眠い休日に恋をするなら 恋弾 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※❹のあと。エピローグです。







後日、テントのお礼に、健に飯を食わせてやることになった。


家に来るなり、


「あれ?テントは?」


って健がリビングを見渡す。


「え?しまっちゃったよ」


カウンターの中から、健を見る。


「そうなの?見たかったのに」


「お洒落なテントだったな」


「でしょ?ねぇ、出してみてよ」


「マジで?飯は?」


「じゃあご飯食べてから」





飯を食ってから、テントを組み立てた。

健は椅子に座って説明書をでたらめなフランス語で読んで笑っている。役に立たないのは彼女と一緒だ。まあ、最初からあてにしてないけど。


2回目だから手順を覚えてて、簡単に組み立てられた。


「できた?完成?すごいじゃん。お洒落」


健はさっそく中に入って、


「わあ。坂本くん、坂本くん!」


って俺を手招きした。


なんか行動が彼女に似てる…。


「俺はもう入って知ってんだよ」


「いいから来てよ」


身を屈めてテントに入る。

目を輝かせてご機嫌な健が三角座りをして中を見回している。



「男ふたりでもいけるね」


って満足そうにニコニコする。


「男ふたりじゃイけねーよ」


「そう?ちょっと狭いか」


ってキョロキョロする。

通じてねーなこいつ。


「でも、彼女とならいけたでしょ?」


「…ああ…」


あ、やっぱ通じてんのか?

わかんねー。まあどっちだっていいや。


「喜んでた?彼女」


って上目遣いで聞いてくる。


俺は彼女と朝からテントで抱き合ったことを思い出して、恥ずかしくなった。

ああ…って言いながら頭をかいて目を逸らした。


「ほら、坂本くん今忙しいからさ、どうせ休みっていったってさー、どこも連れてってあげらんないだろうと思ってさ」


「なんでそんなこと健が気にしてんだよ」


「マンネリ打破。大事でしょ」


思わず苦笑した。だって余計なお世話だろ。健に気を使われることじゃない。

でも、まあ…気持ちは嬉しい。


「ありがとう」


すると健がパッと嬉しそうな顔をした。

可愛いやつめ。


「一緒に住むか?健」


「また言ってる」


「健の部屋、ここな」


「テントかよっ!」


「はははっ」


「ペットじゃないんだからさ」


「ペチョでも俺のベッドで寝てんのにな」


「そうだよ!ペチョ以下じゃん!」


健がごろんと寝転がったので、俺は外に出てクッションを持って来て、


「ほらよっ。枕」

って投げ入れてやった。


「サンキュ」


洗い物をしようとキッチンに行きかけたら、健がテントからひょこっと顔を出して、


「あ!手伝う手伝う!俺、片付けるよ?」


って出てこようとした。



「いい、いい。寛いでろよ。部屋で」


「だから俺の部屋じゃないって!」


ほんとにいいの?って言う健に向かって、ソファからもうひとつクッションを取って、


「ほいっ!抱き枕」


って投げた。


健がバフってキャッチして、じゃあお言葉に甘えて…ってテントの中に引っ込んだ。


洗い物を済ませて、テーブルを拭き、コーヒーを淹れた。


「健、コーヒー入ったぞ」


湯気の立つマグカップを持って、かがんでテントの中を覗くと、健がスヤスヤと寝息を立てていた。


仰向けに寝転んで両手で胸にクッションを抱いている。


その無防備な寝顔に思わず笑みが漏れた。


自分だって忙しいのに、テントのサプライズなんて気回してさ。結構マジで気にしてくれてるよな。俺と彼女のこと。


ほっといたらフラれそうなのか?俺。健にはそう見えてるんだろうか?


なんだかんだ俺に絡んできたがる健が可愛い。


俺はテントの前にしゃがんだ。


「ま…彼女にフラれたら…一緒に住んでやるか…」


フッと笑って、無防備な寝顔を見ながら、健に渡すはずだったコーヒーを一口飲んだ。



fin.



※ウルフェスではどんな絡みを見せてくれるかな?19時以降ですよね?
ちなみに、ウルフェスで検索したら、ウルトラマンフェスティバルがヒット。まあ…当たらずとも遠からず…ではない(・・;)