※本日2話目の更新です。クリスマスの話だから急いでるの(・・;)
前話がまだの人はこちらから(^^)
「ラムちゃんからなら、していいよ」
と条くんが言った。
「…私から?」
「うん。どうする?」
と、辺りを見回す。
条くんの視線が、人目につかなさそうな柱の影で止まる。
「あっち行こう」
条くんがスタスタ歩いて行って、私は後について行った。条くんが柱の影に身を隠し、ジャケットの襟を正して咳払いした。
私は条くんの正面に立った。
「私から…キスしても、いいんですか?」
実は、一目見たときから、条くんのことを気に入っていた。
「いいよ」
条くんが足を肩幅に広げて立った。手を後ろに組んでピシッと胸をそらし、目を閉じる。
「うーん。なんだか…ムードが出ません」
「そう?」
片目だけ開けて、私を見る。後ろで組んでいた手をほどき、
「いや、やっぱでも手は後ろにやっとかなきゃ」
ってまた後ろにやった。
「ガードマンみたいです」
「気持ちはガードマン。誘惑に負けないように、俺のハートをガードしなきゃ」
「…意味がわかりません。日本語、難しいデス」
「わからなくても、大丈夫。さあ、来い!」
面白い人…。
私は条くんの肩に手を置いて、そのセクシーな唇にくちづけた。
条くんの唇は表面は柔らかかったけれど…キュッと固く閉じられていた。
チュッと触れて唇を離すと、条くんが薄目を開けて私を見た。
もういい?
って額に皺を寄せた顔がカッコよくもあり、可愛くもあり…
私はもう一度くちづけた。
さっきより長く、条くんと唇を重ねる…。
少し口を開けて、条くんの唇をパクッと覆って、チュッ…と吸う。
それを何度か繰り返すうちに、固く結ばれていた条くんの両唇が少し開いて…
条くんの柔らかい唇が、熱い吐息とともに私の両唇に覆い被さった。
とたんに、腰の辺りが熱くなったと思ったら、条くんの手が私の腰を抱いていた。
体全体が熱くなって、条くんに優しく唇を覆われて、私も両唇を開いて…
ディープキスの予感に襲われたちょうどその時、
「あ!こらこらこら!」
って誰かの声がして、条くんと私はパッと体を離した。
見ると、井ノ原さんが私たちを指差して立っていた。
「ファウル!ファウル!反則だよそれ!手出すの無しでしょ!」
「出してねーよ!」
条くんが無実だと言わんばかりに両手を上げた。
「いやいや、チューしてただろっ今っ!」
「してないしてないっ!」
「ふざけんなっ!ファウルだって!」
「あ、ファウルしたの私です」
「はい⁇」