☀ このブログでは、本来あまり芸能ネタのようなものは取り上げません。
心理の世界に関わりが薄いというのが大きな理由ですが、もうひとつ「できるだけ他者を否定することは書かない。書くならば心理療法に関するような意味が必要」と考えているからです。
しかし、今回のジャズトランペット奏者のH氏の行動にはいくつか心理的に見過ごすことのできない点がありましたので、書かせていただこうと思います。
正直、H氏について批判的、否定的な文章になります。
ファンの方はすくなくとも音楽やジャズについては聞くのが好きなだけの素人の戯言とお受け取り下さい。
ただ、心理学的側面についてはいたって真面目で真摯なものです。
ご批判やご指摘は受け取りはしますが、理論的に正しいかどうかで判断しますし、基本的に論争を仕掛けるのが目的ではありませんので、ご了承ください。
目的はあくまで「子供に教育的に関わる」ということへの個人的意見です。
また心理カウンセラーは医者でなく、またこの子に直接コンタクトもとっていないので診断はできませんし、あくまでただの推測にすぎないこともお断りしておきます。通常ならば、ブログでは誤解も招きやすくクライアントのためでもないので、できるだけ推測も避けるのですが、将来にわたって無知や誤解、間違ったアプローチから被害にあう子供がでないようにとの思いから記述させていただきます。
まず今回の中学生男子へコンサート壇上での怒鳴るなどの威嚇行為や当たったかどうかはさておき暴力行為について、道徳的、また教育基本法で禁止されている(つまり違法行為である)体罰はダメだ、ということに加えて、じつはきわめて心理学的にも問題があります。
それは、それらの威嚇行為や暴力は子供の心に怒りや憎しみ、屈辱感や歪んだ自己否定感などを植え付けるからです。
この一般的なすべての子供に当てはまることに加え、見過ごせない点がもうひとつあります。
それはこの男子中学生が発達障害やその傾向がある(グレーゾーンの)お子さんの可能性があるからです。
これはテレビ番組で東国原英夫さんも指摘されていました。
お笑い芸人、タレント業に加え、政治家経験がありこういった心理学的な教育問題にも造詣がふかいのでしょう。
発達障害やグレーゾーンのお子さんと接したことのある方ならばピ-ンときた情報があったのではないでしょうか。
1、あのコンサートホールの多くの演奏者や観客のいる会場で自分のパートとはいえ突然、ドラムを自分勝手に演奏しだし、それだけでなくスティックをH氏に取り上げられても手で叩こうとし続けるなどの行為は豪胆ともいえますが、普通の中学生ならまずできません。
反抗を示すためとしても、通常は「(参加を)やめる」という行動をとるのが多いでしょう。それはそのほうが自分へのリスクが少なく、周囲への影響も少ないからです。
「反抗」にしても、抑圧から逃れるように一気に爆発的に行動するというのはどこかADHDの「衝動性」を想起させます。
2、情報では、「その個性的な性格から他の子とも衝突が多い」ということも挙げられていました。取材で被害にあったお子さんの性格などは「どういう子か」という観点でなされるでしょう。しかし、このような取材で真っ先に挙げられるということは、取材・情報に間違いがなければ、かなりその子の性格的特徴を示している行動が指摘されているともいえます。
よくあるのは「明るい子」「優しい子」「活発な子」「おとなしい子」などが多いように感じます。
しかし、「他の子と衝突が多い」というのは特徴的に感じます。
そして、この部分も発達障害、とくにADHD、グレーゾーンのお子さんに多い特徴でもあります。
今回の行動も、通常の範囲を超えて「自分をコントロールできなくなって突発的行動をとり、周囲(今回は主にH氏)と衝突している」ように思います。
もしもこの子が発達障害やそのグレーゾーンのお子さんであった場合、H氏のとった行動は最悪です。
この種のお子さんにこのようなアプローチをすると、行動改善をしないどころか、むしろ暴力的行動を助長させてしまう危険があるのです。
目の前で、「威嚇や暴力で問題を解決していい」というメッセージを与えることになるのですから。
しかも、情報では練習の段階からH氏は暴力行為などの体罰があったとのことです。
もしもこれが真実ならば、じつはこの行為こそがこの子が大事な場面で突発的行動をとった(とらせた)原因かもしれないのです。
もしもこの子が発達障害やそのグレーゾーンのお子さんならば、威嚇や暴力などで自分の行動を数ヶ月にわたり無理に抑え込まれて、その限界がきたのであのような衝動的行為に走った可能性があります。
では、どうすべきだったのか?
