「気づき」は心理カウンセリングの流れの中でクライアントの方の改善に大きく寄与します。
クライアント、カウンセラー双方においてこの「気づき」は大事なものです。
そのクライアント側の「気づき」でも極めて重要なものが「自分に問題があるのではないか?」とか「自分はおかしいのではないか?」といった自責的な気づきです。
心理カウンセリングに来ているのだから当たり前だろうと思う人もいるかもしれませんが、意外とそうではないケースも多いものです。
ぼんやりと「問題がある」と感じていても「ここが問題」と自覚がないと人は意外と「なかったことにしがち」で、他責へ向かいます。
もちろんまったく自覚がないケースもあります。
でも、最初はそれでもよいのです。
そもそも心理カウンセリングはクライアントの方の心を(良い方向へ)変えていくためのものだからです。
ポイントごとに「気づき」があればまったく問題がありません。
問題なのは「気づき」がないケースです。
「自分には100%問題がない」という固定観念から1mmも動かない人もいるのが現実です。
割合的にはそう多いわけではないと感じますが、残念ながら一定数はいます。
そういう場合は、少し遠回りをする必要があります。
自己防衛的な精神状態が強い場合(傷ついた人はすべからくその状態ですが)は、安心感を強める方向を強化し、すぐに問題の本質へ向かわない、とくに未成年者、子供の場合は通常よりも信頼感をさらに強化するなど。
端からみれば(あるいはクライアントの方も)雑談のようなものばかりで無意味に感じるかもしれませんが、自分の手法の場合はすべてに意味や目的があります。
とくにひきこもりや子供の場合、趣味に関することが極めて重要なことがあります。
興味関心をより強く示して話を聴く。
「自分のことを知ろうとしている」
それ自体が信頼感の強化につながります。
もちろんこの姿勢は普段からすべてのクライアントの方に向けているわけですが、より自覚的に強化するのです。
つまりこの段階でカウンセラー側にも「この方のカウンセリングの方向性はいったんこちら側に修正しよう」という「気づき」があるわけです。
ただ先述した「100%自分には問題がない」というタイプの人はもともと他責思考なのでこういったアプローチを「無駄」と他責的に判断してカウンセリングからフェードアウトしていくことも多いでしょう。
なので多い人は20か所近く(以上?)医療機関やカウンセリング機関などを変えて転々としていく人もいます。
こういう場合、思考部分にアプローチしてとすぐに考えつく方も多いでしょう。
認知行動療法などでと提案しても、じつはすでにネットや他の場所で経験済みで最初から拒否なんてこともあります。
治療期間が長いと当然そうなるともいえますが。
早く「気づき」につながるとっかかりのようなものが見つかるとよいのですが、人の心は意外と広大ですし、心理防衛的、意図的ないしは無意識的に隠している部分もあるのでどうしても時間がかかるのも事実です。そこに疾患的要素も絡んでくるので、大変です。
そういう場合、良い結果につながるのはやはり「信頼度」だと感じます。
カウンセリング過程(とくに難しいケース)を振り返ってみたときに成功したケースの多くはことごとくクライアントの方の信頼度が(最終的に)高いケースばかりなのです。
そして、それはクライアントの方、カウンセラー側双方の「気づき」の多さ、強さの積み重ねでもあるように感じています。