スイートルーム争奪戦 33 勝者発表! | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

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V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?


俺はなんとか佐久間を振り切り(冬期講習を手伝ってやることで話はついた)、忘年会の会場に戻った。



さあ、いよいよ結果の発表だ。



まずはラムちゃんがみんな優しくてセクシーだったと講評()した。



「勝算は?」



俺は隣の条に肩を寄せて囁く。



「愚問だね。ないわけないだろ」



条がニヤリと笑う。



「あ、そ」



「勝つ気しかしない」



自信に満ちた条の横顔。



袴田校長がマイクを持ち、俺たちを見回した。



「では、発表します!見事、抱かれたい男に選ばれたのはっ」



マイクを向けられたラムちゃんは少し溜めてから、上目遣いで俺たちを見回し、それから目を伏せて、



「井ノ原さんです」



と言った。



「え?俺?マジで?」



井ノ原校長は驚きながらも嬉しそうにみんなを見回した。



と、その時条が立ち上がって、


「はあーっ?マジかよっ!八百長だよ!」



って抗議した。俺も便乗して、そうだそうだ!と立ち上がって井ノ原校長を指差した。



宝は「ふたりともやめなよ」って腕組んで苦笑している。


校長は席を立つと、すみませんねぇって頭をかきながら笑顔で舞台に向かった。マスターや長野くんがニコニコして拍手をしている。



すると、条が、



「ちょっマジで⁇だって俺ラムちゃんとキ



って言いかけてやめた。



「え?何?」



みんなが条に注目する。



「え?」



条がみんなの顔を見回す。



「いやなんでも




と言うと、条は大人しく席についた。



「何?」


俺も隣に腰を下ろして、条を見る。



「何もしてねーよ」



「ってことは何かしたんだ」



「だからしてないって!」



すると宝が、



「キスでもしたんじゃないの。条くんのことだから」



と言った。



「あ!そうか!俺口下手だからとか言ってさぁ、チューしちゃったんだ」



「してねーよっ!」




舞台の上では、ラムちゃんと校長が笑顔で握手を交わしていた。



悔しいけど、ふたりの笑顔が素敵だったし、井ノ原校長を選んだラムちゃんのことを、いい子だな、と思った。




「だけど、あの人、イブに誰とスイートルームに泊まる気かな?」



条がボソッと呟いた。



たしかに。




ラムちゃんだったりして?」



って俺は舞台上のふたりを見る。



「なるほど。そういうことかぁ。じゃあ、勝ち目は無いな」



条は初めて納得いったって顔をした。