臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言 -32ページ目

臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 世の中、相変わらず不景気な所為なのか、国家公務員試験の受験を申し込む人が大きく増えている。
 受験希望者が増えている理由を人事院は「経済状況の悪化による民間企業の雇用抑制が影響した」と分析しているらしいが、民間企業に採用してもらえないような人が国家公務員になっても役に立つ筈もないので、彼らを部下や同僚として迎える現役の公務員にとっても、彼らの給与を負担することになる納税者・国民にとっても、実に迷惑な話である。
 本来であれば、大企業の内定を蹴ってでも、官僚・国家公務員になろうという酔狂な人に公務員になって欲しいところなのであるが、現実には、まともな人は公務員にはならないということなのだろうか。

 ちなみに、難関の国家公務員試験に合格しても、本当に公務員になれるのは、その内の半数以下である。今年度も900人余りのⅠ種試験合格者が採用されず、公務員になれなかった。合格者で、民間企業の内定が得られなかった人は、ほとんどいないと思うが、もし、民間企業の採用試験を受けていなかったとしたら、そういう人は今頃、就職浪人となっている筈である。
 来年度の国家公務員の採用者数は、今年よりも、かなり少なくなる見込みなので、合格者数が減るだけでなく、たとえ合格しても採用されない合格浪人が増えることだろう。

【参考】
平成21年度 国家公務員採用Ⅰ種試験 ()内は女性の内数
 申込者数 22,186(6,903)
 合格者数  1,494( 300) 合格率  6.7%( 4.3%)
 採用者数   591( 120) 採用率 39.6%(40.0%) 平成22年4月1日付採用

平成21年度 国家公務員採用Ⅱ種試験 ()内は女性の内数
 申込者数 39,940(12,685)
 合格者数  5,199(1,539) 合格率 13.0%(12.1%)

【人事院 国家公務員試験 採用情報NAVI】
http://www.jinji.go.jp/saiyo/shiken-saiyo.htm

----------
国家公務員2種、申込者2割増
【2010/5/27 日経新聞】

 人事院が26日に発表した2010年度の国家公務員採用2種試験の申し込み状況によると、申込者数は前年度比20.3%増の4万8040人だった。増加率が2割を超えるのは1994年度以来16年ぶり。人事院は「経済状況の悪化による民間企業の雇用抑制が影響した」と分析している。公務員採用を巡っては「キャリア」と呼ばれる1種公務員の採用試験申込者数(2万6888人)も21.2%増えた。

 「インフル死は推計200人 史上3番目の低水準で「新型は弱毒」裏付け」という記事の出典は明らかではありませんが、国立感染症研究所の「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-rpd/20total.html
によると、全国19都市(札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、川崎、新潟、静岡、浜松、名古屋、京都、大阪、堺、神戸、岡山、広島、北九州、福岡)からのデータを集計する限りにおいて、昨年から今年にかけての新型インフルエンザの流行による超過死亡は、ほぼ皆無だったという結論になるようです。

 ちなみに、「超過死亡(excess death, excess mortality)」というのは、世界保健機関(WHO)が提唱している概念で、インフルエンザが流行したことによって、インフルエンザ・肺炎死亡が例年よりも、どの程度増加したかを示す推定値です。
 この値は、直接および間接にインフルエンザの流行によって生じた死亡であり、仮にインフルエンザが地球上から根絶されれば、0となる数字です。

 つまり、超過死亡を指標として、インフルエンザがもたらす「社会的インパクト」を判断するのであれば、今回の新型インフルエンザは、少なくとも日本にとって、何の影響も無かったという結論になります。
 実際には、1000億円余りのワクチンが無駄になるなど、「社会的インパクト」は決して小さくはないのですが、それは、何を指標として物事を判断するかと言う、まさに「仕訳」の問題でしよう。

 ところで、日本における新型インフルエンザによる超過死亡は、ほぼ無かったという研究結果等について、これらを元に新型インフルエンザは「弱毒」だとか、あるいは逆に、こんな研究は嘘だとかいう人があるようですが、そもそも「超過死亡」という概念や指標を用いること自体が誤りであるように思います。

 すなわち、今回の新型インフルエンザによる日本の超過死亡がほぼゼロと言う事実は、現在の日本のように、様々な理由により、数多くの高齢者等が死亡する社会においては、インフルエンザが流行するか否かに関わらず、毎年110万人以上が確実に死亡するということ、そして、その死亡者数は毎年2%程度、約2万人のペースで、年々増え続けているということを示しているだけではないかと思います。

 つまり、仮に新型インフルエンザが流行して、インフルエンザによる死亡が2万人であったとしても、その一方で、たとえ、インフルエンザが流行しなくても、2万人程度は前年よりも確実に死亡者が増えるので、見掛け上はインフルエンザによる超過死亡が存在しなくなると言う状態に、今の日本はあるのでしょう。
 結局、昨年から今年初めにかけて、約115万人がインフルエンザによって死んだか、あるいは、他の原因によって死んだかの違いだけということになったようです。

 インフルエンザによる死亡が10万人とか20万人とかの規模になれば、超過死亡として統計データに現れるかもしれませんが、何ごとも無くても、毎年、前年よりも2万人余りも死亡数が増える現状では、1万人程度の超過死亡は、もはや統計データに乗って来ないのかもしれません。

----------
インフル死は推計200人 史上3番目の低水準で「新型は弱毒」裏付け
【2010.4.26 産経新聞】

 インフルエンザの流行によって増加した死者数を推計する「超過死亡」が、新型が流行した今シーズンは約200人に留まり、昭和62年の調査開始以来3番目に低い水準だったことが26日、国立感染症研究所の調べで分かった。例年は1万人程度で推移しており、弱毒性といわれた今回の新型インフルの毒性が、季節性インフルよりも低かったことが裏付けられた。
 超過死亡は、インフルが流行しなかったと仮定した場合の死者数と、流行時の実際の死者数を比較することでインフルによる死者を推計する手法。インフル感染者は毎年1千万人近くに上り、すべての死亡例を調べることが困難なため、毎年この手法で死者数を推計している。
 この手法で推計すると、今シーズンの超過死亡は約200人だった。例年の超過死亡は1万人程度で、インフルが大流行した平成10~11年のシーズンでは3万5千人を超えていた。