アウトな健のキス、コメンタリー 2 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「唇じゃなかったら、どこなの?」


宝が俺を振り向く。


俺はソファにもたれて、唇を尖らせ、チュッって舌を鳴らす。


「舌だよ。舌。チューしながら、舌でチュッて鳴らすんだよ」


って人差し指で唇をツンツンってして、もっかいチュッて鳴らしてやった。


「ああ、確かにいい音するなぁ」


条が腕を組んでソファにもたれた。


「あ。でも、キスってそういうもんじゃねーか?」


宝だけもたれてないから、俺と条を遮るものがなくて、俺たちの目が合った。


「やってるかもね。自然に。だってさ、唇と肌であの音出そうと思ったら、相当吸わなきゃ出ないよ。チュウ〜って吸わなきゃ。それこそ掃除機みたいに」



「そうかなぁ」


って宝が首をかしげる。


俺はガバッと体を起こし、


「そうだって!やってやろうか?」


って肩を掴んだ。


「いいよっ!」


宝が笑って肩を避ける。



「やってみてよ」


条がソファにもたれて腕組んだまま俺たちを見る。


「やってやるよ」


「いいって!///」


「何照れてんだよ!ガチ照れ?」


「条くんにやったらいいだろ?ふたりでやんなよ。いつもイチャイチャしてんだからさ」


「でも納得してないのお前だから。お前が俺のー、舌で音出してる説に納得してないんだろ?だからわからせてやるって言ってんだよ」


「いいよ。もう。はいはい。わかったわかった。舌だよ舌。舌使ったキスだろ?」


すると、条がバッと弾かれたように後ろ向いて笑った。


「お前、それ話違ってくるから!」

俺も笑って突っ込んだ。


条が腹抱えて宝を指差した。


「やらしいよッ!お前!なんの話してんの?」


条が赤い顔して嬉しそうに笑う。


俺は条をもっと喜ばせたくなった。


「はい、宝、行くよ?」


って宝の顔を両手で挟んだ。


「行くよ、じゃねーわっ!」


かまわず俺は立ち上がって宝を見下ろす。



「舌使ったキスな」


って条が口を出す。



「舌で音出すキスだろ?」


って笑いながら宝が条に突っ込む。



「こっち向けって!」


条の方を向いた宝の顔をグイッとこっちに向ける。



「こういうことだよ」