臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言 -28ページ目

臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 通常、日本において医師となるには、6年間、大学医学部に通って、医学教育を受けた後、医師国家試験に合格し、さらに2年間の臨床研修を行います。
 医学部の学生定員を増やしたり、医学部を新設したりして、医師を増やそうとすると、医学部に入学してから臨床研修を終えるまで、最低でも8年、実際には大学の施設整備、教員確保等の学生受入れ準備の期間も含めて、10年以上の歳月が掛かってしまいます。

 そこで、当面の医師不足を解消する手段として、歯科医師など医師以外の医療関係の免許を持ち、一定の実務経験・臨床経験を有する人たちに対して、医師国家試験の受験資格を与えては、どうでしょうか。

 具体的には、医師法を改正して、第11条に次の一号を追加します。

四 歯科医師、獣医師、薬剤師、看護師(准看護師を除き、保健師、助産師を含む。)その他、政令で定める医療関係の免許を得た者で、厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の技能を有し、且つ、適当と認定したもの

 なお、「同等以上の技能」については、免許資格に応じて、2年から5年程度の臨床経験(医療機関等における実務経験)を求めれば、良いのではないかと思います。また、過去に医療に関する犯罪歴や処分歴がなければ、「適当」と認定しても良いのではないかと思います。

 医師国家試験の受験資格を得ても、必ずしも合格するとは限りませんし、たとえ合格しても、その後、2年間の臨床研修を受けることになりますから、一体、どのくらいの人が医師国家試験に挑戦するか、見当も付きませんが、比較的容易にできる医師確保策の一つとして、検討しても良いのではないかと思います。

【医師法】
(昭和二十三年七月三十日法律第二百一号)

第十一条 医師国家試験は、左の各号の一に該当する者でなければ、これを受けることができない。
一 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(以下単に「大学」という。)において、医学の正規の課程を修めて卒業した者
二 医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後一年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの
三 外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者で、厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、且つ、適当と認定したもの


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医学部の新設解禁も検討 鈴木・文科省副大臣
【2010/6/24 日本経済新聞】

 文部科学省の鈴木寛副大臣は24日の記者会見で、現在は認めていない大学医学部の新設を解禁する検討を始める考えを明らかにした。深刻化する医師不足に対応するためで、厚生労働省など関係省庁に医師養成のあり方を検討する場を設けることを呼びかける方針。
 鈴木副大臣は「(自民党政権時代から)医学部の定員増を進めてきたが、地域医療や先端研究、国際医療などの分野で医師はなお不足している」と指摘。「既存の医学部は学生の受け入れ能力などが満杯に近い。新設を解禁していない現在のルールのあり方も検討する必要がある」と述べた。
 一方で「新設はいろいろ大変な面がある」とし、認める場合は既に看護や薬学など医療系の学部を持つ大学などに限る考えを示した。厚労省が進めている地域別医師数などの調査結果を見た上で、さらなる定員増も含めて医師養成の仕組みを見直す場を設置したいとした。
 政府は医師の供給過剰への懸念から1982年と97年に医学部の定員削減を閣議決定。新設も79年の琉球大を最後に認可されていない。しかし医師不足が深刻になったために増員に転換。2010年度は総定員数を過去最多の8846人に増やしていた。

 国家議員の定数を半減させようと主張している政治家や国会議員がいる。
 国会で議論して、両院の過半数の議員が賛成した結果であれば、議員定数を半減させることも構わないとは思うが、議員定数を半減した結果、1票の権利に2倍以上の格差が生じることは、憲法第14条第1項の保障する法の下の平等に反するので、受け入れがたいことである。

 平成21年9月現在、有権者数の最も少ない鳥取選挙区(487,862人、日本国外にいる在外選挙人を除く)には参議院1議席が割り振られているのに対して、最も有権者の多い東京選挙区(10,628,472人)には、わずか5議席しか割り振られていない。

 議員一人当たりの有権者数は、鳥取県487,862人に対して、東京都2,125,694人と、実に4.4倍に達している。
 つまり、東京都民の権利は、鳥取県民の4分の1以下と言うことであり、都民の声は、国政には、鳥取県民の4分の1しか届かないと言うことである。

 国内に在住している総有権者数は104,179,450人、参議院の選挙区定数は73であるから、単純に計算すれば、議員一人当たりの有権者数は平均1,427,116人となる。法の下の平等という原則に則れば、東京選挙区の議員定数は、本来、7となるべきである。それでも、議員一人当たりの有権者数は1,518,353人となり、鳥取県との格差は3倍を超える。

 ちなみに、過疎地や僻地の多い北海道(4,613,559人)でも、議員一人当たりの有権者数は、2,306,780人であり、決して優遇されてはいない。

 こうした違法・違憲状態を放置したままで、単純に議員定数を半減させて、東京選挙区の議員数を2人とか、3人とかに減らしたりしたら、1票の格差は、ますます拡大してしまう。

 国会議員の定数を半減させるのであれば、選挙制度を全面的に見直して、全国1区の比例代表制にするとか、1票の格差が生じないような具体的な方策を同時に提案すべきである。

