今春、ご縁頂き我が家に来てくれた日本刀ふた振り。
そのままの状態で保存していこうと当初考えましたが、思いのほか
柄糸や鞘に痛みがあり、まずは「勝光」という銘の刀から柄糸交換修理を
行いました。前方下段の小豆色の柄糸の刀になります。
しかしながら、どうも柄木自体がかなり痛んでいるようで、工夫しないと
刀身と目釘穴が合わない感じがあり、後日全て作り直そうと考えています。
なお、新聞紙や箸の試し斬りを実施しているのはこの「勝光」になります。
前面上段の茶色の柄糸の刀は、以前ご紹介をしたこともある「助包」。
時代が下る備前での鍛刀かなと想像しますが、詳しいことは不明。
直刃で地肌の透明感がとても美しいと感じています。こちらもそのまま保存する
つもりが柄糸がどんどん崩壊して来ており、予断を許さない状況です。
職人さんのあてがついたので、近々鞘と合わせて拵え製作をお願いするかもしれません。
後方上段は日本刀ではなく居合刀(模擬刀)。試し斬り稽古に備えて自宅での素振り稽古を行うにあたり、
上記真剣ふた振りが約二尺一寸とやや短いので、定寸に近い二尺四寸で注文しています。
濃州堂という居合刀メーカーの製品で、刀身は亜鉛合金。刃は付いていないので、斬ることは出来ません。
樋という彫りが入っており、刃筋を立てて振ると空気を切る音がします。日本刀においては
樋が入ったものは好みでないのですが、稽古用の居合刀は刃筋の狂いを精密に教えてくれるので、
特に上段片手素振り、抜き打ちの稽古に役立っています。
私は剣道稽古の一環として日本刀を扱っており居合道や抜刀道までは手は伸ばせないのですが、
竹刀の原型である日本刀、居合刀を用いることは、私の剣道稽古に大いに活かせる点があると感じています。
最近は一キロ木刀素振りは稽古前に少しするくらいで、自宅ではもっぱら居合刀(重さはやや軽く約900グラム)で
上段用片手素振りを行なっています(本当は1100グラムくらいの、厚い重ねの日本刀と同じくらいの重さの
居合刀が良いのですが)。
Z50 NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR