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臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 平成23年度の防衛予算は、4兆7,752億円、税収(40兆9,270億円)に対する割合としては、約12%を占め、今や、年々減らされている公共事業予算4兆9,743億円に匹敵する規模にまで達している。
 道路にしろ、橋にしろ、体育館にしろ、たとえほとんど使われなくても、曲がりなりにも何かが残り、建設・建築工事に伴って、建設・土木作業員として地方の雇用を創出する公共事業とは異なり、防衛予算は基本的に何も生み出さず、何も残さない。ほとんど一方的な消費、あるいは浪費である。
 戦争がなければ、毎年数兆円の税金を投じて調達し、整備している戦車も戦闘機も、大砲も軍艦も、砲弾もミサイルも、すべては無用の長物、ただの鉄くずとなる。もちろん、大量殺戮兵器が使われずに済むのは、大変良いことであり、せっかく買った兵器を使わないのは勿体ないからと言って、戦争をすべきではない。

 3月の東日本大震災と、その後の大津波では、航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に配備されているF2戦闘機18機が使用不要となった。F2戦闘機の調達価格は、1機当たり約120億円とされているから、18機で約2,100億円の税金が投じられ、一夜にして、スクラップと化したことになる。
 防衛省では、これら使用不能となったF2戦闘機のうち、6機を修理して、再度使用する計画だという。1機当たりの修理費用は、新規調達価格を上回る約200億円と見積もられている。修理されたF2戦闘機は、パイロットの養成訓練のために使われると言うことであるが、現在、日本航空の破綻などにより、乗るべき飛行機を失った民間パイロットや、訓練を断念した民間パイロット候補生は少なくない。
 戦闘機パイロットの養成は必要なことかも知れないが、これほどの税金を投じてまで行わなければならないことなのだろうか。

 ちなみに、主力戦闘機F15の調達価格は1機当たり約120億円とされている。

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震災で水没のF2戦闘機6機、修理し継続使用
【2011年9月4日 読売新聞】

 防衛省は、東日本大震災による津波で水没した航空自衛隊松島基地(宮城県)のF2戦闘機全18機のうち、6機を修理して継続使用する方針を固めた。
 同省は18機について、修理して引き続き使えるかどうか、分解検査などの調査を行った。垂直尾翼やエンジンの一部などそのまま使える部品があったが、電子機器などは海水の塩分が入り込み、使えなくなっていることが分かった。
 F2は国内での生産が今年度中に終わる予定で、新規調達はできない。しかし、同基地のF2は空自のパイロット育成用として使用され、同省は一定の機数を確保しなければ、育成計画に支障が出ると判断。使用可能な部品を組み合わせるなどして6機を修理し、引き続き使うことにした。修理に必要な費用は約1150億円と見込まれる。
 野田新政権が発足して、日本でも財政再建、すなわち増税が本格的に議論されることになるらしい。
 ところで、自分がどれだけ税金を払っているのか、そして、その税金が何に使われているのか、大凡のところでも理解している人は、日本にどれだけいるのであろうか。ほとんどの日本人は、ただ漠然と税金が高いと感じているだけではなかろうか。

 古来、国家財政の基本は、「入るを量りて出ずるを為(制)す」と言われるように、収入に応じて、支出を定めるべきであるとされていた。現在でも財政再建の基本に、この言葉を掲げる政治家は少なくない。
 しかし、この言葉は、専制君主や王侯貴族が支配していた国の話である。支配者は、国民から徴収した税金の多寡に応じて、身の程を弁えた贅沢をしていれば、国民の生活や幸福など考える必要のなかった時代の話である。
 現代の民主主義国家においては、財政に余裕があるから、為政者が贅沢をして良いなどと言うことは有り得ないし、支出する必要がなければ、そもそも収入(税金)を減らすべきである。
 すなわち、現代社会においては、必要な支出額を計算して、その必要に応じて、収入(税収)を定める、「出ずるを量りて入るを為(制)す[量出制入]」が基本である。

 そこで、今の日本において、最低限、国の税金で賄うべきものを挙げるとすれば、国債費、社会保障費、地方交付税の3つである。

 国債費は、過去の借金の利払いと元本の返済である。国債費を賄うために、新たな国債を発行するようなこと、すなわち、借金で借金を返すようなこと(いわゆる自転車操業)をすれば、たちまちのうちに債務(借金)は膨らみ、個人や企業と同様に、国家も破産してしまうことになる。
 そもそも、国債は、将来、税金で返済することを前提として発行されているものである。返済期限を迎えた国債を今、税金で返済しなければ、そのツケは必ず子や孫の世代が背負うことになる。子孫に美田を残す必要はないが、負債を残すべきではない。

 次に社会保障費は、年金、医療、福祉の国家負担分である。
 多くの年金生活者は、過去に自分が納めた年金保険料を今、利息と共に受け取っていると勘違いしているが、実際には現役世代が今、納めている年金保険料と、同じく現役世代が今、納めている税金を年金として受け取っているのに過ぎない。年金生活者がかつて納めた保険料は、過去の年金生活者が既に受け取ってしまっている。
 医療については、高齢者はもちろん、現役世代についても、医療保険料だけでは高度化、先進化する医療費を賄えず、多額の税金が使われている。
 福祉に至っては、生活保護をはじめ、ほぼ全額が税金で賄われている。
 社会保障費を切り詰めることも不可能ではないが、年金支給額の引き下げは高齢者世帯の家計を圧迫し、生活を困難にするだけでなく、現役世代にも仕送り等の負担増が及ぶことになる。また、医療費の自己負担を増やせば、病気で家計が苦しい人々の生活をますます逼迫させることになるし、生活保護の水準を切り下げて、生活保護世帯がクーラーを持てないようにしたりすれば、熱中症で死者が出るというようなことにもなりかねない。
 社会保障費の削減は、現実には、はなはだ困難なことである。