 とは言え、仮に選挙区制度を廃して、完全比例代表制を導入したら、最大政党でも、3分の1程度の議席しか確保できず、不安定な連立政権となる可能性も少なくない。
 また、議員定数を半減させつつ、1票の格差を拡大させないために、鳥取選挙区の議員定数を0.5にして、2回に1回しか議員を選出しない、というようなこともできないであろう。

 その他、選挙区を拡大して、鳥取県を岡山県(1,580,878人)と一緒の選挙区にすると言うことも考えられるが、複数県を一つの選挙区にすることには、道州制に拒否反応を示している知事らの反発も強いだろう。
 ちなみに、岡山選挙区は、全国に29ある、参議院一人区の中で、議員一人当たりの有権者数が1,580,878人で最も多く、隣の鳥取県との格差は3倍を超えている。

 「手ごろで良質な医療(quality, affordable health care services)」というのは、米国オバマ政権が国民皆保険制度を導入することによって、すべての米国民に提供しようとしている「医療サービス」である。
 ロイター通信の調査は、こうしたオバマ大統領の政策に対する評価でもある。

 この調査結果について、日本医師会などは強く反発しているが、調査対象となった日本人約1,000人のうち、圧倒的多数が「困難(幾分難しい、非常に難しい)」と答えた事実は素直に認めるべきであろう。
 その上で、この調査結果の持つ意味を吟味・解釈すべきではないかと思う。

 そもそも「手ごろで良質な医療(quality, affordable health care)」とは、何であろうか。
 この調査の対象となっているのは、質問の前文に「想定してください」と、わざわざ書いてあることからも分かるように、健康な人たちであって、現に病気になっている人達ではない。
 日本医師会は、日本の『患者』の満足度は高いと反論しているが、少々ピント外れの反論である。
 ロイター通信の調査は、毎年数十万円もの保険料を負担しつつも、実際には医療サービスを受ける機会のない健康な人々が日本の医療制度をどのように捉えているか、と考えた方が適切である。

 そうすると、この調査に回答した人たちにとって、「手ごろで良質な医療(quality, affordable health care)」とは、自分たちが実際に受けた医療の内容を評価したものではなく、まだ体験していない理想の医療を得られるかどうかを評価したものと考えた方が良い。
 結局、日本人の満足度の低さは、多額の負担を強いられながら、将来、病気になった時に、本当に理想の医療が得られるかどうか分からないという、健康な人達の不安感の反映ではないかと思われる。
 世界でも希な国民皆保険が実際に機能し、医療機関へのフリーアクセスも幅広く認められている日本においては、医療制度に対する「患者(受益者)」の満足度は高くても、「健康な人(負担者)」の安心感・満足度は低いということであろう。

 実際、現時点では健康な僕自身がこの質問に回答するとしたら、やはり「困難(幾分難しい)」と答えそうである。現に受けてもいない医療サービスについて、「手ごろで良質」であるか否かを判断することは難しい。悲観的で慎重な性格の『日本人』としては、ごく控えめに「手ごろで良質な医療(quality, affordable health care)」を得るのは難しいのではないかと回答したくなる。

 もしも、これが現に「手ごろで良質な医療(quality, affordable health care)」を受けた日本人たちを対象とした調査であれば、結果は大きく異なったと思う。
 例えば、心筋梗塞による心停止から蘇生して元気になった人や、肺がんの手術に成功して完治した人であれば、この質問に対して、「容易(非常に簡単、幾分たやすい)」と答えるだろう。
 医療制度の不備な国では、こうした人たちは、質問に回答することもなく死亡しているのだが、幸いなことに、日本には、こうした幸せな人達が沢山生きている。


「ロイター通信の質問」
Q:Imagine that a member of your family became very ill. How difficult would it be for them to get quality, affordable health care services?
 Very easy, somewhat easy, somewhat difficult or very difficult?

問:あなたの家族が重篤な病気になったと想定してください。その場合、手ごろで良質な医療を受けることはどれくらい難しいと思われますか。
 非常に簡単、幾分たやすい、幾分難しい、非常に難しい。

「日本の医療の満足度」に関するロイター通信の報道について
【2010年5月26日 社団法人日本医師会】
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20100526_2.pdf

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日本、医療の満足度15% 22カ国で最低レベル
【2010/04/15 共同通信】

 日米中など先進、新興22カ国を対象にした医療制度に関する満足度調査で、手ごろで良質な医療を受けられると答えた日本人は15%にとどまり、22カ国中最低レベルであることが15日分かった。ロイター通信が報じた。
 ロイターは、日本は国民皆保険制度があり、長寿社会を誇っているとしつつも「高齢者の医療保険の財源確保で苦労している」と指摘した。
 自国の医療制度に満足している人の割合が高いのはスウェーデン(75%)とカナダ(約70%)で、英国では55%が「満足」と回答。韓国、ロシアなどの満足の割合は30%以下だった。
 国民皆保険制度が未導入で、オバマ大統領による医療保険制度改革の議論で国論が二分した米国は、回答者の51%が手ごろな医療を受けられると回答した。