カミセンの修学旅行引率 15 条vs宝 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

アリーナに一歩入ると、

「うわぁ…すごい盛り上がり…」

生徒たちの黄色い歓声が凄くて…それもそのはず、コートでは条先生と宝先生が生徒に混じってドッジボールに興じていた。


条チームvs宝チーム。


条先生は黒の長袖Tシャツに白い七分丈のパンツ。素足に白のスニーカー。

宝先生は白いTシャツにデニムパンツ。

確か、条先生のクラスは理系クラスで、宝先生のクラスは音楽コースの子が多い文系クラスだっけ。


どちらもあまり運動は得意そうではなく、積極的にボールを取る子は限られている。


宝先生がコートの一番後ろで、みんなが避けたボールをキャッチすると、宝チームからは歓声が、条チームからは悲鳴が上がった。


宝先生がボールを持って駆け出すと、「下がれ下がれ!」という条先生の指示に従って、生徒たちは一斉にコートの後方に下がった。

条先生も宝先生を振り返りながら下がり、生徒たちを庇うように宝先生に向かって構え、


「来いよほらぁっ!」


と言った瞬間、宝先生の投げたボールを見事にキャッチした。


キャーッ!とギャラリーから歓声が上がる。


宝チームはほぼほぼ宝先生に頼りきりで逃げ惑っている。一方、条チームは先生があちこちに声を飛ばして指図している。

宝先生は条先生ばかり狙うけど、条先生は逃げるのも上手い。条先生は生徒に敵チームの生徒を狙わせる。


宝先生は条先生しか狙わないから、必然的に宝チームが減って行き、ついに宝先生はひとりになった。


「観念しろっ!」


そう言って投げられた条先生のボールをキャッチして、ゆっくりとバウンドしながら宝先生が歩み出る。


逃げ惑う条チームの生徒たち。


「当てていい?」


宝先生が条チームの生徒たちに聞くと、

「ダメーッ!」「イヤーッ!」


ってみんなが地団駄を踏んで叫ぶ。


一方「当てていいよー!」「先生、当ててー!」という宝先生のクラスの生徒たち。


先生は苦笑しながら周りを見回して、「いい?ほんとに?」って片眉上げてボールを構える。


「イヤーッ!」
「先生に当てられたら死んじゃう!」
「絶対痛い!」


「フフッ…。痛くないようにするから」


「ムリー!ダメダメやめてー!」

女の子たちが肩を寄せ合って悲鳴をあげる。


「みんな当たんじゃねーぞ!受けろよ!」