GUILTY 80 逮捕 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?



ひ、被害者?」



「はい。30年前、私は『新喜劇の役者に会わせてあげる』と騙され、三宅少年と一緒に倉庫のような場所に連れて行かれた。もちろん、役者はいない。その代わりにいたのが、あなたをはじめ数人の男たちでした」



……



社長は顔を硬らせていた。



「幸いにも、私は隙を見て逃げることができましたが、もし逃げていなければ



と、DVDに目を落とした。



「三宅少年と同じ目にあっていたでしょう。もし、あの時私がすぐに警察に通報していればあなたは今頃その椅子に座っていられたでしょうか」



「ばばかな。私には全く身に覚えのないことだ。誰かと間違ってるんじゃないか?」



「人違い?」



「あ、ああ」



「なるほど」



岡田はジャケットの襟を正して社長を見据え、それから机上のリストを手に取り、首を傾げた。



「同じ性癖だから、間違えたのかな」



「な、なに?」



「実は、このリストに載ってる人物は皆、性の対象が少年なんです」



「は⁈だ、だいたい何なんだ⁇このリストってのは一体!ここに私の名前が載ってること自体、意味がわからない!何かの間違いだ!しっかり事実確認してから来い!」



社長は立ち上がって、机をバン!と叩いた。



それから、岡田の前に来て怒鳴った。



「こっちは忙しいんだ!変な言いがかりには付き合っとれん!帰ってくれ!さっさと帰らないと



警察を呼びますか?」



社長はグッと言葉に詰まった。



岡田は社長を睨んで言った。



「事実確認は、して来ました」



すると、ドアがノックされて、失礼しますと井ノ原が入って来た。



「だ、誰だ⁈」




「呼ばれましたかね?警察です」




「な…?」




社長は岡田と井ノ原を見比べた。




「どういうことだ⁇」




井ノ原は一歩踏み出し、社長の正面に立った。



「30年前のことは忘れていても、さすがに3年前のことは覚えていらっしゃいますよね?」




「さ、3年前?」




「ええ。このお店をご存知ですよね?3年前、あなたが利用されていた売り専の…」




井ノ原がホームページの画像を見せると、社長の顔色がサッと変わった。




「バックには独竜会がついていたお店ですがね…未成年を働かせていたんですよ。困ったものです」




井ノ原は内ポケットから令状を取り出して見せた。




社長の名前を読み上げ、



「あなたを児童買春の容疑で逮捕します」



と言うと、後ろを振り向いた。ドアから数人の捜査員がバラバラと社長室に入って来た。