成化工事等を経て現在まで1世紀(100年)にわたり活躍。 
今回引退の「103-107号車」の2両は、箱根登山鉄道最後の吊り掛け駆動方式。

車体には、ラストランのステッカー



新型3000形アレグロ号(手前)と、旧型モハ1形(奥)

引退日のイベント告知の貼り紙






回送列車は、4番線ホーム(臨時ホーム)から、一旦強羅方へ引き上げ、3番ホームへ入換えして客扱いを行い、午前10時50分発の箱根湯本発 強羅行きとなる。


非冷房の旧型車は、窓もあちこち開いている。

2、3両目が引退する吊り掛け駆動車。走行音が他と異なる。




ラストランのサボ



車体の改造年である昭和25年汽車會社の銘板


非冷房車は前面窓も開く。

引退記念の方向板

強羅からやってきた箱根湯本午前10時44分着のカルダン駆動車 モハ1形(104・106号)+モハ2形(109号)の3連は、運用を終え、入生田の車庫へ。


吊り掛け駆動車編成は、
午前10時50分発 強羅行きへ。



●2019年(令和元年)7月18日(木):通常運行最終日

●同年7月19日(金):ラストラン
モハ1形(103-107編成)の引退記念ツアー「ありがとう、さようなら。これが最後の乗りおさめ!ラストランツアー」として最後の運行

●同年7月20日(土):引退記念イベント(ラストラン翌日)
箱根登山鉄道入生田車庫特設会場
①103-107編成車両展示
② 車両撮影会 
③物品等販売
など。



●引退後
今回引退した吊り掛け車両モハ1形103+107号は、それぞれ譲渡先が決定。

103号は、日本工業大学宮代キャンパス(埼玉県宮代町)に譲渡予定。今後は校内に併設された工業技術博物館前に展示され教材として活用される予定。
107号は、鈴廣蒲鉾本店が運営する「鈴廣かまぼこの里」(神奈川県小田原市、箱根登山鉄道 風祭駅すぐそば)に譲渡予定。鈴廣かまぼこの里の新施設「えれんなCAFE 107」として2019年(令和元年)9月上旬にオープン。


箱根登山鉄道最後の吊り掛け モハ1形(103+107号車、サンナナ)電車
2019年(令和元年)7月19日(金)ラストラン、翌20日(土)引退

(終わり)