GUILTY 41 長野の本気 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日2話目です。あともう1話、健ちゃん登場まで行きたい。











長野はカツカツと靴音を響かせ、2係のドアを勢いよく開けた。


「あ、長野さん」



若い刑事が慌てて机にのせていた足を下ろし、立ち上がった。長野はジロリとその場にいた若い連中を見回し、突然、


「独竜会の誰でもいいからしょっ引いて来い!」



と言った。



「えっ⁇」


「だ、誰でもいいからってそんな」


「無茶振りですよ。何かあったんすか?」


「独竜会にガサ入れする」


「え?なんでまた」



「いいから、ガサ入れの許可が降りるような何か掴んでこい!」



「な、何かって



「銃刀法違反でも何でもかまわない」



そこへ、ドアが開いて、6係の井ノ原が入って来た。長野が振り向く。



「なんだ?」



「残念なお知らせ」


?」



「上からのお達しがあった。2係はこの事件から手を引け、と」



「なに?」



「三宅の線で容疑が固まりつつある。独竜会は関係ない、とさ」



「まさか。上がそう言って来たのか?」



「ああ。あのリストにはお偉方も載ってただろう。その辺りから圧力がかかったんだろう」



「痛い腹は探られたくないってことかますます怪しいじゃねーか」



だね。まあ三宅と独竜会にどんな繋がりがあるかわからないけど、2係で探ってみるしかない。あとはうちに任せて



「任せてられるかっ」



「え?」


いつにない長野の強い口調に井ノ原は驚いた。



「そっちはまだ三宅の居場所突き止めてないんだろ?うちはうちで独竜会を当たる。殺人事件からは手を引くが、あいつらが裏でやってることを暴いてやる!大事な人の命が危ないんだ」



「え?ちょっと!大事な人って何?誰よ?」



井ノ原が半笑いで長野の腕を掴んだ。


長野は真っ直ぐ井ノ原を見返す。



「やだなぁ。長野くん。ひょっとして何?色っぽい話?」



「ばぁか。大事な情報屋だよ。頼りにしてる。あの人に何かあったら困るんだ」



「なるほど。情報が取れなくなる」



「どのみち、こうなったからには、もうあの人から独竜会の情報は取れなくなるがな」



「じゃ、もう用無し?」



「ばか言うな」



長野はフイと井ノ原から目を逸らした。


井ノ原は長野の横顔を見た。



「まだ



と長野が呟く。



「恩を返してない」



「ふぅ〜ん。なるほどね」



井ノ原は腕組みして頷いた。



「長野くんって、クールに見えて案外情に厚いんだね」



長野は井ノ原に一瞥をくれた。



「井ノ原。いいから、お前はさっさと三宅の居場所突き止めて来い!」



「こわっ!仏の長野に怒られちゃったよ」



井ノ原は肩をすくめて、いそいそと2係を出て行った。