眠い休日に恋をするなら❷ | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※本日2話目の更新ですシナモロール








ドアを開けると、宅急便だった。

荷物を受け取り、差出人を見る。


「荷物?」


「ああ。健から」


「健くんから?」


荷物を置いて、スマホを見ると、健からラインが来ていた。



ナマモノだから、すぐ開けてね


って。


見ると、日時指定で配達されていたから、俺のオフの日に合わせて送ってくれたらしい。


サプライズが好きな健。あいつだって忙しいのに。


「ナマモノって言うけど…」


「クール宅急便じゃないわね」


俺はカッターでダンボールを開けた。

出て来たのは…


外国製のテントだった。


「テント⁇」


彼女が目を丸くする。


「うん」

テントは折りたたんで袋に収納されていた。


「ねぇ、開けてみましょうよ」


「ああ、ちょっと待って」


俺は英語とフランス語で書かれた説明書を見る。組み立て方が書いてある。


俺が説明書を読んでるそばから彼女が袋を開けて、テントを引っ張り出した。


「ねぇ!すごい!健くんってタイムリー!私、昌とキャンプに行きたいなぁって、たった今思ってたとこよ」


「単純だなぁ」


って、俺ははしゃぐ彼女を見て笑った。


「ねぇ、どうやって組み立てるの?これ」


「ん。ちょっと待って」


「あ、こうかな?」

って彼女がテントを広げた。


バサバサッ!


「おいっ」


「あれ?どっち向き?これが骨?」


すでにリビングにバラバラに散らかってしまったテントの部品。


「なんでお前はそうなの」


って苦笑しながら、テントを引っ張ってその下に埋もれた部品を探す。


俺が部品を集めてる間に、


「どれどれ」


って彼女が説明書を手に取った。


「あたしが読むから昌はその通りに組み立てて」


「はいはい」


てっきり日本語に翻訳して言ってくれるんだと思ったら、いきなりフランス語で話し出した。



「ウィ、マドモアゼル…って、おいっ!そっちか!せめて英語にしてくれよ」


ってわざと目を丸くして彼女を振り向くと、彼女が嬉しそうに笑った。



その後も彼女は邪魔するばかりで少しも役に立たず、結局俺が説明書を読んで組み立てた。といっても、全然たいしたことなかったけど。



「よっし。完成!」



うちのリビングにモスグリーンのテントが出現した。



「入ってみましょう」


彼女に腕を引っ張られて、ふたりでテントの中に入った。