数年前に、世界一周をしたときは、ドキドキしすぎて寝れませんでした。でも、世界を飛び回ることが日常的になると、普通になるものですね。もちろんワクワクするけど、ちょっと種類が違う。テンションマックスにはならないのが不思議。それどころか、またヘルシンキかぁ、と面倒くさくなっている自分がいます。５０代になったら、ヨーロッパに行くぞ！！って思ってたのに、いざたくさんいくようになると、もうヨーロッパはしばらく行かなくてもいいかなっていう気になります。今年は、５月、７月、１０月、１２月と４回もヨーロッパに行くことになりそう。さすがに、ヘルシンキ経由ばかりで飽きたので、今度はフランクフルト経由で行きます。
世界を飛び回ることには少し退屈したものの、今までとは違う喜びを感じ始めました。いろんなところで講演をしはじめましたが、文化人類学者のように、それぞれのノリの違いを楽しんでいます。日本人にとっては、アメリカ人とか中国人、タイ人、ベトナム人、ヨーロッパ人などが、身近に感じられると思います。
でも、世界には、全然違うノリの人たちがたくさんいます。アフリカ人、インド人、アラブの人、東ヨーロッパの人、南アメリカの人たちは、ふだん会うこともないので、どんなことを考えて、どんなことを話すのか、どういう行動に出るのか、イメージが湧かない人も多いと思います。そういう人たちが、講演会とかに来てくれて、いろいろ質問してくれるので、とても面白いですね。彼らの質問の角度が、ふだんと違うので、めちゃくちゃ面白いなと思います。
さて、そんなことを今回のヨーロッパの人たちとの出会いで感じました。たとえば、リスボンでは、ヨーロッパの１０ヶ国を超える国から、作家たちが集まってきていました。彼らの話す内容は、僕が教えてきたことと似ているけど、少しずつ違って新鮮。フランスの人と、ポーランドの人とは、感性が違うので、面白いなぁと感じました。ドイツ人、イタリア人、イギリス人もそれぞれノリが違う。もちろん、すべてが国別で決まるわけでもないのは、関西人でも冗談いわない人がいるのと同じです（同じかなぁ笑）。お金と人生というテーマで話しているので、文化は違うけど同じ人間。悩みもよく似ています。朝から、あれこれ話しているうちに、あっという間に夜になります。楽しい時間が過ぎていきました。
イギリスのロンドンでは、８００人規模ぐらいの講演をしました。そういう緊張感もまたたまりません。そんなことができる日本人はなかなかいないと思うので、本当にラッキーですね。
本田健