大学生の頃。
麻雀を覚えた。
先輩との交流の中で半ば強制的に。
部活休みの前日は、
同級生のアパートに先輩と後輩が集まり、
徹夜で闘いを繰り広げる。
最初は牌(ハイ)を触っても、
何の絵柄なのか全くわからなかった。
眠い目を擦りながら、
必死に振らないようにもがいていた。
それが1年ぐらい続いた。
その日も同じように闘いを繰り返し、
ほとんどの人が疲れ眠ってしまった夜明け。
自分は卓に付き、死闘を演じていた。
そして部屋に日が差し込み始めたその時、
突然、自分が何の牌(ハイ)を引いたのか、
絵を見なくても、手で触っただけでわかるようになったのだ。
何かを長いこと続けていると、
ふとある瞬間、堰を切ったように
急にできるようになることがある。
ストレッチにも、
同じことが起こるのだ。
■伸びの向こう側
「スタティック・ストレッチ」は基本、
1つのストレッチにつき、
30秒かけるのが理想とされている。
それには理由がある。
「スタティック・ストレッチ」を行うとき、
筋肉は伸びないように抵抗する。
それが10~20秒間続くと、
脳から筋肉に指令が出る。
「このままだと切れてしまうから、抵抗しないで伸びなさい。」
指令が出た途端、筋肉は抵抗をやめ、
伸びに転じる。
そして、別次元の伸びを体感し、
「ストレッチの向こう側」を見ることになる。
■ストレスフリーの身体
向こう側を見たいがために、
ストレッチを30秒間やってみた。
確かにやり始めより、一定時間過ぎると
もう一段階伸びる感覚を味わうことができた。
伸びることで筋肉は柔らかくなる。
筋肉だけでなく、それに付随する軟部組織や血管も同様。
血流がよくなれば、
エネルギーの供給が早くなり、
老廃物の排出もスムーズに行われるのでは?
ということは疲れにくく、
疲れを溜めにくい身体に変貌するのではないだろうか。
自分の身体は進化の過程にいるのかもしれない。