臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言 -13ページ目

臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 米国(The United States of America)では、軍隊に同性愛者を受け入れるか否かで、30年近くも議論が続いていたが、遂に自らが同性愛者であることを公にする人の入隊を認めることにしたと報じられている。

 現在、米国は徴兵制ではなく、志願兵制なので、本人が自発的に希望しない限り、強制的に軍隊に入れられることはない。
 士官学校に入って、将来、世界最強の軍隊を指揮する将軍や提督にでもなろうという野心でもない限り、兵士として軍隊に入るのは、生活に困窮している人とか、米国籍が欲しい移民とか、いわゆる普通ではない人に限られる。
 また、米国は、日本と違って、世界のどこかで常に戦争をし続けている国である。満期除隊時に得られる様々なメリット(米国籍の取得が容易になる、官公庁への就職や大学への入学時に優遇される、奨学金を受けられる、選挙に立候補した時に軍歴を誇示できる等々)を目当てに入隊したりすると、イラクやアフガニスタンの最前線へ送られて、命を失うという羽目にもなりかねない。
 つまり、砂漠や山岳地帯で人を殺したり、逆に殺されたりするような生活を望まず、平穏な市民生活を営みたいと願う、いわゆる普通の人は、米国でも軍への入隊など希望しないのが普通である。

 さらに、現在でも同性愛者であることを本人が認めなければ、兵舎内で現場を見付かったりでもしない限り、同性愛者でも軍務を続けることは認められている。
 つまり、本人が黙っていれば、周りも見て見ぬ振りをするので、何ら問題はないというのが現状であり、これまでの米軍の公式見解である。

 これに対して、アメリカ人は、自らの権利を次のように主張し、裁判所の判事も、大統領でさえも、これに賛同する。
(1) 同性愛者が自らを同性愛者であると公言するのは、同性愛者の権利である。そもそも、同性愛者であることは、何ら疾しいことでもないし、隠すべきことでもない。異性愛者について、自ら異性愛者であることを公言することを認めているのに、同性愛者に対して、同性愛者であることを公言することを禁じるのは差別であり、人権侵害である。
 既に軍務についている同性愛者及びこれから軍への入隊を希望する同性愛者について、自らが同性愛者であることを公言する権利を国(軍)は認めるべきである。

(2) 軍人として国に仕えるのは義務ではなく、権利である。軍務に就いて、国家・国民に奉仕することを希望する同性愛者に対して、同性愛者であることを理由に軍務に就くことを認めないのは、法の下の平等に反し、権利の侵害である。
 自らが同性愛者であることを公言する同性愛者について、彼らが軍務に就く権利を国(軍)は認めるべきである。

 日本で生まれ育ち、日本で暮らす日本人である僕は、何も好き好んで、自ら同性愛者であることを公言して、余計な波風を立てることもなかろうに、あるいは、何も好き好んで、命の危険のある軍人に、人を殺すのが仕事の軍人になることもなかろうに、と思うのだが、アメリカ人は少々考え方が違うらしい。
 アメリカ人の考え方を理解するのは難しいが、日本人とは違うということを知っておくのは重要なことである。

 日本の常識は世界の非常識と言う言葉もあるが、どちらが「常識」で、どちらが「非常識」か、という価値観の問題はさておいて、国により、民族により、何を権利と考えるか、あるいは、何を正義と考えるかは大いに違うということを認識しておくのは、良いことである。

 これは、日本とアメリカだけでなく、日本と中国との間でも同様である。姿形が似ているから、同じ漢字を使うから、同じアジア人だから、などという理由で、相手の考えや行動を自分の価値観や経験則で推し量ると、時に大きな間違いを犯すことにもなりかねない。


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米軍、同性愛者の入隊受け入れ 地裁判決で方針転換
【2010/10/20 共同通信】

