俺は宝のおでこにチュッと舌で音を鳴らしてキスをした。
「おおーっ!」
って条が目をキラキラさせる。
「これがー、これがね?…まだだ宝。じっとしてろって。これが、舌を鳴らさないとどうなるか。もっかい行くよ?」
「もういいよぉー。わかったからぁ」
って宝は耳を赤くして肩を落とす。でも抵抗はしない。
今度は舌を鳴らさずに右のほっぺたにキスをした。
さっきほどの音は出ない。
「スカみたい」
って条が笑う。
「でしょ?唇だけでさーあの音出すにはさー…まだだって!宝!」
「もう勘弁しろよ。今度条くんだよ!」
「そっか。条が嫉妬するもんな」
「しねーよっ!俺はいいッ!」
俺は条の前に回って、条の膝にまたがってちょこんと座った。
「なにしてんのっ⁇」
って条の声がひっくり返る。
「舌使わねーから」
「当たり前だっ!」
「はい、目つむって」
「嫌だ」
「マツコかよっ」
「ムリムリムリ!素面じゃムリ!」
「お前、素面で俺の襟足にキスしたことあっただろ!」
「俺からすんのはいいんだよ!」
「わがまま言ってんじゃねーよ!」
「わがままじゃねーだろっ!」
「だぁいじょうぶだって。リラックスリラックス。はいッ」
俺は逃げられないように条の肩をがっちり掴んだ。