鎌を持てない死神の話12
「ねぇ・・・。手ぇ、にぎって・・・。」
「あ・・・・?あぁ。」
俺は手を握った。リンの手は・・・。冷たい。
「・・・・死神でも、手はあったかいのね・・・・。ふふ。」
俺は目が突然熱くなり、視界が悪くなった。
それに反して、頬は冷たい。なんだ?これ。
「あら・・・、死神でも、なくのね・・・?」
ナク?
「私ねぇ・・・・。おかあさんもおとおさんも、ダイスキだよ。」
・・・。
「でもね、おかあさん・・・も、おとうさんも、私がいると・・・だめなんだ。」
「さいきん・・・うちにお金がないのも・・・・しってた。」
なんで・・・。
「なんでお前は、そんなに人に気ぃつかうんだよ・・・・。
もっと・・・・もっと人に甘えろよ・・・!!」
俺は衝動的にリンを抱きしめた。
「甘えてもいぃんだよっ・・・!もっと甘えろよ・・・!!」
「・・・・リン!!」
突如、後ろから声がした。
その声の主は、リンの親父だった。
そのうしろにリンのお袋もいる。
俺はリンから離れた。
「ごめん・・・・ごめんな・・・・!!」
「どうして・・・?りんは・・・・イラナイ子なんでしょう?なら・・・」
「イラナイ子なんかじゃないわ・・・!私達はアナタを愛してる!」
リンは親父に抱きしめられて、微笑んで眠った。
鎌を持てない死神の話11
俺はやっとリンの居場所に辿り着いた。
俺がそこで目にしたのは──・・・・・。
[リンッ!!!]
倒れてぐったりしているリンの姿だった。
俺にはわかる──・・・。
リンの命はもうほんの少しだ。
──殺せ──
・・・・は?
──殺せ殺せ殺せ──
な・・・なんなんだ!?
──殺すんだ──
あ・・・・・
殺すんだ──・・・!!
「・・・死神・・・・?」
俺はハッとした。俺はいったい何を──・・・・。
「リン・・・・?リン!!大丈夫か!?すぐにお前の家に・・・・。」
「・・・ふふ。大丈夫よ。」
リンは微笑んだ。
それも、ムリヤリに。
「どこがだよ!!お前の今の状況、見てみろよ!!早く家に・・・」
そこまでいって俺は気付いた。
リンはうずくまって、
「いや・・・。いやよ。家なんか、もどりたくない。」
「帰っても、お父さんとお母さんにメーワクかけるだけ・・・。」
そんな・・・・。
鎌を持てない死神の話10
「それなのにお前らはッ・・・・・・・・・!!」
「なんなんだよ!!なんでだよ!?なんでリンを見捨てるんだよ!?」
なんだろう。目の辺りがあつい。
俺の頬になにか熱くて冷たいものがながれていく。
「なんで・・・・・・・・!!なんで!!!!」
俺は膝の力がぬけ、
「お願いだよ・・・。見捨てないでやってくれよぉっ・・・!!」
「リンを・・・・見捨てないで・・・・・・。」
「やって・・・・・くれよ・・・・・!!」
数分たってようやくおちついた。
・・・・こんなことをしてる場合では・・・・。ない。
「リン・・・・・!」
リンの行きそうな場所・・・・?
どこだ・・・・?
俺はリンのことをなにもしらない・・・・?
リンの好きなこと、好きな曲、好きな場所──・・・・。
なにもしらない・・・・。
ふと、首元の何かが光った。
「・・・・・?」
それは、リンにもらった天使のネックレスだった。
「あ・・・・。」
ふと、俺の足が進む。
なんとなく分かったような気がする。
リンの居場所。
これも、死神の力?
普通じゃこんな能力ありえない。
「────ッ!!!」
なんとなく・・・・なんとなくわかったようなキガスル。
わかりたくもなかった。
俺がリンの場所が分かるワケ。
その理由は・・・・
───・・・リンの死期が近づいてきているからだ。
だめだ。気付きたくなかった。
だけど、いつかはくる運命。
これが・・・・・・これが・・・・・。
死神の本能───・・・・・・・・?
俺は・・・・・本当に・・・・・・死神・・・・・。
