GUILTY 34 第四の殺人 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日2話目の更新ですニコニコ







翌朝になっても、三宅の熱はまだ下がらなかった。岬は洗濯物を干し終えて、ベッドにいる三宅を振り返った。


「あ。そういえば、健ちゃん、怪我は?」


「…え?」


「服に血がついてたから。どっか怪我した?」


「ああ…うん。大丈夫。たいした怪我じゃない」


「ほんと?」


「うん。…いってぇ…」


三宅は顔をしかめて頭を押さえた。


「大丈夫?」


「頭いてぇ…」


「熱のせいかな。病院行く?」


「いや…大丈夫。食って寝たら治ると思う」


「そう。冷蔵庫の中にヨーグルトとか、飲み物もあるし、適当に食べたり飲んだりしてて」


「うん。…岬…」


「ん?」


岬は髪を一つに束ねながら、ベッドに起き上がっている三宅のそばに行った。


「何時に帰って来る?」


「うーん。頑張って6時」


「じゃあ…それまでいてていい?」


「もちろん。何か欲しいものあったら買ってくるけど」


岬は鞄を肩にかけた。


「じゃあ…桃缶」


「ふふ。オッケー。じゃあ行って来るね。テレビつけとく?」


「うん」


「はい。これ、リモコン」


テレビのリモコンを渡したちょうどその時、ニュースが流れた。


新たな殺人事件のニュースだった。


「…また?」


岬は眉をひそめてテレビを見た。昨夜起こった事件で、被害者はIT企業の社長と出ていた。


「凶器はアイスピックなどの先の尖った鋭い刃物と見られ、これまでの殺人事件と何らかの関係があると見て、捜査が進められています」



岬は岡田のことが心配になった。

これでまた岡田は忙しくなるだろう。駿作も当分戻って来れない。

駿作もおらず、岬とも別れ…。疲れ切った岡田の顔が目に浮かんだ。



「大丈夫かな…」


思わず呟いてしまって、三宅の方を振り向いた。


が、三宅には岬の言葉が聞こえなかったようで、三宅は黙って無表情にテレビを見つめていた。


その静かな黒い瞳に、賑やかなテレビの画面が反射していた。