ニコンDfで炭鉱遺産撮影・奔別炭鉱立坑櫓 | KEN五島の写真家ブログ KenGoshima Photography                  建築写真・航空機・野鳥・夜景空撮・炭鉱遺産etc.

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札幌圏を中心に、建築写真・航空機・野鳥・夜景空撮・炭鉱遺産などの撮影に取り組んでいる写真家です。 My main candidates for photography are an industrial heritage,scenery,construction, etc.

先日ニコンDfをレンタルさせて頂いた際、炭鉱遺産撮影に使用してみました。

2010年に写真集「北海道炭鉱遺産」を出版させて頂いて以来、もうすぐ4年。
この間、自分自身の写真表現のあり方が変化するまでは、炭鉱遺産撮影の活動から
ちょっと身を引こうと考えていました。
最近、写真のあり方や見方が、炭鉱遺産への視点が改めて変化してきたことを実感して
きましたので、新しく撮影を開始していこうと思います。


ニコンの新型機Dfをちょうどお借り出来たタイミングで、久しぶりに奔別炭鉱夜間撮影へ行って
みました。奔別は「ぽんべつ」と読みます。


※現在、奔別炭鉱撮影は「そらち炭鉱の記憶マネジメントセンター」の申請が必要です。
詳しくは下記までお問い合わせください。私も当団体の運営会員となっています。
http://www.mc.soratan.com/



それまで斜坑を用いた採炭を行っていたのですが、深度750mの立坑を掘り、直上に
当時東洋一と謳われた高さ51mの立坑櫓を設置したのが「奔別炭鉱立坑櫓」です。完成は1960年。
空知地域や北海道だけでなく、日本全体の繁栄を背負った存在だったと言っても
過言ではありません。

写真は、夜間の「月見坂」より撮影。かつて、この月見坂を大勢の人が行き交い、奔別の街は
賑わっていたといいます。
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Df PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED


この立坑櫓は、写真左側にドイツ製巻き上げ機、右側に日本製巻き上げ機が設置され、
中央の鉄塔に設置されたプーリー(車輪)にロープをかけて、四機のエレベーターを
地上・地中を往復させていました。それまで採炭と人を運ぶのとは別々でしたが、
この立坑櫓によってそれが一体化されたのでした。

「奔別炭鉱は100年持つ」といわれましたが、完成から11年後の1971年に閉山。
以降、周辺の施設が徐々に撤去される中、現在でも当時のロープを一部残した状態で、
その勇姿を留めています。



左側に奔別炭鉱立坑櫓、背景の街の明かりは幾春別の街。右側には、道内最大級の
ホッパー(貯炭場)が見えています。立坑櫓で石炭を揚炭し、選炭等の作業を経て、
このホッパーから鉄道で石炭を積み出して行く。炭鉱と鉄道は切っても切れない関係でした。
手前は更地になっていますが、操業当時は様々な施設が密集していたと伝わります。
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Df PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D ED


この奔別炭鉱と初めて出会ったのは、確か2002年。既に11年の月日が経っています。
ここへ来て、奔別炭鉱立坑櫓を見上げていると、いつも勇気をもらえている様な気が致します。


北海道最大の産業遺産の一つ、奔別炭鉱立坑櫓。日本の未来を背負うことを期待されたその勇姿、
是非一度肉眼で見て頂きたいと思います。



Dfについて。
2008年以降、建築写真と炭鉱遺産は全てニコンD3Xで撮影してきました。撮影時の頼もしさ、
使いやすさ。精緻な画質など、理由は数えきれないほどです。

今回、初めてD3X以外の機材、DfとD600を使用してみました。
両者とも精緻かつ豊かな階調を持ち、ヌケも良い。D600はPC-E NIKKOR 24mm f/3.5D EDが
相当引っかかるのでストレスはありますが、撮れた写真は感度を上げても満足のいくものでした。


Dfは、何度も記載していることではありますが、PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D EDが
ペンタ部に引っかからないので、ストレスフリーです。
この部分で、D3X(D4など一桁機)の真のサブ機と言える、唯一の機材とだと思います。
(D600は大変素晴らしく内容の割に価格も破格に安いのですが、上記他シンクロターミナルが
ないのも残念な点です)。


一枚目の写真は、ISO1250、二枚目はISO1600。この感度で、今までD3Xで仕事や作品の
写真を撮ろうとは考えませんでした。しかし、DfやD600では、よく見るとノイズは
乗っているものの、大判プリントをしても大丈夫な画質を保っています。
この点、技術の急速な進歩に驚くばかりです。

一枚目は、幾春別の街の明かりに照らし出される奔別炭鉱立坑櫓を撮影。

二枚目は、星空のもと、幾春別の夜景の光と共にある奔別炭鉱立坑櫓を撮影しました。