岩間沈下橋が見えた。

なんてきれいなんだろう。

どの沈下橋もきれいだし、川沿いの景観もきれいなので、自転車を何度も止めてパシャパシャやりながらようやくここまで来たのだが、やっぱりここは最高にきれいだ。パシャパシャ。



最初に岩間沈下橋が見えてから数mおきにパシャパシャ繰り返すので、なかなか進まない(笑)。

そしてこの辺りがベストビュースポット。

三脚を立てて撮影している人をよく見かけるし、カレンダーやポスターや観光案内パンフにもこのアングルの写真がよく使われる。

あれ?もうちょっと右に進んだ所かな?
もうちょっとズームした方がいいのかな?

ボクは下手っぴだから、写真の感じがだいぶ違うかも(笑)。

近くにある売店から見た岩間沈下橋。

売店で郷土のおやつ的な物を買おうと思っていたのだが、閉まっていた。金土日のみの営業と書いてある。

つい最近どこかで見た営業日だな?

あぁ、唐戸市場だ(笑)。



売店の駐車場に自転車が一台停めてあった。

めちゃめちゃ嬉しかった。

自転車で走りながら、ずっと不思議に思っていたのだ。

こんなに気持ちいい道なのに、なんで自転車乗りに一人も会わないんだ?そりゃまぁ平日だけどさ。一人くらい会っても良さそうなもんじゃね?

それが、ここまで上って来てやっと会えた!



でも嬉しく思いながらも、頭の中ははてなマークだった。

自転車は、レンタルサイクルのママチャリだったのだ。

アップダウンは大したことないけど、ママチャリじゃあ相当キツいぞ?レンタルサイクルにはマウンテンバイクもあるのになぜママチャリをチョイス?

大作さんみたいなマッチョな人なのかな?



沈下橋に降りて行ってみた。



いた。あの人だ。

橋を渡った所の脇に座っている人がいる。

てか、行動がボクと全く同じでウケる(笑)。

自転車で沈下橋を訪れ、座ってゆっくりしたいのだが、通行のジャマにはなりたくない(笑)。



どんな人がママチャリに乗って来たのか興味津々。そしてその人を見つけられたら、頭の中のはてなマークは解消されると思っていた。

だがその人に近付いて行くと、頭の中のはてなマークは増えた。

橋を渡りきった所に座っていた人は、小柄で華奢な女性だった。

こんな華奢な女性がママチャリでここまで来たのか?



旅先で若い女性に話しかけるのはいつも躊躇する。

ゆっくり景色を楽しみたいと思っていて話しかけられるのはイヤかもとか、ナンパと思われてウザがられるかもとか、コミュ障にとっては最初のハードルがかなり高い。

進撃の巨人の壁のように高い。



でも今回のケースは、同じ日に同じ場所に同じ一人旅、同じように自転車で訪れているという類友感。

ママチャリってどゆこと?という大きな疑問もある。

これは話しかけてみるしかないでしょう!



「こんにちは~。あのママチャリはあなたのですよね?」


彼女は、岩間沈下橋からさらに上流にある江川崎駅に愛媛の方から電車で来たそうだ。

江川崎駅の近くにある川の駅カヌー館でママチャリを借りてここまで来たらしい。

あぁそっか、そっちからのルートもあったか。

「え?じゃあ宿泊もカヌー館ですか?」

「いえ、近くのホテルです。」

あぁそれもすっかり忘れてた。そういえばあの辺りにホテルあったな。

高そうなホテルは見た瞬間に忘れる貧乏脳だから、完全に忘れていた(笑)。



愛媛を旅して江川崎に赴き、四万十川と岩間沈下橋を見て、高知市徳島市と旅を続けるのだそうだ。

僕「徳島って何があるんでしょうね~。なんかスゴい美術館があるらしいけど、それくらいしか知りません。」

マ「そう私もそれしか知りません。そこに行くんです。」



これを書いてる今は、四万十旅の次の屋久島旅を終えた所で、屋久島の宿で日本中を旅してる方の写真を見せてもらって、徳島にはもう1ヶ所スゴい所があることを知ったのだが、それがどこの何だったかもう忘れてしまった(笑)。



しこたま旅トークした。



ママチャリは、かなりの旅人だった。

うさぎの島にも行ってみたいんですよね~と言うと、行きましたよ~と言い、

青い湖にも行ってみたいんですよね~と言うと、行きましたよ~と言う。



一眼レフを持っていたので、

僕「カメラはいつも葛藤するんですよ。欲しいけど、動くのにジャマになる。でも欲しい!っていつも迷ってます。」

マ「カメラいいのを買ったのに直前で壊れちゃったんですよ。これ代わりの借り物なんです。カメラ用のバッグも買ったのに悔しい~。」

僕「あぁカメラ用のバッグと言えば、なんかこうからってて、スチャ!って前に回してすぐ撮れるのがあるらしいですね。それがあればカメラを持っててもかさばらなくていいんだけどな~。」

ママチャリはおもむろにバッグを…

スチャ!

