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臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 今回の改正の意図、すなわち、医師の診療科偏在・地域偏在の是正対策に資するよう、各関係学術団体が認定する医師の専門性に関する資格について、その実態を国(厚生労働省)・都道府県が把握する必要があると言うことは理解できますが、そのために「取得している広告可能な専門性に関する資格」を届出ることを医師法施行規則の改正により、医師に義務付けることについては賛同できかねます。

 このような改正を省令レベルで行うのは、法による支配の原則、特に、デュー・プロセス・オブ・ロー(due process of law)の原則を逸脱するのではないかと危惧します。

 医師法第6条第3項が厚生労働省令に委任しているのは、前後の条文から考えて、法律に明記している事項、すなわち「氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)」に直接関連する事項の他は、医籍への登録または抹消に関係する事項に限られると解釈すべきです。

 特に、第6条第3項の違反(厚生労働省令で定める事項を届け出なかった場合)については、50万円以下の罰金という刑事罰(医師法第33条の2)が課せられますから、罪刑法定主義の原則から言っても、厚生労働省令、すなわち、厚生労働大臣に委任されている権限は限定的に解釈すべきです。

 「取得している広告可能な専門性に関する資格」を医師に届け出させるのであれば、省令改正ではなく、法改正により行うべきでしょう。


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【参考】
医師法(昭和二十三年七月三十日 法律第二百一号)
第六条 免許は、医師国家試験に合格した者の申請により、医籍に登録することによつて行う。
2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、医師免許証を交付する。
3 医師は、厚生労働省令で定める二年ごとの年の十二月三十一日現在における氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年一月十五日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。
第三十三条の二  次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第六条第三項、第十八条、第二十条から第二十二条まで又は第二十四条の規定に違反した者

【参考】
「医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名等について」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/03/tp0308-1.html
「医師法施行規則の一部を改正する省令案について」への意見募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495100141&Mode=0

平成22年7月8日
厚生労働省医政局医事課

 今般、「医師法施行規則の一部を改正する省令案」を取りまとめました。
 つきましては、広く意見を募集しますので、ご意見のある場合には、下記により提出して下さい。
 なお、提出していただいたご意見に対する個別の回答はいたしかねますので、その旨ご了承願います。

1 意見募集期限
 平成22年8月6日(金)必着

2 提出方法
 ご意見は理由を付して、以下に掲げるいずれかの方法で提出してください。
 なお、提出していただくご意見には必ず「医師届出票の見直しについて」と明記して提出してください。

○電子メールの場合
電子メールアドレス:ishitodokede@mhlw.go.jpあて
(ファイル形式はテキスト形式でお願いします。)

○ファクシミリの場合
ファクシミリ番号:03-3591-9072
厚生労働省医政局医事課あて

○郵送の場合
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
厚生労働省医政局医事課あて

3 ご意見の提出上の注意
 ご意見は日本語に限ります。また、個人の場合は住所・氏名・年齢・職業を、法人の方は法人名・所在地を記載してください。ご提出させていただきましたご意見については、氏名・住所・連絡先(ファクシミリ・電話番号・電子メールアドレス)を除き、公表させていただくことがありますので、あらかじめご承知おきください。

4 改正の概要

(1) 改正の経緯
○ 医師については、氏名、住所等の事項について、2年ごとに、所定の様式に従って、住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならないこととされている。本年は2年に1度の調査対象に当たる年であり、各都道府県への調査票の送付に先立ち、医師届出票の様式を改正するものである。

(2) 改正の概要
○ 医師の診療科偏在・地域偏在の是正が重要な課題となっており、その対策に資するよう、各関係学術団体が認定する専門性に関する資格について、その実態を把握する必要があるため、新たに「取得している広告可能な専門性に関する資格」を追加する。

(3) 根拠規定
医師法(昭和23年法律第201号)第6条第3項、第33条第1号

(4) 施行日
  平成22年9月1日(予定)

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【参考】
医師法(昭和二十三年七月三十日 法律第二百一号)
第六条 免許は、医師国家試験に合格した者の申請により、医籍に登録することによつて行う。
2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、医師免許証を交付する。
3 医師は、厚生労働省令で定める二年ごとの年の十二月三十一日現在における氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年一月十五日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。
第三十三条の二  次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第六条第三項、第十八条、第二十条から第二十二条まで又は第二十四条の規定に違反した者

【参考】
「医療に関する広告が可能となった医師等の専門性に関する資格名等について」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/03/tp0308-1.html
 山田正彦農林水産大臣は、口蹄疫(こうていえき)の防疫対策について、「ウイルス感染症に対する入国管理は厳しくしなければいけない」と主張し、「(口蹄疫)発生国(中国、台湾、香港、韓国など)から日本への入国者には消毒を受けさせる」などと言っているらしい。

