桐壺 〜序章源氏物語シリーズ始めました。前記事からお読みください帝は、聡明であった。そしてまた、純粋であった。それゆえ摂関家の傀儡となる己の運命に抗った。純粋な愛が権力欲にまみれた偽りの愛に負けることが帝には許しがたいことのように思われた。虚ではなく、実を、帝は求めた。真実の愛を、帝は求めた。桐壺帝、18歳。まだ、どの女御も正式な皇后とされていかった。めくるめく源氏物語絵巻はこの帝の無謀な愛から始まった。