マ「ここにカメラを入れるんです。この借りたカメラは入らなかったんですけど。」

おぉ!スチャバッグ持ってるのか!

行った場所も行きたい場所も同じだし、目をつけるアイテムも同じ(笑)。



ママチャリは、この沈下橋は有名だから見ておこうと思った。他のも見てみたいが時間がなくて無理そう。この後は江川崎駅に戻って高知市に向かうと言い、

それに対しボクは、時間がないのは本当に残念。他の沈下橋もどれもすごくいいし、途中の景観もすばらしい。それから下りきった町のある店のカツオの叩きが超うまい。本当に残念だ。是非また来て下さい、と親切なんだか意地悪なんだかわからない返しをする(笑)。

するとママチャリは

「カツオの叩き大好きなんです。それは食べたかったな~。」

と言い、そろそろ電車の時間なのでと言って立ち上がった。

「ありゃもう時間ないですか。上から来たならあの辺りからの景色は見てないでしょ?あの辺りからの景色がカレンダーとかによく使われるんですよ。時間がさらに厳しくなるかもしれないけど、よかったらちょっと行ってみるといいですよ。」

と教えて、ボクはもうしばらくここに座ってから行くと見送った。



ママチャリの言葉が頭に残った。



他の沈下橋も見てみたい。

カツオの叩き大好き。



なんとかならないだろうか?

頭の中のグーグルマップをフル稼働させる。

ポクポクポクポク…。

(一休さんの熟考シーンしか思い出せない。小さなバイキングビッケはどうやって考えてたかな?名探偵コナンはどうやって考えてたかな?)

チーン!閃いた!

立ち上がってママチャリを追いかけた。



「急いでる所すいません。クドいかもしれないけど、ちょっと聞いてもらえませんか?結構しんどいかもしれないけど、そのママチャリで中村まで下れば、沈下橋を全部見られますよ。んで、うまいカツオの叩きも食べられる。んで、チャリは中村の観光案内所で返せばいい。高知入りの時間は少し遅くなってしまうかもしれないけど、どうでしょう?」

「ホテルに大きな荷物を預けてるので無理ですね。あ、ここからの景色すごく良かったです。ありがとうございました。」



あぁ…クドかったか…orz



この手の失敗はよくやってしまう。

旅においては積極的にコミュニケーションを図らねば!と柄にもなくがんばるようにしているのだが、それがうまくいくと調子に乗って踏み込み過ぎてしまう。スマートな引き際がわからない。

やっぱりコミュ障やわ~…orz



沈下橋に戻ることにした。

軽トラが橋から売店までの道を上がってくる。道は狭いので通り過ぎるのをしばらく待った。

川原を散策する。

お、車が来た!チャーンス!

バンか。さっきの軽トラが良かったな。

軽トラ~戻って来て~!



橋を渡る人が大きく伸びをしている。

うんうん。わかるわかる。

気持ちいいですよね~♪



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勝間沈下橋に着いた。

ここもやはり景観が美しい。



橋の幅はひとつ下の高瀬沈下橋より広い。

高瀬沈下橋のように一部広くなっている所はないが、これだけ幅があればおそらく橋上のどこでも車は歩行者を避けられるだろう。



車の通行量は、たまに通る程度のようだ。
高瀬沈下橋より若干多いかな?



テクテク橋を渡ってみる



橋を渡りきると、対岸の右手に支流の勝間川が現れる。

目にするなりギョギョッ!と驚く。

なんてきれいな水だろう。
ものすごい透明度だ。



…と、前回訪れた時と全く同じリアクションをする(笑)。

たぶん次回も全く同じリアクションをするんだろうな(笑)。



テクテク橋を戻る。



あまり長居はせず、次の沈下橋を目指して出発した。



たまにとはいえ、車が来るのはいただけない。

ゆっくり過ごすのは、次の口屋内沈下橋と決めている。前回来た時に、口屋内沈下橋が一番ゆっくりできると気づいたのだ。

高瀬の沈下橋でゆっくり過ごしたのは、おにぎりがあったからだ。



川沿いの道を自転車はスイスイ走る。



お、栗が落ちてる。

食べてみようかと思ったが、中に虫がいたらトラウマになりそうなのでやめておいた。



しばらく行くと、今度はイガグリが落ちてる。

逆の順番が良かったな~(笑)。

イガグリ→栗の方が良かった(笑)。



小さな神社があった。

ありえないくらい急角度な石段だ(笑)。

登山道か(笑)。

手をついて四つん這いにならなきゃ登れないのではなかろうか?

そういえば、四万十川の支流の黒尊川を上ったところにある黒尊神社の入り口もこんな感じの急階段だった。

この辺りの神社の特長なのだろうか?



