スイートルーム争奪戦 29 条と甘い… | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?


条くんが私に顔を近づけ、私は目を閉じる。



フワッとセクシーな匂いがして、条くんの息遣いを間近に感じる。


と、ふいにエレベーターが止まった。



チン!



目を開けると、条くんが



「甘いの好き?」



って私に聞いた。


キスもしてないのに、雰囲気だけで酔ってしまった私はボーっとして



日本語に頭がついていかない。



「甘いキス?」



プハッて条くんが笑って、



「違うよ!甘いキスもいいけど、スイーツのこと」



って言って私に手を差し出した。そして私の手を取ると、優しく引っ張ってエレベーターを降りた。



そこはホテルのカフェで、条くんはスタッフに「ふたり」と言うと、案内された席まで私の手を引いて歩いた。



席に着くと、条くんがスタッフに、



「ケーキ見せてあげて?」



と言った。私はスタッフが持って来てくれたケーキの中から好きなのを選んだ。



「条くんは?」



「やっぱショートケーキでしょ」



苺のショートケーキを見て嬉しそうに笑った。



それから、ふたりでケーキセットを注文して食べた。



「ごちそうさまでした。すっごく美味しかったです」



「よかった」



ニコニコして口を拭く条くん。



「でも、甘いキスの方がよかったかなぁ



なんて、肩をすくめて横目で条くんを見て言ってみた。



「食っといて、それはないでしょ!」



「キス、タダでできます。ケーキお金かかります。条くん、お金もったいない」



条くんがプハッて吹き出した。



「だから食ってから言うなって!」




「条くん、さっきエレベーターの中でキスしようとしてました」



「してないよ。誤解、誤解」



「本当に?」



「ほんとほんと」



じっと条くんの目を見つめる。



条くんが目を逸らせて、戻ろうかと言った。



レジを済ませて、カフェを出た所で、私は条くんの背中に話しかけた。



キスしても、いいですよ?」





条くんが立ち止まって、ゆっくり振り向いた。ピクリと眉を上げる。



どっちが、口説く役だっけ?」