臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言 -9ページ目

臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 一昨年5月の徳島地裁での一審判決に続いて、今年2月、高松高裁での控訴審判決でも、麻疹ワクチン接種3日後に急性髄膜脳炎により死亡した事例について、麻疹ワクチンによる死亡と認定され、因果関係が認められた。

 本件については、仮に最高裁まで争ったとしても、因果関係の有無という事実関係について、控訴審判決が最高裁で覆る可能性は限りなく低い。
 司法の場においては、麻疹ワクチンと死亡との因果関係の有無について、事実上、決着が付いたと言うべきであろう。

 国や自治体・保健所や医師会は、麻疹撲滅と称して、麻疹ワクチン接種のキャンペーンを行っているが、近年、麻疹による小児の死亡事例は日本では皆無である。麻疹による死亡は、数名の成人麻疹による事例があるだけである。

 人口動態調査の死因別死亡統計によると、2010年の数値は、まだ確定していないが、麻疹による小児の死亡は2004年の1名が最後で、その後は0となっている。

 2000年     00 01 02 03 04 05 06 07 08 09  年
麻しん(小児)死者 11 11  3  2  1  0  0  0  0  0  人

 小児麻疹による死者0が続く2005年から2009年までの5年間に日本では約540万人が生まれているし、2000年から2009年までの10年間としても約1,115万人が生まれている。
 この10年間の小児麻疹の死者は28人なので、麻疹によって小児が死亡する確率は、21世紀の日本では40万分の一から540万人分のゼロという計算になる。
 この数字は、日本では、麻疹ワクチン接種が広く行われているという事実を前提としているので、小児へのワクチン接種を中止すれば、この数字は恐らく上昇するであろう。

 とは言え、今の日本において、麻疹ワクチンによって死亡する確率は、麻疹によって死亡する確率と大差無いと言える。


 なお、今回の事例について、ワクチンの専門家は、麻疹ワクチンと死亡との因果関係を認めていない。

 ちなみに、米国には、ワクチンとの因果関係の有無にかかわらず、ワクチン接種後に発生した健康被害(有害事象)を医師や市民が報告するシステム、The Vaccine Adverse Event Reporting System (VAERS)が構築されている。

 そして、このシステムに寄せられた情報を元にして、ワクチン接種による健康被害に対する救済制度、National Vaccine Injury Compensation Program (VICP)が設けられている。

 この米国の救済制度では、ワクチン毎に補償の対象となる症状が定められている。そして、ワクチン接種後、ワクチン毎、症状毎に定められた一定の期間内に、これらの症状が出現すれば、原則として補償の対象とされ、個別の因果関係の証明や認定は不要とされている。

 この米国における救済システムによれば、麻疹ワクチン接種後に生じた脳症・脳炎(髄膜炎)について、救済の対象となるのは接種5~15日後に発症した場合である。

 ただし、これは原則であって、個別に因果関係が医学的に証明されれば、この期間外であっても補償の対象となり得る。


「ワクチン接種後の有害事象に関する報告システム」
【The Vaccine Adverse Event Reporting System (VAERS)】
http://vaers.hhs.gov/index


「ワクチン接種による健康被害に対する救済制度」
【National Vaccine Injury Compensation Program (VICP)】
http://www.hrsa.gov/vaccinecompensation/default.htm


「救済の対象となる健康被害一覧」
【Vaccine Injury Table】
http://www.hrsa.gov/vaccinecompensation/table.htm


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「二審も因果関係認める 予防接種後に男児死亡」
【2011/02/28 共同通信】

 予防接種の3日後に死亡した男児=当時(1)=の死亡一時金をめぐる訴訟の控訴審判決で高松高裁は25日、徳島県北島町の不支給処分を取り消した一審徳島地裁判決を支持し、町側の控訴を棄却した。

 小野洋一(おの・よういち)裁判長は判決理由で「男児が急性髄膜脳炎になったウイルスは予防接種由来とみるのが自然」として因果関係を認定。「国が町に因果関係を否認する通知をしたのは事実認定を誤っており、健康被害者への救済を拒むものである」として、処分を違法とした。

 判決によると男児は2004年5月、北島町の病院ではしかの予防接種を受けたが、3日後に死亡。父親は予防接種法に基づく死亡一時金と葬祭料の計約4300万円を請求したが、町は因果関係を否認する国の通知に基づき不支給とした。

 男児の父親(41)は判決後、「認められ、ほっとした。町には上告しないでほしい」と話した。

 北島町の担当者は取材に対し「判決の内容を確認し、対応を検討したい」とコメントした。


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「男児死亡に因果関係 北島・予防接種、町に一時金支給命令」
【2009/5/30 徳島新聞】

 北島町が実施した麻疹(ましん)=はしか=の予防接種を受けた三日後に死亡した男児=当時(1つ)=の父親(39)が、予防接種法に基づく死亡一時金などが支給されなかったとして、町に不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決公判が二十九日、徳島地裁であった。黒野功久裁判長は原告の訴えを全面的に認め、町に不支給処分の取り消しを命じた。町側は控訴する方針。

 訴訟の争点は、予防接種と死亡の因果関係の有無だった。原告側は「麻疹ワクチン接種の副作用で髄膜炎などを発症し、心肺停止状態となり死亡した」と主張。町側は「麻疹ウイルス株の感染でも十日程度の潜伏期間がある。ワクチンの弱毒性麻疹ウイルスに感染し、三日間で身体症状が出るとは考えられない」などと反論していた。

