GUILTY 87 選択 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日2話目の更新です。今日はどんどん行くつもりニコニコ








岡田の方は、駿作が自分の子ではないかもしれないという話に、かなり動揺していた。


そんなはずはない。きっと妻の妄想だ。


とは思うものの、主治医からDNA鑑定を受けてはどうかと具体的に言われたことがショックだった。



主治医は、和佳子の話に信憑性があると言うのだ。



たしかに



と、岡田は和佳子の言動を思い出してみる。



『准くんが怒ってる』とか『謝っても許してくれない』と言っていたのは、岡田が和佳子の罪を知っていると想定してのことだったのか。



そういえば、かつて和佳子が正気に戻っていると思ったことが一度だけあった。リストカット をした後だ。それで岬と別れることを決めたのだ。



あの正気だった和佳子は何を言ってた?



『必ず、この現実が壊れる時が来るのよ。それが怖い。その時までに私、死にたい』




ばかなこと言うなよ』




『准くんっ!』




和佳子はいきなり岡田に抱きついた。




『ワコ?』



『准くん、ごめんね?ごめんなさい!私、あなたに酷いことした!』



『ワコが、謝ることないよ』



『だって、准くんは何も悪くないのにっ』




俺は何も悪くないのに?



岡田はゾッとして我知らず身震いした。



岡田さん?」



岬の柔らかい声にハッと我に帰った。



「どうしたの?なんか変よ。顔色が悪い」



「ああいや、大丈夫」



岬は岡田の皿に視線を落とした。箸が進んでいない。



「食欲ないの?」



「いやあの



確かに、食欲はわかなかった。



ごめん。せっかく



「ううん。それはいいんだけど風邪?」



なんと答えていいかわからなかった。



明らかに自分の様子は変なのだろう。そりゃそうだ。駿作が我が子じゃないかもしれないなんてそんなこと考えたこともない。



ごめん」



岡田はテーブルに肘をついて、両手で顔を覆った。



岡田さん?」



岡田は片手で口元を覆い、横を向いた。



気持ちを落ち着けようと、目を閉じる。



もしも、駿作が自分の子でないとしたら



和佳子と別れることは、駿作を手離すことになるのだろうか。



駿作の笑顔。抱きしめた温もり。陽だまりのような匂い。



駿作を手離したくはなかった。



だが



岡田は心配そうに自分を見ている岬を見返した。



妻と別れずに、岬を愛することは許されない。



駿作を取るか、岬を取るかそんな選択をしなければならないのだろうか。



と、その時岡田の携帯が鳴った。和佳子からだった。