臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言 -6ページ目

臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 日本国憲法第99条にも明記されているように、日本の公務員(国務大臣、国会議員、都道府県知事、都道府県議会議員ほか)が守るべき根本的な規定は、日本国憲法である。

 そして、日本国憲法は、日本国民だけでなく、すべての人々に「思想及び良心の自由」(第19条)と「表現の自由」(第21条)を保障している。
 また、日本国憲法は、憲法に反する法律、命令等は無効であるとも明記している。(第98条)

 およそ公務員の範として、率先して憲法を遵守すべき立場にある知事や都道府県議会議員が憲法に反して無効となりかねないような条例を制定しようとするのは、どういう了見であろうか。

 今回、「大阪維新の会」が制定しようとしている条例案は、国歌(君が代)を起立して斉唱しない者を公立学校(小中高)の教職員から排除しようとするものであるが、私立学校の教職員や大学の教職員は対象外である。

 「君が代」を起立して斉唱しない者が真に有害であり、公共の福祉に反する存在であるならば、単に公立学校の教職員から追放するだけでなく、広く社会全体から排除すべきではなかろうか。

 また、そもそも「君が代」を起立して斉唱しない者を学校の教職員から排除することに、どのような意味があるのであろうか。

 条例案では、単に「国歌」とのみ記載し、「君が代」とは特定しないようであるが、「校歌」の起立斉唱やピアノ伴奏に異を唱える教職員が皆無であることや校歌の起立斉唱を義務づける規定が存在しない現状を鑑みれば、「国歌」というよりも、特定の歌、すなわち「君が代」を起立斉唱しない者を排除しようとする意図は明白であろう。

 すなわち、この条例案は、「君が代」を天皇・皇室賛美の歌ととらえ、天皇制を否定する思想・信条を有する者を社会から排除しようとするものではなかろうか。

 公務員には、日本国憲法を尊重し、擁護する義務がある。憲法が保障する思想の自由や表現の自由を侵すような条例には、たとえ上司(知事)の命であっても従ってはならないし、そもそも憲法に反する条例は無効であるから、従う義務もない。


日本国憲法
【昭和二十一年十一月三日】

第十九条
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第二十一条
 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
第九十八条
 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
第九十九条
 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

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「起立強制条例案は憲法違反」 日弁連会長が声明で批判
【朝日新聞 2011年5月27日】

 大阪府の橋下徹知事が率いる「大阪維新の会」の府議団が成立をめざす教職員に君が代の起立斉唱を義務化する条例案について、日本弁護士連合会は26日、宇都宮健児会長名で「起立・斉唱を強制することは憲法の思想・良心の自由を侵害する」などと批判する声明を発表した。
 声明は「教育の内容と方法に対する公権力の介入は抑制的であるべきという憲法上の要請に違反するもので看過できない」と主張。橋下氏が強調する「公務員組織の規律の厳格化」については「教職員は(憲法上)『全体の奉仕者』だが、職務の性質と無関係に一律全面的に公務員の憲法上の権利を制限する根拠とならない」と批判。府議会に条例案を可決しないことを求めた。

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君が代起立条例案を提出 大阪維新の会、成立は確実
【朝日新聞 2011年5月25日 】

 大阪府の橋下徹知事が率いる地域政党「大阪維新の会」の府議団は25日、5月府議会で成立をめざす「君が代条例」案を議長に提出した。橋下氏が強調する教育現場の「服務規律の厳格化」を条例の目的として明記。政令指定市を含む府内の公立小中高校などの教職員が対象で、成立すれば君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例となる。
 条例案の名称は「大阪府の施設における国旗の掲揚及び職員による国歌の斉唱に関する条例」。
 維新の条例案に対し、大阪府議会の他会派は「すでに教委が起立を指示しており、条例化は不要」などと反発。ただ、維新が過半数を占めるため、条例成立は確実な情勢だ。
 条例案は、国旗・国歌法や教育基本法、入学・卒業式での日の丸掲揚と君が代斉唱を義務づけた学習指導要領の「趣旨を踏まえる」と定義。制定の目的には、府民とりわけ子どもが伝統と文化を尊重▽国と郷土を愛する意識の高揚▽府立学校及び府内の市町村立学校での服務規律の厳格化――などを掲げた。
 条例案はまた、君が代の起立斉唱を求める公務員の対象を、府内の公立小中高校と特別支援学校の教職員と明記した。府教委が任命・処分権を持たない大阪・堺の2指定市の教員も対象とし、公立校教員に的を絞っている。一方、小中学校の教職員に対しては、地方教育行政法に基づき市町村教委が「服務監督権」を持っているため、条例案では「市町村教委の服務監督を侵すものではない」と配慮を示した。
 条例案には罰則はなく、維新側は、教職員の規範を定める条例と位置づけている。この条例で義務化された起立斉唱を拒んだ教員は、地方公務員法で定めた公務員の法令順守義務に違反することになる。同会は9月府議会で、複数回違反した教職員を懲戒免職にすることなどをルール化した条例の成立もめざす。
 1989年に告示された学習指導要領と、99年制定の国旗・国歌法を踏まえ、各都道府県教委は君が代斉唱時に教員を起立させるよう公立学校長らに指示し、市町村教委に対しても指導・助言。各教委は校長の職務命令に従わない教員の処分を繰り返しており、09年度には東京都や大阪府、広島県などの6教委が教員24人を懲戒処分にした。
 ただ、処分をめぐる司法判断は割れている。最高裁は07年、君が代のピアノ伴奏を拒んで処分された教員の訴訟で「校長の職務命令は合憲」と判断。一方、東京高裁は今年3月、都立校の教職員167人の処分を「懲戒権の乱用」として取り消した。
 福島第一原発事故以来、様々な場面における自然放射線への被ばく事例が紹介され、原発事故による放射線被ばくの健康への影響は少ないという様なことが言われていますが、果たして本当でしょうか。

 確かに、国際線の航空機に乗ると、宇宙から飛来する放射線(宇宙線)に曝されます。
 例えば、成田からニューヨークまで飛行した場合、飛行高度や飛行時期によって異なりますが、被ばく線量は往復(約26時間)で55~141μSv(マイクロシーベルト)となります。
 宇宙線は極地上空で高く、赤道上空では低いので、航路によって被ばく線量にはかなりの差異があります。また、太陽の活動状況によっても異なります。

 各航路について、航空機に乗った場合の被ばく線量については、飛行時期別の大凡の目安を独立行政法人放射線医学総合研究所の「航路線量計算システム(JISCARD)」
http://www.nirs.go.jp/research/jiscard/data/index.shtml
によって知ることができます。

 なお、実際に2006年夏に新潟からフィンランドへ旅行した際の放射線量を新潟大学の方が計測して発表していますが、機内での線量は航路線量計算システム(JISCARD)での予測値よりも若干低いようです。

 さて、航空機に乗ることによる自然放射線の被ばく線量の増加量を年間1mSv以下に抑えようとするならば、東京(成田)からニューヨークへの旅行は、年間7~18回に制限する必要があります。
 国際的に活躍するビジネスマンでも、東京~ニューヨークを年に18往復もする人は少ないので、ほとんどの乗客については、被ばく線量が年間1mSvを超えることはないでしょう。

 しかし、パイロットやフライトアテンダントのような航空機乗務員については、毎週、東京~ニューヨークを往復するというような人も考えられ、被ばく線量が1mSvを超えることもあり得ます。
 そこで、文部科学省では、2006年4月に「航空機乗務員の宇宙線被ばく管理に関するガイドライン」を示し、「航空機乗務員の被ばく線量管理については、事業者が年間5mSV(ミリシーベルト)の管理目標値を設定し、乗務員各個人の被ばく線量を抑える努力を自主的に行うこと」としています。

 つまり、国際線の航空機に乗ると被ばくするのは事実ですが、被ばく線量は最大でも年間5mSv以下になるように管理されているのが現状です。

 いかに非常時とは言え、小児の外部被曝線量を年間20mSvまで許容するというのは、いささか乱暴な考え方ではないかと危惧しています。


航空機での宇宙線被ばく線量を計算表示する計算システム
独立行政法人放射線医学総合研究所
http://www.nirs.go.jp/research/jiscard/index.shtml

「航空機利用時の宇宙線被ばくの現状」
【新潟大学工学部 平成19年度技術部報告集】
http://tech.eng.niigata-u.ac.jp/pdf4/014.pdf

「航空機乗務員の宇宙線被ばく管理に関するガイドライン」
【文部科学省放射線審議会 2006年04月20日】
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/sonota/06051009.htm

「航空機内被ばくをとりまく社会動向」
【独立行政法人放射線医学総合研究所】
http://www.nirs.go.jp/research/jiscard/information/05.shtml
 福島第一原発から約40キロの地点にある福島県飯舘村などの農地(水田)の土壌から放射性セシウムが検出されていますが、3月31日~4月1日に行われた、この調査では「土の表面から15センチ下の土壌を採取し、放射性セシウムの濃度を測定」したと伝えられています。

東北地方太平洋沖地震および東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う農作物等に関する農業技術情報第8報(平成23年4月1日)
http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/05gensiryoku/gijututaisaku_230401.pdf
今後の農作業の進め方について(平成23年4月1日)
http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/05gensiryoku/susumekata_230331.pdf
福島県内各市町村の土壌における放射性物質の測定結果
http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/seiikugijyutsujyouhou.html

 先日、3月19日~20日に5センチの深さで土壌を採取して調査した時の値(最大163KBq/Kg)に比べて、Cs(セシウム)137の値が最大7.723KBq/Kgと、20分の1以下に大きく減っているのは、このためかも知れません。

 水田の土は粘土質で、普通の農地よりも仮比重(乾燥重量/容積)がやや大きいので、仮比重を1.2と仮定すると、1平米辺りのCs137の量は1390KBq/m2となり、前回調査(163KBq/Kg、仮比重を1.0と仮定して、8150KBq/m2)との相違は6倍程度なので、それほど大きくありません。

