GUILTY 35 溢れ出す思い | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日3話目です!







「ただいま」

岬が保育園から帰って来ると、奥から「おかえり」という声が聞こえた。


三宅がカーペットに座って、頬杖をついてこちらを見ていた。


「熱下がったよ」


にっこりと笑っているその顔は少年のようで、可愛かった。


とたんに、懐かしさと愛しさが岬の胸にこみ上げて来た。


空白の3年間が一気に埋められたような、岡田との別れの傷が一瞬ふわっと軽くなったような、そんな気がして…


三宅のことを忘れられずにいた3年間。

抑えていた岡田に対する思い。


いろんな感情がどっと押し寄せて来て、岬は突然泣き出した。


「わっ⁈どしたの?岬」


三宅がバッと立ち上がって駆け寄った。


「岬…?」


三宅は岬の顔を覗き込んで、それから、


「どした?心配させてごめん」


と岬の頭を優しく撫でた。


「健ちゃん…っ…なんで今頃、戻って来たのよ…ぅ…っ…私…私…っ…」


岬は三宅の胸に飛び込んだ。


「好きな人がいたの…っ…!でもダメになっちゃった…。っ…うまくいきっこないのは最初からわかってたけど…っ…」



岡田にぶつけたかった思いが、言葉が、溢れ出した。


「じゃあ、どうして…っ…抱いたの?…どうして抱いたのよう…っ‼︎」


岬は三宅のシャツをつかんで揺さぶった。


「私、よかったのに…!奥さんがいてもよかったのに…っ…!意気地なし!バカ!バカバカバカ!」


岬は三宅の硬い胸を叩いた。


三宅は黙って岬に好きなだけ叩かせておいて、力が弱まってくると、岬が泣き崩れる寸前に岬の両手を掴んだ。


「岬…っ」


手を持って、岬の体を引っ張り上げるようにすると、ガバッと体ごと力強く岬を抱きしめた。



「健…ちゃ…ぁん…っ!」


岬は三宅の胸でわあわあ泣いた。三宅はギュッと岬を抱く手に力を込めた。



「…悪い男に、引っかかってんじゃねーよ」


岬の耳元で、三宅の怒ったような低い声が聞こえた。



「俺も…人のことは言えないけど…」



岬は涙に濡れた顔を上げて、三宅を見た。



「3年前、黙っていなくなって…ごめん」


三宅は眉を八の字にして、岬を見つめていた。