私は、若いころ、「君は、何才でお金から卒業する予定なのかな?」とメンターから聞かれたことがあります。お金から卒業するというのは、お金を基準にして生きるのをやめることを意味しています。
私たちの多くが、お金を理由にして、イヤなことをやったり、楽しいことをやらなかったりしています。自分を曲げているとも言えるでしょう。
あなたには、最近、お金を理由にして、何かをやめたことがありますか?お金がかかるので、旅行はやめよう、趣味の習い事はやめよう。こうした日常のことから、結婚、独立をあきらめたという人生の一大事まであると思います。
逆に、「お金を稼ぐ」という点でも、残業代がもらえるから、イヤだけど我慢して働く、嫌いな人と一緒に仕事をする、といったことは誰でも経験しているのではないでしょうか?
また、本当は自分が嫌いな仕事なのに、安定した収入が見込めるからという理由で、働いている人もいます。
お金から卒業するのに、莫大な資産や収入が必要なわけではありません。人生を生きる基準を、「お金中心」から「自分中心」に戻すだけでいいのです。
一生食べていくお金を持つ、あるいは「これから何をやっても食いっぱぐれがないだろうな」と感じるときが、お金から卒業するときです。
お金について不安を感じているうちは、まだ卒業とは言えません。
本田健