眠い休日に恋をするなら ❶ | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?


君が干した洗濯ものたち
誇らしげに ひなたで揺れる


忙しくて会えずにゴメンね
久しぶりに抱きしめた ゆうべ
頬が染まった



窓のそばにチェアを運んで
君は僕の雑誌めくってる
ゆるい風がはこんでくるのは
睡魔と幸福感さ





「恋をするなら…かぁ…」


と彼女が雑誌をめくって、


「ヤバイわこれ。リアル昌よりドキドキしちゃう」


「どういう意味だよ」


俺は苦笑しながら、彼女のもとにコーヒーを運んだ。湯気が流れる。


「洗濯、ありがとう」


「どういたしまして」


マグカップを受け取る彼女と微笑みを交わす。


俺は彼女が座ってるリラクシングチェアの肘掛に軽く腰掛けて、雑誌に手を伸ばす。

自分が載ってるのを見るのは照れくさいから、


「健も載ってるだろ。見た?」


って背後からページをめくる。


「まだ見てない。あ。ほんと。可愛い」


彼女が健の写真を見ながら、全然ドキドキしないって笑う。テキストを読んで、


「あら。健くんに一緒に住もうとか言ってるんだ」


「冗談でね。あいつ、嬉しそうな顔するから、可愛くって。ネタになってんの。俺たちの間で」


「ふぅん…」


久しぶりに会った彼女は髪を切っていて、白くて細いうなじが朝日にまぶしかった。


「ねぇ…カーテン閉めて」


「ああ」


俺は立ち上がってカーテンを閉めた。



「日に焼けちゃう」



カーテンを閉めて欲しがったわけを、ちょっと勘違いしてた俺は、そんな自分に少し照れた。


光が遮られた部屋で、彼女とふたり。

また彼女とくっついて、眠りたくなった。


雑誌をめくっている彼女の肩に手を置くと、彼女が飲みかけのコーヒーと雑誌を持って、立ち上がった。


俺は彼女が座っていた椅子に座って、おいでって両手を広げる。


彼女が俺の膝に座って雑誌をめくる。後ろから抱きしめて、肩に顎を乗せて彼女の顔を見る。


「まだ読むの?」


「まだ読んでないもん」


「いつでも読めるだろ」


俺がいない時に。


「…そうね。恥ずかしい?」


「うん」


「ふふ…。じゃあ、あとでひとりで読む」


彼女がパタンと雑誌を閉じて、振り向いた。


そのまま、柔らかい唇に口づけた。何度か唇を吸っては離し、彼女の腰に手を添える。すると、彼女が体をひねって俺の首に腕を回した。

雑誌がバサっと床に落ちた。


もっと深く口づけようとした時、


ピンポン…!


とドアホンが鳴った。


唇を離して、彼女と目を合わせる。


一体誰だ?久しぶりに彼女と過ごす休日の朝だっていうのに…。