風の旅 ~ 仙崎へ | 時計をはずして

時計をはずして

心理カウンセラー 作詞家 せきけんじ

 

大宰府ICから九州自動車道に乗り、北九州都市高速4号線から関門トンネルを通り山口へと渡った。

美祢ICから国道316号線を上るルートが最短であるが、この機会に

角島大橋を訪れてみたいと考えていたので日本海側に迂回するルートを選択した。

 

このところの疲れを癒してくれる場所、少しでも頭の中を空にしてくれる

場所を無意識のうちに探していたのかもしれない。

先方には仙崎に18時到着と伝えていたので、時間はたっぷりある。

 

国道191号線をひたすら北上する。

ほとんど信号機は見当たらない。

左手に対馬海峡を眺め、歌詞提供行い、先日発売された古市コータローのアルバム「東京」をリピートしながら車を走らせる。

 

途中、「道の駅 北浦街道 豊北」に立ち寄る。

 

 

 

上空のトンビの数に圧倒された。
何とか天候は持ってくれたが、この日の最高気温はなんと13℃!
たまらずダウンを羽織る。

 

道の駅を出てこの日の目的地

角島大橋に着いた。

 

 

左折して橋が目の前に現れた時、

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~!」

と絶叫してしまった。

 

今の時代、そこに行かなくてもグーグルマップのストリートビューを

開けば大体の概況がわかるし、それで行った気持ちにもなれたりするものだが、

ここまで、驚愕の情景が目に飛び込んでくると

いやぁ、やっぱり、リアルにそこに行かないとダメなんだ。

あれはあくまでもバーチャルでしかないんだ。

と思う。

 

吹く風と打ち寄せる波の音。

陽の光で表情を変える海の色。

本当のリアルな世界で、ディスプレイに映し出されるものとは違う。

 

これが本物なんだ。

バーチャルはバーチャルだ。

 

作家活動をとおして、舞台の裏側や、著名人との交流も含め、通常では入り込めない世界を一般の人よりたくさん見てきて、空気感とか五感で感じるリアリティの大切さがわかっているのに、いつしか、そのリアリティを体感することを放棄してバーチャルで済ませてしまう便利な時代に飲まれている自分を責めていた。

 

飲まれているというよりも

 

色々理由をつけて

「わざわざそこに行かなくても簡単に済ませることができるじゃん」

 

「時間がない」とか「面倒くさい」とかそれは言い訳で

僕の場合は本当に行きたいと思う気持ちをそれに置き換えて誤魔化していたんだ。ということ。

 

物質貧乏になって本来の五感を取り戻さなければいけないのかもしれない。

 

 

 

そんなことを考えながら

角島大橋を後にして今日の宿泊先がある湯本へと向かった。

 

 

 

 

つづく