 判決理由で、黒野裁判長は、一九九四年十月から二〇〇五年三月末までに、麻疹の予防接種の副作用で脳炎・脳症が現れた事例が五件あったことを指摘。「弱毒性麻疹ウイルスの作用で脳幹部に異常を生じさせることに一定の医学的合理性が認められる。予防接種から三日後に死亡することも十分ありうる」などと因果関係を認め、町側の主張を退けた。

 判決によると、男児は〇四年五月、町内の病院で予防接種を受けた三日後に死亡した。父親は予防接種法に基づき死亡一時金と葬祭料計約四千三百万円を町に請求。町は厚生労働省に、請求書と「予防接種と死亡の因果関係の可能性は否定できない」とする報告書を送ったが、厚労省が予防接種との因果関係を否認したため、〇五年十二月に不支給処分とした。

 判決について、山田昌弘町長は「判決の詳細を確認し、厚労省とも協議して控訴する方針」と述べた。厚労省健康局結核感染症課は「因果関係の認定は専門家の十分な議論や科学的観点から導いた。主張が受け入れられず非常に残念」とした。

 父親は「ようやく気持ちの整理がつきそうなので、これ以上、訴訟を長引かせてほしくない」。代理人は「妥当な判決と考えるが、町側がすぐに控訴を検討していることに憤りを感じる。同様に不支給処分となった遺族は相当いるはずで、判決を機に、厚労省が認定基準の見直しに動くことを期待したい」と話した。
 厚生労働省及び日本呼吸器学会は、下記の通り、新型インフルエンザの診療に関する研修を行いますのでご案内いたします。

 2009年には新型インフルエンザ(A/H1N1)が世界的な大流行となりました。
 また、近年、東南アジアなどを中心に、高病原性の鳥インフルエンザ(H5N1)の鳥-ヒト感染が報告されております。
 そこで、新型インフルエンザ(A/H1N1)に対するわが国の対応を振り返るとともに、鳥インフルエンザ(H5N1)の流行状況や症例報告等をもとに今後の課題について考える研修を行います。

 対象は医師や医療従事者の方々としています。
 参加費無料です。事前の申し込みは必要ありません。下記の申込書に記入のうえ、当日会場受付にてお渡しください。

【日時】 平成23年3月19日(土)午後1時~4時

【場所】 厚生労働省 低層棟2階

東京都千代田区霞が関1-2-2(地下鉄丸ノ内線、千代田線「霞ヶ関」出口B3a、C1)

※当日は閉庁日のため、正門(日比谷公園側)の案内に沿ってご入館ください。

地図 http://www.mhlw.go.jp/general/syozai/annai.html

「新型インフルエンザの診療に関する研修」
【厚生労働省】
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/110222.pdf

「新型インフルエンザ関係の情報」
【厚生労働省】
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html


――――――――― プ ロ グ ラ ム ――――――――

【基調講演】
■ 新型インフルエンザ(A/H1N1)の総括及び
鳥インフルエンザ(H5N1)の流行の現状
国立感染症研究所感染症情報センター長             岡部  信彦

■ 鳥インフルエンザ(H5N1)の経験症例
国立国際医療研究センター国際疾病センター長          工藤 宏一郎

【今後の課題】
■ 我が国における新型インフルエンザ(A/H1N1)対策
厚生労働省健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室長  神ノ田 昌博


■ 新型インフルエンザ診療に求められる診療体制
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病態機構学小児医科学教授   森島  恒雄
成田赤十字病院感染症科部長                  野口  博史

◆ 司  会
日本呼吸器学会理事/東京女子医大統括病院長          永井  厚志

◆ 参加方法
参加費無料です。事前の申し込みは必要ありません。下記の申込書に記入のうえ、
当日会場受付にてお渡しください。
お問い合わせ先(代行)/日本呼吸器学会事務局(TEL:03-5805-3553)
本研修会担当/厚生労働省 健康局結核感染症課 新型インフルエンザ対策推進室

◆ 主催・共催他
主催/厚生労働省  共催/日本呼吸器学会  後援/日本感染症学会 日本環境感染学会

◆ 厚生労働省へのアクセス

○住所・電話
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
http://www.mhlw.go.jp/general/syozai/annai.html

○最寄り駅
地下鉄丸ノ内線、千代田線、日比谷線「霞ヶ関」駅下車出口B3a、C1
※当日は閉庁日のため、正門(日比谷公園側)の案内に沿ってご入館ください。

【お申し込み】本メールを出力後、必要事項に記入のうえ、当日会場受付にてお渡しください。


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(英)ローマ字

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所属機関/役職 

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職種 

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E-mail ________________________________________@_______________________________________
 「国境なき医師団」という国際的なNGOがある。

 そのテレビCMでは、

国の境目が
生死の境目で
あってはならない。


と訴えている。

 「国境なき医師団」という団体や、その活動については、色々と評価の分かれるところであろうが、彼らは善意に溢れた献身的な人達である。

 ところで、検疫というのは、本来、

国の境目を生死の境目にする

という極めて利己的な措置である。

 極端な話、たとえ国境線の向こう側の人類がすべて死に絶えても、国境線の内側の人達は一人も死なせまいとするのが検疫である。

 そのためには、何の罪科もない人たちを隔離し、彼らの人権を侵害することも厭わないのが検疫の本来の姿である。

 「国境なき医師団」の活動に感動し、人権擁護を叫ぶ人が一方で、「検疫」の必要性を訴える。

 人間とは、不思議な生き物である。

 国境なき医師団の活動に共感される方は、こちらで是非寄付をして下さい。

国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/donate/index.html