 米主要メディアによると、米国防総省は19日、同性愛者であることを公言する入隊希望者を受け入れると表明した。ロサンゼルス連邦地裁の違憲判決を受けた措置で、同性愛者の軍務禁止方針は大きな転換点を迎えた。
 報道によると、同省の広報担当者は「軍の採用担当者に対し、同性愛者を公にする入隊希望者の手続きを進める指針を出した」と明らかにした。
 米政府は1993年から入隊審査で同性愛者と公言しない限り容認する「聞かない、言わない」の方針を取ってきた。オバマ政権は同性愛者を正式に受け入れる意向を表明していたが、前線などでの混乱を避けるために「時間が必要」と主張していた。
 だが、ロス地裁が12日に同性愛者を禁じる軍務規定を「違憲」として直ちに執行停止を命じ、早急な対応を余儀なくされた。

 最近、「髄膜炎のワクチン」や「髄膜炎ワクチン」に関する問い合わせが多いので、簡単に整理してみました。

(1)髄膜炎を起こす主な細菌

 ・小児:肺炎球菌、インフルエンザ菌b(Hib)、髄膜炎菌、結核菌
 ・成人:肺炎球菌、髄膜炎菌

※細菌以外にも、ウイルス(ムンプス[おたふくかぜ])や真菌(クリプトコッカス)も髄膜炎の原因となる。

※日本では、髄膜炎菌による髄膜炎は、アフリカ諸国などに比較して少ない。

※肺炎球菌とインフルエンザ菌b(Hib)は、本来、肺炎の原因となる細菌であるが、時に髄膜炎の原因ともなる。

(2)髄膜炎を起こす主な細菌に対するワクチン

髄膜炎菌ワクチン
 海外ではワクチンが実用化されているが、日本国内では一般に入手可能なワクチンはない。
 東京などには、海外からワクチンを個人輸入して、接種してくれる医療機関(日比谷クリニック、品川イーストクリニック、ふたばクリニック等)がある。
 メッカ(サウジアラビア)などへ渡航する場合には、入国に際して、髄膜炎菌ワクチンの接種証明を求められることがある。

肺炎球菌ワクチン
 国内で入手可能なワクチンがある。
 従来は、肺炎の予防を主たる目的とした成人(高齢者)用の多糖型ワクチンのみであったが、最近、髄膜炎の予防も目的とした小児(乳幼児)用の結合型ワクチンが日本国内でも販売されるようになった。
 成人用の「肺炎球菌ワクチン」(多糖型)と小児用の「肺炎球菌ワクチン」(結合型)は、同じ「肺炎球菌ワクチン」と言っても、中身は全く別の物と言って良い。
 成人用の肺炎球菌ワクチンを小児に接種しても、ほとんど効果はない。
 また、小児用の肺炎球菌ワクチンを成人に接種した場合の安全性は確認されていない。

インフルエンザ菌b(ヒブ)ワクチン
 国内で入手可能なワクチンがある。
 Hib(ヒブ)ワクチンは、成人の肺炎予防ではなく、小児の髄膜炎の予防を主な目的としている。

結核菌(BCG)ワクチン
 効果は限定的なので、米国などでは行われていないが、日本では、各自治体(保健所)がすべての新生児を対象にBCGワクチンを接種している。

※新聞などでは、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザ菌b(Hib)ワクチンのことを『髄膜炎を予防するワクチン』または単に「髄膜炎ワクチン」と報じていることがある。
 中国(チベット)とインドに挟まれた小さな王国、ブータンのことを地上の楽園であるかのごとく言う人もいるが、個人的には、ブータンは最も住みたくない国の一つである。
 ブータンでは、「国民総幸福量」という独自の指標を使って、国は貧しくとも国民は幸せであると宣伝しているが、果たして本当であろうか。
 イギリスの大学に留学できるような一部の特権階級が無知蒙昧な国民に対して、自分たちは貧しくても幸せなのだから、国王や政府に感謝し、現状に満足しなければならないと洗脳しているだけではないかと思ってしまう。