今回自転車で走っているルートは、前回車で走ったルートと全く同じだ。

だが自転車で走った方がはるかに良かった。

たぶん風を受け、いい空気を吸えるからだろう。

たぶん、きれいな景色を眺めながら走れるからだろう。

自転車のスピードがいいのだ。

ゆっくりゆっくり景色を楽しむことができる。



そんな話を松坂くんともしたなぁ、と思い出す。

松坂くんは徒歩ダーだ。世界のあちこちや日本のあちこちを徒歩で旅した。お遍路もした。

最後に松坂くんは言った。

「徒歩の旅は、チャリの旅よりもっといいですよ。」

マジか…。そうなのか…。



口屋内沈下橋についた。

全く寄らずに通過する。



あれ?通過するの?

うん、通過するの。



口屋内沈下橋でゆっくりすることは決定だ。行きの上りの行程では通過し、帰りの下りの行程で立ち寄るのだ。



次の沈下橋、岩間沈下橋を目指す。

岩間沈下橋は一番人気がある沈下橋だ。



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2日目、朝6時30分に宿を出る。

小雨がサラサラと霧のように降る中、四万十川沿いの道を上流へと走る。



走り始めてしばらくすると、雰囲気のいい弁当屋があった。

一度通り過ぎるも引き返す。

まだ7時前なのにもう開いているとは。

どうやら、おばあさんとおじいさんでやっているようだ。

おにぎり2個におかずが少し添えられた物を買う。いくらだったか忘れてしまったが、かなり安かった。



四万十川沿いを上流へと上る、と書くと山道の上り坂を延々と上って行くように聞こえるだろうが、そんなキツそうなことをヘタレチャリダーのボクがするハズがない。

アップダウンは多少あるが、そんなに大した勾配ではない。前回車で来て、その点は確認済みだ。



四万十市はレンタルサイクルのステーションもあちこちにあるし、車種はマウンテンバイクだし、どこで返してもいい。とても利用しやすい。

レンタルサイクルは充実。
コースの難易度は低い。
景観は超最高。

本当に気持ちいいサイクリングコースなので、是非みんなにお勧めしたい。




高瀬の沈下橋に着いた。



景観が素晴らしいのは言うに及ばす、早朝なので空気が冷たく澄み切っていて尚更心地いい。



この高瀬沈下橋には、そんなに車は来ないようだ。たま~にしか来ない。


いいね~♪



そして橋の幅と形状も重要である。

幅が狭いと車が来た際に反対岸まで渡って道を譲らなければならなくなる。三里の沈下橋がそうだ。

高瀬の沈下橋は幅は狭いが中央部が一部広くなっているので、車が来たらそこで通り過ぎるのを待てば良い。


いいね~♪



中央部の縁に腰掛けて、先ほど買ったおにぎりを食べることにした。

輪ゴムや割りばしの袋が風で飛ばされないように細心の注意を払い、すぐにポケットに押し込んでファスナーを閉じる。


あ、米粒が落ちた。

米粒は、鳥も虫も魚も食べてくれるだろうから、まぁいっか。



おにぎりとおかずを食べてびっくりした。

めちゃめちゃおいしかった。



おばあさん、ごちそうさまでした!
めっちゃおいしかったです!

と、念を飛ばした。



いやいや、それ握ったのワシじゃよ。

と、頭の中に声が響いた。

…というのはウソです。



そう言えば1年前に、ここからさらに上流の江川崎にある直売所で食べた弁当も感動するくらいおいしかった。

直売所の裏のイートスペースで食べたのだが、食後売り場に戻って売り物の弁当を指さし、この食材は何ですか?こっちは何ですか?と質問しまくった。



四万十の食材がいいのか、おばあちゃん達の腕がいいのか、あるいはその両方か。



おにぎりを食べ終えてのんびり川や山を眺めていたら、おばあさんがテクテク歩いて来た。



あいさつをすると立ち止まってくれて、しばらく話をした。



朝と夕方と1日に2回、この橋まで散歩しているそうだ。

この辺りのご出身だが若い頃に大阪に出て行き、帰省する度に「戻りたい戻りたい」と願い続け、老後やっと戻って来ることができた、と語る。

昔はもっと川原が広くてきれいだったのに、最近は強い雑草がどんどん繁殖してきて川原が狭くなってきているの。

みんなでなんとか美しい景観を守ろう!と訴えているが、この辺りの人は「大丈夫大丈夫。放っておくのが一番いいの。」という気質の人ばかりで全然聞いてくれない。

だから自分はよくあの辺りの雑草を駆除しに行っている、と言う。

(この写真には雑草は写ってません。)


前回は5月に来たと言うと、

「6月がすごくいいのよ。今度は是非6月にいらして。ホタルがすごくたくさん見られるの。」

「わかりました。じゃあ是非また6月に来ますね。」



と答えつつも、6月がすごくいいという情報は覚えておく必要はないなと思った。



なぜなら、その時ボクはすでに 5月にも6月にも7月にも また来たいと思っていたから。



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