臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言 -12ページ目

臨遥亭の跡で働く医系技官の独り言

心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書き連ねています。

 尖閣諸島沖中国漁船衝突映像流出事件に関連して、11月10日に総理から各府省事務次官等に対し、公務員の規範と電子情報時代における情報管理の2点について直接指示があったところであります。各検疫所長におかれましては、この総理指示を踏まえ、再発防止のため、適切な対応をお願い致します。

 第一に、今般の事件が法令を遵守すべき国家公務員による情報流出であったことにかんがみ、国家公務員の規範の遵守が求められています。改めて所属全職員に対して公務員の規範に障る行いがないよう周知・徹底をお願い致します。

 第二に、紙媒体、電話による情報の流れに比べ大勢の人に伝えることが容易な電子情報は、流出した場合の影響が大きいため、電子情報の時代に適応した管理が求められています。今後、政府、厚生労働省においてこのような時代に適応した管理の在り方を検討し、方針を示していく予定であるが、当面は、現行の情報管理のルール等に照らし、管理体制のチェックと適切な情報管理を徹底していただきますようお願い致します。

平成22年11月11日

食品安全部長
梅田 勝

各 検疫所長 殿
 尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件のビデオ映像がインターネット上に流出した問題で、海上保安庁は、国家公務員法違反と不正アクセス禁止法違反などの容疑で、東京地検と警視庁に告発したという。
 これを受けて、最高検察庁、福岡高等検察庁は、捜査に着手するという。

 ところで、そもそも「尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件のビデオ映像」なるものは、「秘密」なのであろうか。
 国家公務員法第百条(秘密を守る義務)は、職員(国家公務員)に対して、「職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない」と定めているが、ここでいう「秘密」とは何であろうか。
 政府や与党に都合の悪い事実を「秘密」と定義するのであれば、政府・与党の不正行為を内部告発する者は、すべて犯罪者とされてしまう。

 また、内部告発者の保護を規定した公益通報保護法に準じて定められているガイドラインなどによると、「公益通報の通報対象事実となる法令違反行為は、犯罪行為などの反社会性が明白な行為であり、秘密として保護するに値しないと考えられるため、(公務員が)公益通報をしても守秘義務に反しない」とされている。

 つまり、公務員が職務上知ることのできた事実のすべてが「秘密」となるのではなく、公務員が職務上知ることのできた事実のうち、「秘密として保護するに値する事実」のみが守秘義務の課せられる「秘密」となり得るのである。

 そう考えると、今回の「尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件のビデオ映像」は、本来、速やかに公開すべきものであり、非公開とした政府の判断自体に問題があったのではなかろうか。

 本来、秘密とすべきではないものを「秘密」としたことが国民の知る権利を侵害する反社会性が明白な行為であるとするならば、このビデオ映像は秘密ではなく、公開したことを犯罪行為(国家公務員法違反)として問うことは間違いという議論も十分に成り立つと思われる。

 いずれにしても、将来、被疑者が起訴され、裁判が行われることになった際には、是非、裁判員制度の下で審理をしていただき、国民の大多数が公開すべきと考えていたビデオ映像を公開したことが守秘義務違反になるのか否か、裁判員の判断を聞いてみたいものである。


「国家公務員法」
(昭和二十二年十月二十一日 法律第百二十号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO120.html
(秘密を守る義務)
第百条 職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。

「Q4 公益通報は、公務員法に定める守秘義務に反しませんか。」
【公益通報者保護制度ウェブサイト 消費者庁】
http://www.caa.go.jp/seikatsu/koueki/gyosei/faq-naibu.html#q4

「海上保安庁職員等からの通報」
【海上保安庁】
http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouekitsuho/index.html

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尖閣映像流出、検察が捜査開始 海保は刑事告発
【2010/11/8 日経新聞】

 尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件のビデオ映像がインターネット上に流出した問題で最高検は8日午前、福岡高検に国家公務員法(守秘義務)違反容疑での捜査着手を指示したことを明らかにした。海上保安庁は同日、容疑者不詳のまま、同法違反と不正アクセス禁止法違反などの容疑で東京地検と警視庁に告発。福岡高検などは、何者かが意図的にデータを流出させた疑いが強いとみて、捜査を開始した。
 海上保安庁の鈴木久泰長官は8日の告発後の記者会見で「内部調査では限界がある」と述べた。
 最高検の勝丸充啓・公安部長は会見で、捜査開始と併せ、検察内部から映像が外部に流出した形跡はないとする調査結果を公表した。
 流出したのは、石垣海上保安部(沖縄県石垣市)の職員が編集した映像だったことがすでに判明。同保安部内では一時、複数の職員が映像にアクセスできる状況だったという。
 映像は那覇地検が9月10日に同保安部から提出を受け、検察庁内のLAN(構内情報通信網)を通じて福岡高検、最高検に送信。画像流出後、コンピューターの記録を解析したり、捜査担当者から聞き取りをしたりして検証を進めてきた。その結果、不正に持ち出したり、外部から侵入があったりした形跡は確認できないと結論づけた。
 一方、捜査チームは福岡高検公安部長を主任検事とし、東京高検管内の検事や事務官も参加。海保の担当者から任意の事情聴取などを本格化する。警視庁では捜査1課が初動捜査に当たる方針。
 検察当局は映像が流された動画投稿サイト「ユーチューブ」を運営する米グーグルに投稿者に関する資料などの提出を求めたとみられる。福岡高検は今後、グーグルが提出に応じない場合、裁判所に令状を請求し、差し押さえの手続きを進める方針。グーグル日本法人広報部は「令状が出されれば、令状の範囲で協力はできる」としている。
 勝丸公安部長は「証拠の散逸を防ぎ、真相解明するには早期に捜査に着手する必要がある」と語った。