 ブータン人の中でも、ブータン国王への忠誠心が薄く、純血主義的な人種差別政策を取る政府に不満を抱いたネパール系ブータン人は、祖国ブータンを追われ、今も難民キャップで生活している。彼ら10万人を超すネパール系『ブータン人』は、誰一人として、自分たちが幸せだとは思っていない。
 そして、インターネットはもとより、テレビもラジオも持たない多くのブータン人は、難民と化しているネパール系ブータン人の存在さえ知らない。

 言論の自由や民主主義(公正な裁判や人権の保護等)が確立していない国において、政府の役人に5時間も個別に面談されたりしたら、政府の批判など、たとえ思っていたとしても口にできるものではない。
 難民として、国を追われるのが嫌ならば、幸せかと問われたら、幸せだと答えるしかないだろう。
 将来、ネパール系ブータン人が祖国ブータンへ帰国し、自分たちも幸せだと言えようになったら、その時、初めてブータンの「国民総幸福量」は本物になるのだろう。


アジア地域/ネパール(ブータン難民)
【国連UNHCR協会】
http://www.japanforunhcr.org/act/a_asia_nepal_01.html

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ブータン、独自の経済指標で国づくり
国立研究所長に聞く、「国民総幸福量」は政策評価に重要

【2010/10/18 日本経済新聞】

 中国とインドに挟まれたブータンは、国民総幸福量(GNH)と呼ぶ独自の経済指標を使って、国づくりを進めている。経済成長を優先し、リーマン・ショックで傷ついた世界各国はこの試みから何を学べるだろう。ブータン国立研究所のカルマ・ウラ所長に経済政策の現場の実情を聞いた。

 ――国民の幸福度をどうやって測るのですか。
 「2年ごとに聞き取り調査をする。人口67万人のブータンで、約8千人のデータを集める。合計72項目の指標があり、1人当たりの面談に5時間かかる。これを数値化して、歴年変化や地域ごとの特徴、年齢層による違いなどを把握する」
 「世界で主流の国内総生産(GDP)が個人消費や設備投資などで構成されているように、GNHには(1)心理的幸福(2)健康(3)教育(4)文化(5)環境(6)コミュニティー(7)よい統治(8)生活水準(9)自分の時間の使い方――の9分野の構成要素がある」
 ――GDPで計測できない項目の代表例は。
 「例えば心理的幸福を測る場合、正・負の特定の感情を心に抱いた頻度を聞く。正の感情は(1)寛容(2)満足(3)慈愛。負の感情は(4)怒り(5)不満(6)嫉妬(しっと)で、地域別にみれば国民の感情を示す地図ができる。どの地域のどんな立場の人が怒っているか、慈愛に満ちているか、一目で分かる」
 ――なぜ指標が必要なのですか。
 「政府が具体的な政策を実施し、その成果を客観的に評価するために基準が要る。個別政策の審査と開発計画の選定について、GNHに基づく手順を公式に定めた。1990年代からの国際化や民主化に伴い、ブータンでは当たり前だった価値観を改めてシステム化する必要があった」
 ――世界に普遍性はありますか。
 「経済成長率が高い国や、医療が高度な国、所得や消費が多い国の人々は、本当に健康で幸せだろうか。先進国でうつ病に悩む人が多いのはなぜか。地球環境を破壊しながら成長を遂げて、豊かな社会が訪れるのか」
 「他者とのつながり、自由な時間、自然との触れあいは、人間が安心して豊かな気持ちで生きる上で、欠かせない要素だ。米欧の地方自治体では、GNHの考え方に基づく政策が浸透しつつある。金融危機で関心が一段と高まっている」
 ――とはいえ市場と競争が活力の源泉では。
 「一人ひとりが自分の心に自問してみれば、答えは違うはずだ。世界各国の政治指導者が、国民の幸福度について真剣に語り始めている。GDPの巨大な幻想に、気づく時がきている」