基本はあくまでその子に合ったアプローチを考えなくてはならないのですが、この子の突発行動からの推測では、練習中は周囲に行動を合わせなくてはならないのならば練習前の数十分、自由にドラムを叩かせて満足させる、その上で周囲に合わせる重要性を例えばそれぞれの楽器パートが自由に演奏した場合と合わせた場合を録音して聞かせて本人に周囲に合わせることへの重要性の認識と納得をさせるなどの対応ができるでしょう。
発達障害やそのグレーゾーンのお子さんは、個人差はもちろんありますが、じつは信頼関係が構築出来て、その人の言うことならば本人が納得すると他の人よりも極めて忠実にその約束は守ります。
融通の利かない性格が、良い方向性で発揮されるのです。
そう考えると、H氏はこの子と信頼関係を構築することはできなかったようです。
それだけでなく大事な場面で、突発的行動を誘発させてしまうような間違ったアプローチ(威嚇や暴力、納得のない抑圧)をH氏自身がこの子へしていた可能性があるのです。
じつは大事なコンサート場面でのこの子の突発的行動は、H氏が数ヶ月かけて醸成し、誘発した可能性があるのです。
これらは「無知」や「共感能力の低さ」から教育者、指導者として失格ということになると思います。
厳しい意見かもしれませんが。
ここまでは心理学的側面からの問題への指摘です。
しかし、もう一方で、H氏に関しては「ジャズ音楽家として」どうなんだ?という思いも正直、抱いてしまいました。
※ここからはただの音楽素人の戯言です。
というのは、僕の狭い認識ではジャズというのは即興性をいかした音楽だと思っていたからです。
その世界の天才トランペット奏者ならば、それこそこの男子中学生が暴走した時に、周囲の子へそれとなく指示してセッションさせる、あるいは自分が演奏しだす、それがあたかも演出であるかのように観客に感じさせたのならば、誰もが「ああ、やはり天才というものは違うものだ」と感じたと思うのです。
このような本当の突発事、それも負の出来事さえ即興でプラスに転換させてしまう。
それができる者が、しかも、その即興性を本気で楽しんでいる者が、本物の天才でしょう!
この子への説教は、楽屋へ帰り、威嚇も暴力も使わずに行えばよいのです。そのほうが効果的でしょうし。
みんながそれぞれハッピーエンド。もちろんあくまで理想の世界のお話で、現実は違ったわけですが。
もちろんH氏の才能を否定するものではありません。輝かしい経歴をお持ちですから。
才能がおありなのは、重々承知しています。
しかし、少なくともこの時はもしかしたらH氏は自分がジャズ音楽家であることを忘れてしまっていたんではないだろうか、と感じてしまったのです。
正直、あの映像にうつるH氏の行動は音楽家、それもジャズ音楽家のそれというよりは、「ただの昭和の体罰ダメ教師」のようにしか感じられませんでした。
自分は何者なのか
常在戦場とよく政治家はいいますが、常に自分は何者なのかは自分自身、問いかけなくてはと今回の問題を考えて、自省しました。
今回は、いささか個人への非難が含まれてしまいました。
H氏についてまったく個人的関りもなく、恨みもなにもありません。
個人攻撃や非難の意図ではなく、あくまで心理学的側面、および自分の心の在り方を振り返ってのお話です。なのでイニシャルにいたしました。
お読みくださった方は、ご了承くださればと思います。