クヌギの葉っぱが緑に輝く真夏に、

安曇野市天蚕センターを訪ねた。


係の方が、

「ちょうど良い時季にいらっしゃいましたね。」

「今、大きくなった幼虫がクヌギの葉っぱを食べているところですよ。」

と案内してくれた。


幼虫って、芋虫🐛のことでしょっ!

芋虫、青虫、 毛虫・・・

皆んな好きじゃない!

生理的に嫌いなんだ!

不安げにクヌギの葉っぱを覗きこむ。


それが、何と、何と、

綺麗だ!、美しい黄緑色!

クヌギの葉っぱの色と同化して、透き通るような透明感のある黄緑色の幼虫!

これなら鑑賞に耐えられる。


幼虫に対する偏見の固定概念が打ち破られた瞬間

でもありました!


こんな透明感のある幼虫が作る繭なら、さぞかし美しい繭になるだろうと思った。


係の方が、「こちらが今年できた繭ですよ」と案内してくれた。
この中に蛹(さなぎ)がいるんですか?
係の方がニッコリうなずきました~笑


「こちらの方は、蛹(さなぎ)から羽化して成虫(蛾)が出てこないように、処理してあります 」と。


~黄緑色をした天蚕の繭~
これが見たかったのだ。

何故、 黄緑色かって?
ヤママユガが幼虫から蛹(さなぎ)になるには、繭というシェルターを作り、クヌギの葉と同じ黄緑色の保護色にして、風雨や天敵から守る必要があるからだと思う。

この繭から紡いだ糸があるというので、
 「是非、是非!」とお願いして見せて貰った。


繭を茹でて柔らかくして、糸口を見つけ、7~8個繭を1本の糸にしたものだそうです。 

これが、天蚕の繭から紡いだ糸!
天蚕糸(てんさんし)だ!

こんな美しい天蚕糸を見ると、その織物が見たくなった。




安曇野にある「あづみの織工房MAKI」さんに、
アポ連絡し、織物見学させて頂くことに。 


余談です。
車の中で、天蚕センターで観せて貰ったビデオの話になった。
幼虫は数回脱皮を繰り返し、繭を作る。繭の中で幼虫から蛹(さなぎ)になり、やがて羽化して大きな蛾となって夜空に飛び立つ。
真っ暗な夜、オスはメスの放つフェロモンだけをたよりにメスを探しあてる。メスは交尾後産卵する。
何と、一週間ほどの命である。
口が退化していて、食べることも、水を飲むことも出来ない。
只、命を繋ぐためだけに生まれてくる。
 
「天蚕って何のために生まれてきたの?」
「花の蜜を吸うとか、オスメス2頭でランデブーするとか、何か楽しみがあっても良いじゃない」
「悲しい人生だね!」と。

ーー 続く ーー

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