 最後に地方交付税は、地方自治体間の格差を是正するための措置である。人口が少なく、これといった産業も施設もなく、税収(住民税、固定資産税等)の少ない町や村でも、住民が必要とする行政機能が維持できるように、国が全国の個人・企業から自治体に代わって税金を徴収し、税収の少ない自治体に再配分するという制度が地方交付税である。
 この制度がなければ、町村長や町村議会議員の給与が払えないのは当然として、小学校も、ゴミ収集も、道路の補修も、すべての行政サービスを住民自らが無償の勤労奉仕でしなければならないという自治体が少なからず生じてしまう。

 さて、平成23年度国家予算を見ると、これら三つの経費は、
国債費   21兆5,491億円
社会保障  28兆7,079億円
地方交付税 16兆7,845億円
  計   67兆0,415億円
となっている。

 これに対して、平成23年度の税収は、
租税及び印紙収入 40兆9,270億円
  うち消費税   10兆1,990億円
    法人税    7兆7,920億円
    所得税   13兆4,900億円
となり、差引き 26兆1,145億円の税収が不足している。
 結局、不足する分は、全額、借金(赤字国債・特例国債)で賄われることになる。

 財政再建となれば、少なくとも、この税収の不足分26兆円については、増税で賄うと言うことになるのだが、これは消費税約13%分の税収に相当する。
 消費税を現在の5%から、少なくとも18%、食料品等を中心に非課税・税率低減品目の拡大等をすれば、ヨーロッパ並みに基本税率20%への大幅な引き上げが必要となる。
 果たして、このような増税に国民は同意するのであろうか。

 ちなみに、平成23年度の特例公債(赤字国債)発行予定額は、38兆2,080億円となっている。これに、建設国債6兆0,900億円を加えると、今年度の国の新たな借金は、44兆2,980億円となり、税収を上回る。この国債は、将来の日本国民、すなわち我々の子や孫の世代の日本人が税金で返済することになる。歳出の見直しや経費節減などで、何とかなるレベルでは、もはやない。


日本の財政関係資料平成23年度予算補足資料[財務省]
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/sy014_22_3.pdf

わが国の財政状況[財務省]
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/index.html
 会計検査院が「検査報告等に関する財務上の是正改善効果(22年試算)」を公表している。それによると、平成22年度における改善効果は約1,340億円と言うことである。

「検査報告等に関する財務上の是正改善効果(22年試算)」
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/23/h230725.html
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/23/pdf/zeseikouka_h230725.pdf

 新聞報道などでは「1340億円 税金の無駄遣い」などと単純に報じているが、この1,340億円という改善効果の中には、無駄遣いと呼べる不要不急な支出だけでなく、今まで国民が納付していなかった(徴収されていなかった)税金等を国が厳しく取り立てた結果による増収(増税)効果も含まれている。

 例えば、ホテルや病院等の各部屋・病室にテレビが設置されている事業所については、本来、受信機(テレビ)の台数に応じて受信料を徴収すべきところ、従来、適正な徴収がなされていなかったという会計検査院からの指摘を受けて、NHKが厳しく受信料を取り立てたことによって得られた増収44億円も改善効果として計上されている。
 また、やや複雑な話ではあるが、従前、消費税の対象とはならない家賃収入を得るために賃貸マンションを取得(建築)した場合であっても、消費税の課税業者についてのみは消費税が減免・還付されるという制度があったのであるが、会計検査院の指摘により、この制度が廃止された結果、39億円の税収増となったことも改善効果とされている。
 その他、会計検査院からの指摘により、市町村が運営する国民健康保険への国からの交付金を14億円減らしたことも改善効果とされているが、国からの交付金が減った結果として、国民健康保険の加入者が支払う保険料や市町村民税が14億円増えることになる。
 同様に、パートタイム労働者について、健康保険及び厚生年金保険の保険料が徴収されていない事例があるとの会計検査院の指摘を受けて、パートタイム労働者等からも保険料を厳しく徴収した結果として、11億円の増収となったことも改善効果とされている。

 新聞等が伝えるように、確かに無駄遣いと言える事例も少なくないが、国の財政についての改善効果とは、すなわち国民・企業の負担増という側面もあること、すなわち国の財政が改善すると言うことは、国民の負担が増えるということでもあることを忘れるべきではない。

 ところで、会計検査院の年間予算は、人件費を中心に約170億円である。毎年170億円の経費を掛けて、1,300億円余りの改善効果しか得られないというのは、果たして費用対効果の面で妥当なものか否か、国民レベルで十分に議論すべきではなかろうか。

「平成23年度会計検査院所管一般会計歳出予算補正(第1号)」
http://www.jbaudit.go.jp/jbaudit/bud_clo/bud/pdf/h230606_2.pdf

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検査院、改善は1340億円 税金の無駄遣い
【2011/07/25 共同通信】

 会計検査院は25日、04~09年度の決算検査報告で、官庁や政府出資法人に税金の無駄遣いなどの会計処理を指摘し、改善効果があったのは約1340億円とする試算を発表した。
 過大な補助金の返還や収益改善による支出削減など、実際に金額で把握できる効果をまとめた。
 約1340億円のうち、09年度に指摘、すぐに返還などの措置が取られたのは、過大交付されていた国民健康保険の財政調整交付金(指摘額約20億9千万円)など約130億円。制度改正などが必要なため効果が表れるまで時間がかかったものが約1033億円だった。