 「発生国(中国、台湾、香港、韓国など)から日本への入国者」の多くは日本人なのだが、この発言に際して、「消毒を受けさせる」対象として念頭に置いているのは、中国人や韓国・朝鮮人などの観光客であろうか。
 口蹄疫に関する検疫の効果・有効性や中国や韓国・朝鮮と日本との関係については別の機会に譲って、ここでは「感染症に対する入国管理」、すなわち検疫の実態と一元化について、述べてみたい。

 一口に「検疫」と言っても、その内容は多岐にわたり、また、所管する官庁も、いくつかに分かれている。
 まず、大きく分けて、農林水産省と厚生労働省とがそれぞれ担当しており、さらに農林水産省の中でも、動物検疫所と植物検疫所とに分かれている。厚生労働省も、現在は、検疫所に一元化されているが、かつては人以外の検疫、主に食品の検査・検疫は、検疫所以外で行われていた。

 一応、以下のように整理されて、動物検疫所は「動物」の検疫を行い、植物検疫所は「植物」の検疫を行い、検疫所は「人」の検疫を行っているように見えるが、実際には、その境界(縄張り)は複雑である。

$雪国に暮らす医系技官の独り言

 例えば、生きた動物の検疫についても、
 1. 偶蹄類の動物(牛、豚、羊など)及び馬
 2. 鶏、うずら、きじ、だちよう、ほろほろ鳥及び七面鳥並びにあひる、がちょうその他のかも目の鳥類(かも類)
 3. 犬
 4. 兎
 5. みつばち
は、動物検疫所(農林水産省)の担当であるが、
 1. 猫、あらいぐま、きつね及びスカンク
 2. サル、ねずみ(マウス、ラット)、リス、プレーリードッグ
 3. すずめ、インコ、オウム、ふくろう、くじゃくなどの鳥類(家禽を除く)
 4. 熊(ヒグマ、白くまなど)、虎、ライオン、象、狼などの猛獣
は、検疫所(厚生労働省)の担当である。

 一応、食用となる家畜、家禽は農林水産省(動物検疫所)、その他の動物は、厚生労働省と言うことになっているが、日本では一般には食用にされていない「犬」、「兎」、「みつばち」も動物検疫所(農林水産省)の担当となっている。
 ただし、
 1. 農作物や樹木などの植物を害する昆虫
については、植物検疫所(農林水産省)の担当である。

 一方、植物の検疫については、
 1. 穀物のわら(飼料用以外の加工品を除く)及び飼料用の乾草
は、動物検疫所の担当であり、
 植物検疫所が担当しているのは、
 1. 病害虫(微生物)の付着する可能性がある栽培用植物(苗、苗木、穂木、球根、種子など)
 2. 食用の野菜や果物
 3. 観賞用の切り花
 4. 木材
 5. 他乾燥した植物
などである。
 ただし、
 1. 食用の野菜や果物
の人への安全性の検査(残留農薬、天然毒など)については、検疫所(厚生労働省)が担当している。

 植物の場合は、動物の場合とは逆に、食品は厚生労働省、食品以外は農林水産省という分け方になっている。

 さらに、食品の検査・検疫についても、その多くは検疫所(厚生労働省)が担当しているが、
 1. 動物検疫所が担当している動物に由来する肉、卵などの食品(ハムなどの加工食品を含む)
は、動物検疫所の担当であり、
 1. 食用の野菜や果物
の病害虫(微生物)の有無の検査は、植物検疫所の担当です。

 その他、検疫所(厚生労働省)では、
 1. 食器(皿、椀、カップ、コップなど)、容器・包装、調理器具(鍋、釜など)
 2. 玩具、おもちゃ
 3. 水産加工品(うなぎのかば焼きなど)
の検査(検疫)も担当している。

 現状では、「感染症に対する入国管理」、検疫は、管理の目的とするものや検査の対象とするものなどにより、分けられているのであるが、これらを一元化しても良いのではないかと思う。
 つまり、検疫所と動物検疫所、植物検疫所の3つを一つに統合し、一元的に「感染症に対する入国管理」を行った方が行政の効率化という観点からは、有意義ではないかと思う。

 なお、この際、法務省の入国管理局や財務省の税関も合わせて統合し、「出入国管理庁(仮称)」と言ったものを作っても良いかも知れない。


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山田農相、口蹄疫対策「入国管理厳しく」
【2010/7/27 日本経済新聞】

 山田正彦農相は27日、家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)の防疫対策について「ウイルス感染症に対する入国管理は厳しくしなければいけない」と述べた。具体的には、一定期間内に発生国の農場に出入りした人に対して入国時に検査の義務付けを検討する考えを表明。今後、国土交通省や厚生労働省と協議に入る方針だ。農林水産省内で記者団の質問に答えた。
 農相は「先進国は口蹄疫に非常にナーバス(神経質)になっているが、日本はあまりにも無防備だった。今回も(感染源は)観光客ではないかといわれている」と指摘。発生国から日本への入国者には消毒を受けさせるなどの対応を検討していく考えも明らかにした。