カミセンの修学旅行引率 10 混浴 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

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V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「まあ…えてして、こういうもんだよな。混浴ってさ」


と、健くんがしたり顔でつぶやいた。

俺たちは今男だらけの混浴風呂に浸かっている。


「お前、ほんっとすごいね」


急に健くんが俺の分厚い肩を掴んで、


「キン肉マンだな」


って胸筋の感触を確かめる。


「お。いい、いい♡」


「ンフフッ」


くすぐったくて、俺は少し前かがみになった。


健くんは胸筋を確かめた後、湯の中に手を潜らせて、今度は俺の腹筋を触った。


「お。バキバキ!」


「フフッ。どこまで行くの?」


「あ!なんか藻が手に当たった!」


って湯からパシャ!って手を出して、条くんに寄ってはしゃぐ。

条くんは顔にかかったお湯を拭いながら

「藻?」

って健くんを見て笑う。


藻なんて、そんな可愛いもんじゃないよ。俺のギャランドゥーは。


髪を後ろでくくってる条くんは、混浴風呂を見渡して、



「高校生がいるな」


って呟いた。


「東棟に泊まってる男子校の奴らかな」


健くんもキョロキョロする。


「多分そうだろ」


「大浴場使っていいんだ」


「にしても、混浴はダメだろ」


「こっそり入ってんのかな?」


「かもしんねーな」


「目論見が外れて可愛そうだな」


健くんがニヤニヤする。



「それ、誰のこと?」


条くんが眉間に皺を寄せて健くんを見た。



「あ。俺たちもか」

健くんは照れ笑いをして頭に手をやる。オールバックの濡れた髪が黒々と光っている。


「俺たち、高校生と発想が同じだね」


思わずフッと笑ってしまった。


「どうする?条。上野さんが入って来たら?」


「は?入って来るわけないでしょ」


と、そのとき、白い入浴用の浴衣姿の女性がふたり、飛び石を踏みながらやって来るのが見えた。


「来たッ!」


「上野と佐久間じゃねーだろーな」


「まさか」


ピョコピョコ歩く姿が若い。


「浴衣の着方教えてやろーか」


って健くんが眉をひそめる。


たしかに…。もはや着崩れている。


「ってか、健くん、あんまりジロジロ見るなよ」


俺は湯舟の中でおもむろに女性たちに背を向けた。


「じゃあ、何のために混浴に入ってんの?」


って健くんの冷静な声が、スケベ心を隠す俺を笑う。


「修学旅行中、ビールも飲めねーんだから目の保養くらいいいっしょ」


上野さんという彼女がいようが、それとこれとは別とばかりに堂々としている条くんが、条くんらしい。



彼女たちは湯舟に浸かると、キョロキョロとあたりを見回した。


そして、ふと目が合った瞬間、俺は慌てて目を逸らした。が、肩まで湯に浸かった彼女たちがこちらへにじり寄ってくる気配がする。


来る来る…。

なんで来るんだ?


条件コンビのせいだ…。

条件コンビの引き寄せの法則だ!
そうに違いない!