ダストサンプリング、環境試料及び土壌モニタリングの測定結果(平成23年3月23日10時00分時点)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/23/1304007_2310.pdf

 なお、一部の人は、今回、15センチ下までの土壌を採取したことについて、農林水産省による意図的な隠蔽行為と批難していますが、一般論として、地表よりも地下数十センチの地点の土壌の方が放射性セシウムによる汚染の度合いが強いこともあるので、一概には言えません。
 一般的な環境放射能の測定は、地表から5センチの深さの土壌と、地下5センチから20センチの深さの土壌、それぞれで行われています。

道南地域における放射線量率の分布及び放射性セシウム等の含有量について
【北海道立衛生研究所】
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/Kankobutsu/Shoho/annual56/c02.pdf

柏崎刈羽地域の土壌,ヨモギ中の 137Cs 分布調査
【新潟県放射線監視センター】
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/H16-31sakaue.pdf

日本各地の土壌(0~5cm)中のCs-137(2008年度)
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010522.html
土壌(0~5cm)中のCs-137の調査地点と測定値(2008年度 年間平均値)
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010522_2.html
日本各地の土壌(5~20cm)中のCs-137(2008年度)
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010622.html
土壌(5~20cm)中のCs-137の調査地点と測定値(2008年度 年間平均値)
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010622_2.html
環境中の放射能と放射線
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/study_flash.jsp?runmode=3
【財団法人日本分析センター・文部科学省】

 また、日本海側で土壌中の放射性セシウム(Cs137)の値が高いのは、毎春、大陸から吹いてくる黄砂の影響と考えられています。
 黄砂の源、モンゴル共和国や中国・内モンゴル自治区の草原・砂漠原地帯では、30年以上前まで行われていた米国やソ連等による地上・大気中の核実験の影響により、土壌中の放射性セシウムが依然として高い水準にあります。(高いと言っても100Bq/Kg以下です。)
 この放射性セシウムを含む黄砂が降る地域では、土壌中のCs137が高くなりますが、黄砂は均一に降るものではないので、場所によって大きなばらつきがあります。
 一般に、神社の境内など神域・聖域として、人の手が加えられていない土地ほど、降り積もった黄砂やCs137がそのまま残って値が高くなり、農地や住宅地、公園など、人の手が加わっている土地では、低くなっています。

黄砂とともに飛来する放射性セシウム(137Cs)
【独立行政法人農業環境技術研究所】
http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result24/result24_68.html

 ところで、土壌中のセシウムは菌糸類(キノコ)により濃縮されるそうです。
 特に乾燥キノコでは、相当高い値(10KBq/Kg以上)が検出されたりします。

キノコ中の放射性セシウム
【独立行政法人放射線医学総合研究所】
http://www.nirs.go.jp/report/nirs_news/9712/hik2p.html


土壌微生物と放射性核種の環境挙動とのかかわり (09-02-01-10)
【RIST:財団法人高度情報科学技術研究機構】
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-01-10

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7市町村で土壌の再検査開始…福島県
【2011年4月7日 読売新聞】

 福島県飯舘村などの農地の土壌から放射性セシウムが検出された問題で、福島県は7日、飯舘村を含む7市町村(一部地域を除く)で土壌の再検査を開始した。6日に公表された1回目の検査結果を受けて、県は7市町村(一部地域を除く)での農作業の延期の継続を決めたが、農業関係者からは「基準が不明確」との声も上がっている。

 県は3月25日に県内農家に農作業の延期を求め、同31日から水田、畑など70か所で土壌検査を実施。その結果、70か所すべてで放射性セシウムが検出され、飯舘村では放射性セシウムが土壌1キロ・グラム当たり1万5031ベクレル検出された。

 県は、再検査の対象を7市町村にしたことについて、「専門家の意見をもとに、放射性セシウムの濃度と地形的な広がり方などを総合的に分析した結果」と説明する。しかし、対象地域の農業関係者からは、「(作物を)作っていい、悪いの明確な基準がわからない。農家にとっては死活問題だ」(JA郡山市)と戸惑う声も聞かれる。

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東北・関東の水田150か所、セシウム濃度測定
【2011年3月30日 読売新聞】

 福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故による農産物の汚染問題で、農林水産省は30日、一部の自治体が水田の土壌調査を始めたことを明らかにした。

 4月中旬までに結果を公表する。

 同省によると、実施するのは東北地方や関東の各県で、計150か所の水田を調べる。土の表面から15センチ下の土壌を採取し、放射性セシウムの濃度を測定する。ホウレンソウなどから相次いで放射性物質が検出され、コメ農家から「作付けしてよいかわからない」との声が上がったため実施を決めた。

 放射能汚染による土壌の食品安全基準が現在ないため、同省は、土壌がどの程度の濃度だと、食品として安全かの指標づくりを急いでいる。田植えは4月下旬から本格的に始まり、収穫まで半年と長いため、水田の土壌を優先的に調べることにした。その後、畑に対象を拡大する。