ピンクのハンカチ 1 腑に落ちない | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

*ハンカチのその後が気になりまして…後日譚です。やはり、あの姉さんも発見しますよね…。








「あら…?」


洗濯を干していたら、出てきた女物のピンクのハンカチ。私のじゃない。

で…?

男物のハンカチは見当たらない。

准はハンカチを忘れたりするような人じゃないし…。


「ねぇ…」


食卓でトーストをかじっている准を見る。


「これ、なぁに?」


両手で持ってハンカチをヒラヒラさせる。


准はトーストをかじったまま、上目遣いでこっちを見る。


「ん!」


ああそうだった!って感じで目を見開く。トーストを置いて、口元を手で押さえた。


「生徒の」


それだけ言って、まだ口をもぐもぐさせている。


「借りたの?」


「うん」


今度はサラダに箸を伸ばして、パクっとトマトを放り込む。


「あなたのは?」


口をもぐもぐさせたまま、


「貸した」


って言って、今度はレタス。バリバリ。むしゃむしゃ。


子供みたいに頬を膨らませて…朝からいい食べっぷり。


「なに?生徒とハンカチ交換?それ、何のおまじない?」


准が食べながらフッと笑って、


「コンクールが上手くいきますように?」


って私を上目遣いで見る。


「は⁇何それ?あなた、毎回女子高生とそんなことやってるの?」


准はハッと笑って、箸を置き、ミルクの入ったグラスを持った。


片眉を上げて、


「冗談だよ」


って言うとゴクゴクとミルクを飲んだ。


「おじさんの汗ついたハンカチそのまま持たせるのもどうかと思って、交換したの。俺はその時点でまだハンカチ使ってなかったから」



「腑に落ちないわ」



私は腕を組み、目を細めて准を見た。



「何が?」



准はまたトーストをかじった。